神戸学院大学

経営学部

土曜公開講座「フェアトレード ファッションへの誘い」を開催しました

2024/10/09

講義をする辻教授
講義をする辻教授
講義をサポートする辻ゼミの千葉さん(左)と長尾さん(右)
講義をサポートする辻ゼミの千葉さん(左)と長尾さん(右)
講義を聴く受講者
講義を聴く受講者

経営学部の辻幸恵教授による土曜公開講座「フェアトレード ファッションへの誘い」を10月5日にポートアイランド第1キャンパスで開催し、63人が参加しました。講義では、辻ゼミの千葉夏奈江さんと長尾航汰さん(いづれも3年次生)がサポートを担当しました。

今秋の土曜公開講座は第88回となり、「私たちのくらしと文化」という統一テーマに基づき、各研究分野の教員が全6回の講義を行っています。

今回の講座では初めに、辻ゼミで実施しているフェアトレードのしくみがわかるゲームと、神戸紅茶とコラボしたオリジナル紅茶の2つのクラウドファンディングについて紹介し、参加者の方々へ協力をお願いしました。この取り組みはフェアトレード商品の普及と拡大が目的です。

続いて、今回のテーマとマーケティングの関わりとして、ソーシャル・マーケティングについて説明しました。ソーシャル・マーケティングとは、1960年代の米国の消費者運動をきっかけに、1980年代に経営学者フィリップ・コトラー(近代マーケティングの父)が提唱した、社会貢献活動を通して社会全体の利益や利便性を向上させるためのマーケティング手法です。社会貢献や非営利目的を認知させ、共感を得ることや、社会全体の利益追求を行い、投資家から注目されて資金調達をすることができる特徴があると解説しました。

また、今回のテーマでもある「フェアトレード」とは、直訳で「公平な貿易」「公正な貿易」あるいは「もうひとつの貿易」となります。今までの貿易とは違う、誰かが「儲かる」だけの貿易ではなく、生産国である開発途上国の人々も、それらの製品を輸入している先進国(日本含む)の人々も、お互いに製品やサービスを通じて、幸せになるような取引を目指していくことが「フェアトレード」の目的であると述べました。

現在では、ファッション分野の製品もフェアトレード商品として日本に輸入されています。フェアトレード商品は、特別なものではありません。多くは奇抜さがなく、優しい色合いで誰にでもフィットするサイズ感や、動きやすい、履きやすさが特徴です。また、手作りのアクセサリーはオンリーワンであるものが多いと伝えました。

後半では、フェアトレード ファッションを推奨する意味として、開発途上国の人々の暮らしの向上や、女性の自立を助ける活動をしながらおしゃれができる点を紹介しました。優しい色合いや肌触りのよい風合いは、自然な上品さにつながり、おしゃれをしながらSDGsへ協力ができて一石二鳥となると説明した後、参加者はフェアトレード商品である紅茶・帽子・チョコレート・石鹸・化粧水・ポーチなどの商品を実際に手に取りました。

最後に、フェアトレード ファッションを購入し、日常的に楽しんで取り入れることが支援につながり、お互いの幸せにつながると講演を締めくくりました。

質疑応答では、貧困の連鎖、フェアトレードの人権・労働・政府について、神戸学院大学とフェアトレードの取り組みがあるのか等、多くの質問が辻教授へ寄せられました。

参加者からは「フェアトレード ファッションを普段の生活でも取り入れていきたい」「フェアトレードの商品は、その国の役に立っていることがわかり大変参考になった」「商品もとても良く一度お店をのぞいて見たいと思った」など多くの感想がありました。