神戸学院大学

経営学部

土曜公開講座「でたらめなのに法則が!?-目からウロコの確率統計-」を開催しました

2023/06/27

ポアソン分布を説明する大角教授
ポアソン分布を説明する大角教授
講義の様子
講義の様子

経営学部大角盛広教授による「でたらめなのに法則が!?―目からウロコの確率統計―」を6月24日に有瀬キャンパスで開催し、91人が参加しました。

今春の土曜公開講座は第85回となり、本年度より経営学部にデータサイエンス専攻が新設されたのを機に、「私たちのくらしとデータサイエンス」をテーマとして、経営学部のデータサイエンス担当教員がデータサイエンスについてわかりやすく講義を行います。

冒頭に大角教授から「確率」の考え方について、「世の中には偶然に支配される現象が多々あり、その偶然を扱うために考えられたのが『確率』です」と説明がありました。例えばコインを複数回投げて表側が出たときは1点、裏側が出たときは0点とした場合の得点分布はパスカルの三角形と一致し、投げる回数を増やすにつれて正規分布の形に近づきます。

またコインがゆがんでおり表側が滅多に出ない場合、表側が出る割合が少ないほどグラフは左側に偏っていきます。このような希現象の大量観測はポアソン分布で表されますが、あまり起きないことでも意外に重なることがあることがわかります。ポアソン分布に従うことが知られている事例としては「一定時間に特定の交差点を通過する車両の台数」「一定時間に受け取る電子メールの件数」(いずれも平均5未満の場合)などが挙げられます。

最後にランダムウォークについて、自分の意思と関わりなく運や偶然による、確率的に変動する現象のモデルであると説明がありました。ここでは参加者にコインを振ってもらい、その結果をグラフにしてもらいました。得点がマイナスでない期間を「リード期間」と呼びますが、その期間が半々になることや、0点に戻る回数は想定した以上に少ないということがこの実験からも分かりました。つまりリードが偏る方が圧倒的に起こりやすいのです。

受講者からは「自分が思っている結果にならずに驚いた」「実際にシミュレーションしたことで理解しやすかった」など多くの感想が寄せられました。

次回7月1日は、 経営学部の林坂弘一郎教授による「協調フィルタリングによる推薦システム」です。