神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会組織委員会事務局の北林競技部長が学生に講演しました
2023/10/31
神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会組織委員会事務局の北林直哉競技部長が10月31日、ポートアイランド第1キャンパスで学生に講演しました。経営学部の辻幸恵教授の授業を受講する2年次生が出席しました。
大会は来年5月17日~25日、神戸市須磨区の神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で開催されます。世界最高峰のパラ陸上競技大会として2021年に開催予定でしたが、新型コロナウイルスの世界的流行で2回延期となり、ようやく東アジアで初めての開催にこぎつけました。
多数の若者に同大会への入場・運営協力を呼びかけようと神戸市が始めた「1日1万人集客プロジェクト」に辻ゼミ生のグループ「#神パラ2024盛り上げ隊」が参加することが決まっており、講演は予定している企画の一つです。隊員を代表して塩本康晟さん(3年次生)が経緯を説明しました。
北林さんは元陸上競技・やり投げの選手。大阪府立高等学校教員を経て、高齢者宅への訪問介護や障がい者への居宅サービスなどを業務とする「株式会社アワハウス」(大阪市西区)取締役を務めています。パラスポーツの振興と普及に長年携わり、日本パラ陸上競技連盟競技運営委員会委員長でもあります。
大会の概要や開催意義についてプロモーション動画を使って興味深く話してもらいました。パラスポーツの歴史では、障がい者のスポーツの祭典「パラリンピック」は戦争から生まれたとし、「戦争でけがをした兵士(傷病兵)のリハビリのために運動が奨励された」ことがきっかけとなって大会開催に結び付いたと述べました。「日本パラスポーツの父」として敬われている中村裕医師(故人)ら草創期の貢献者についての紹介もありました。動画では、視覚障がい者のトラック競技で伴走するガイドランナーなど、パラアスリートを支える人たちにも言及しました。
質疑応答に移り、まず塩本さんが「大学祭でボッチャやブラインドサッカーなどのパラスポーツ体験会を企画していますが、どのようなことに注意すべきですか」と尋ねました。北林さんは、「人は目から入る情報が9割だと言われているので、目隠しすると歩くことが恐いと感じます。視覚を失うと音や声に頼ることになるので、声を出す時にはどうやって注意を喚起すればいいか、体験会で学ぶようにしてもらえれば」と答えました。
女子の受講生は「(電動車椅子の人のスラローム競技の写真についての説明で)寝たきりの人も新しくできるスポーツ競技に参加しているという説明がありましたが、新しい競技種目はどのようにして決めますか」と質問しました。北林さんは「かつては重度障害者がスポーツをする選択肢はなかったのですが、今は車椅子さえ操作できればスラロームにも参加できます。(時代とともに)競技の道具も変わります。新しい時代に合わせて、変化に対応しながら新しい種目を考えていかなければなりません」と答えました。
最後に塩本さんら3年次ゼミ生が、12月17日まで実施している「KOBE2024世界パラ陸上スタンプラリー」のチラシを配布して参加を呼びかけました。
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