被災地支援活動
2016年12月1日(木)~12月4日(日)平成28年熊本地震緊急支援ボランティア(第5陣)活動報告
標記の件、下記のとおり報告いたします。
日時 | 2016年12月1日(木)~12月4日(日)3泊4日(内2泊は船中泊) |
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場所 | 熊本地震被災地(南阿蘇村、益城町 他) |
主催 | 神戸学院大学災害支援対策本部会議(本部長=学長) |
担当 | 学生支援センター(ボランティア活動支援室) |
協力 | 熊本学園大学、阿蘇YMCA、南阿蘇村役場建設課(仮設住宅担当) 他 |
1.活動先
南阿蘇村(視察)、益城町仮設住宅(活動) 他
2.参加者
学生4人(社会防災学科1人、ボランティア活動支援室学生スタッフ3人)
引率1人(ボランティア活動支援室担当者)
3.活動内容
12/2(金) | 阿蘇YMCA視察、南阿蘇村建設課視察、熊本学園大学打合せ・懇親会 |
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12/3(土) | 益城町テクノ仮設団地・A地区集会所にて支援活動 (熊本学園大学主催の「おひさまカフェ」のお手伝い) |
4.交通
フェリー(さんふらわあ) 神戸港(六甲アイランド) ⇔ 大分港
5.宿泊先
アークホテル熊本城前 〒860-0846 熊本県熊本市中央区城東町5-16 TEL:096-351-2222
6.行程
12月1日(木)
18:00 | 神戸港 受付カウンター前集合 |
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19:00 | 神戸港(六甲アイランド)出航 フェリーさんふらわあ 船内でスケジュール確認等打合せを実施 |
20:00 | 船内で夕食 |
12月2日(金)
06:20 | 大分港着 →連絡バスで大分駅(20分) |
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07:04 | 大分駅前高速バスのりば発 高速バス やまびこ号乗車(引率はレンタカー) |
09:24 | 赤水駅前到着 |
10:30 | 阿蘇YMCA訪問 →YMCAのご案内(ワゴン車)で現地視察 ・阿蘇大橋(崩落)周辺、東海大学阿蘇キャンパス(農学部) 他 |
12:00 | 昼食 |
14:00 | 南阿蘇村役場建設課訪問(主に仮設住宅の状況をヒヤリング) |
17:00 | 宿舎へ移動 |
19:00 | 熊本学園大学学生、ボランティアセンター準備室との打合せ・懇親会 |
21:00 | 終了 |
12月3日(土)
09:00 | 宿舎出発 |
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10:00 | 熊本学園大学のプログラムに参加 おひさまカフェ・・・益城町「テクノ仮設団地」での住民交流のための茶話会 子どもの見守り・遊び相手、大人(高齢者)の方とはお話交流 |
12:30 | 昼食(熊本学園大学が用意) |
13:30 | 活動終了、後片付け |
14:00 | テクノ団地入口 高速バスやまびこ号乗車 |
17:23 | 要町(大分駅高速バスのりば)着 |
17:34 | JR大分駅発 |
17:37 | 西大分着 →フェリーターミナルまで徒歩15分 |
19:30 | 大分港出航 フェリーさんふらわあ 船内で事後研修会 |
20:30 | 船内で夕食 |
12月4日(日)
07:55 | 神戸港到着、解散 |
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【12月1日の様子】
船内のロビーで事前研修
【12月2日の活動の様子】
阿蘇YMCAスタッフの方に現地の案内(南阿蘇村、阿蘇大橋他)
【12月3日の活動の様子】
益城町テクノ団地
集会所で交流活動
(熊本学園大学おひさまカフェ)
益城町の被災の状況
現地視察、活動の成果
1)南阿蘇村
特徴:熊本県都市部から離れており、道路の被災(阿蘇大橋が落ちている)もあり、支援の手が届きにくい。もともと高齢化率の高い地域であった。
阿蘇YMCA視察
- YMCAのワゴン車で、被災地の視察をしていただいた。=12月2日写真
役場建設課視察
- 集落ごとの集まり(ワークショップ)をした際に、当日のことを思い出して不安になった人がいた。大震災による心の傷は深く、癒えていない。
- 特に若い住民が村を出て行った。「戻りたい」という本音があると思う。いかに安心して暮らせる地域にするか。また商業の打撃も大きいが、仮設商店など、復興への一歩を踏み出せる支援をしていく。
- 仮設住宅は8団地、約400戸・1000名が入居(高齢者率が高い=約1/3)
- 南阿蘇村の特徴は「住宅が残った状態で仮設に入居」であり、半壊でも住める住民は住居と仮設住宅を行き来している。天候の良い日は住宅、悪い日(土砂崩れの危険のため)は仮設へ。そのため仮設住宅の自治が難しい。
- もともと大きな家に住んでいた住民が多く、仮設住宅や賃貸アパート(みなし仮設)での生活にストレスを抱えている。
- みなし仮設の被災者が1000戸(内、東海大学生多し)あり、支援の手が届いていない。
- 役場は仮設住宅の管理面、冬季対策など住環境のハード面の対策が優先される。コミュニティの形成は社協(地域支え合いセンター)が担当する。
- 仮設住宅自治会の役員は決まったが、住民の自治運営の本格化は来年になってからだと思われる。
- 外部からの行事は減少して、いまは落ち着いている。
- 住民の自立を阻害しない支援を考えてほしい。支援の要請があれば自治会につなぎ、受け入れの判断してもらうことになる。現時点で仮設住民からボランティア支援の要請は受けていない。
- 学生ボランティアの事例として、九州の建築系大学生による棚作りなどがある。
- 観光支援など、経済的な支援も必要である。
2)益城町
特徴:大きな被害を受け、発災直後はマスコミ報道の中心となった地域。飛行場があり、熊本市(都市部)からも近く、比較的支援が入りやすい。活動当日には、他の大学や支援者の姿があちらこちらで見受けられた。農業地域である。
テクノ仮設団地で活動
- 仮設住宅は町内に18団地あり、テクノ仮設団地(516戸)は最大規模の仮設住宅である。
- 場所的に不便なところにあり、対策として路線バス、仮設内に店舗(イオンなど)を整備している。
- 516戸を6区に分けてあり、本学がお手伝いした熊本学園大学はA区の集会所で活動している。
- 熊本学園大学は毎週土曜日、日曜日にA区の住民を対象に、「おひさまカフェ」を開店して、お茶、コーヒー等を10円で提供し、集会所でのサロン(住民同士の交流や子どもの見守り)を実現している。
参加学生の学び:事後研修会アンケートから一部抜粋
テクノ仮設団地で気づいたこと
- 高齢者が、まだ心の中には震災の記憶が残り続けている。心のケアが必要と感じた。
- A区は他の区と比べて住居地区がバラバラである。おひさまカフェで子どもたちが友達を作っていた。
- 熊本学園の学生は土、日曜日を不休で活動を続けている。休息も必要だと思ったが苦だとは言わない。
- 神戸から訪れた学生に話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になると言っていただいた。
- 男性の多くが部屋から出てこない。
- 多くのボランティアが来ることが励ましになる。一方で、熊本学園大学生は大学のビブスを着ることをやめていた。理由は住民のボランティア疲れへの配慮で、自然な形で学生が仮設にいることをめざしていたからである。
今後の支援活動につながるコメント
- メディア情報に頼っては駄目で、実際に被災地に赴き現状を知ること、知ったことを神戸で伝える。
- 事前学習の必要性を痛切に感じた。
- 地震、大雨、噴火で大きな打撃を受けている農業支援のニーズが高い。自力で復興は困難である。
- 集会所などで大学の課外活動団体(劇、音楽、スポーツなど)の力をつなぐこと。
- 神経質な学生はフェリーは眠れない。
- 住民の話を一方的に聞くだけでなく、質問ができるようにすべき。(話が深まる)
引率(ボランティア活動支援室担当者)から
- 熊本県内の被災地域は広く、アクセスや土壌が違う。本学としてどこを支援するか。
- 現地の大学生との協働は、10月に実施した神戸招へいプログラム(熊本から2校、4人)の成果で、熊本学園大学の活動に参加させていただいた。春の陣(第6陣)も依頼することになりそう。
- その他の地域での活動(南阿蘇村など)については現地とのコネクションが弱く、外部支援を積極的に受け入れている様子もないのでハードルが高いと感じた。
- 東北で継続してきた「仮設住宅支援」にこだわらわず、学生が気づいているような農業支援、経済的な支援(観光キャンペーン、物産展など)も想定して、継続的な支援の方策を模索してはどうか。
- 同窓会(九州支部)からの応援は力強い=春の陣では、現地で合流して活動をするなどの要請を受けている。
以上