被災地支援活動
神戸学院大学 東日本大震災東北ボランティア報告会 報告書
以下の通り、報告いたします。
名称 | 東日本大震災復興支援と学生ボランティアの意味 ~学生ボランティアの活動実績と今後の展開について~ |
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目的 |
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日程 | 2013年2月26日(火)13:00~17:00 |
会場 | 神戸学院大学有瀬キャンパス 教室(15号館 1階 151M) |
参加数 | 学生および教職員88人(登壇者、学生スタッフ含む) |
主催 | 神戸学院大学 東日本大震災災害支援対策本部 神戸学院大学 地域研究センター・心理臨床カウンセリングセンター |
「文部科学省 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業 地域研究プロジェクト」として実施。
プログラム:
13:00 | 開会の挨拶 岡田豊基 学長 |
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13:10 | 講演1「NPOから見た東日本大震災復興支援と学生ボランティア」
~大学によるボランティア支援の意味とは~ |
14:10 | 講演2「東日本大震災から2年、『兵庫県の被災地支援状況』」
講師:高橋 守雄氏(ひょうごボランタリープラザ 所長代理) |
15:00 | 活動報告「神戸学院大学の実績報告と問題提起」 |
15:50 | パネルディスカッション「東北の今後、学生の今後のビジョン」
進行:日高 正宏(神戸学院大学心理臨床カウンセリングセンター所長) |
16:40 | 学生のディスカッションへの激励(高橋氏、赤澤氏) |
16:55 | 閉会の挨拶 田中 康介 学生支援センター所長 |
17:00 | 終了 |
報告者:
仮設住宅の子どもとの交流プログラム | 堀内 成実 人文学部 2年次生 |
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東北学院大学大学連携プログラム | 藤本 貴士 薬学部 1年次生 |
中期滞在型プログラム | 横田 侑佳 人文学部 1年次生 仙波 あゆみ 人文学部 1年次生 |
後方支援、大学祭で物産展 | 安田 淳美 防災・社会貢献ユニット 3年次生 |
パネリスト:
社会福祉の視点で | 日野 詩桜里 総合リハビリテーション学部 1年次生 |
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心理ケアの視点で | 堀内 成実 人文学部 2年次生 |
防災・減災の視点で | 安田 淳美 防災・社会貢献ユニット 3年次生 |
学生スタッフの視点で | 北出 理奈 ボランティア活動支援室学生スタッフ 2年次生 |
カウンセラーの視点で | 守田 敦子 心理臨床カウンセリングセンター・カウンセラー |
送り出す側の視点で | 西垣 千春 ボランティア活動支援実行委員長(総リハ学部教授) |
【報告会レポート】
講演1「NPOから見た東日本大震災復興支援と学生ボランティア」
~大学によるボランティア支援の意味とは~
講師:赤澤 清孝氏(NPO法人 ユースビジョン 代表)
- 阪神・淡路大震災後、京都を拠点に学生ボランティアセンターを立ち上げ、現在はNPO法人 ユースビジョン代表の赤澤氏。東日本大震災では石巻市に出向し、復興支援に取り組んでいます。
- 講演では、阪神・淡路大震災と東日本大震災の被害やボランティア活動の比較データを示すなど、説得力のある議論を展開しました。
- 活動事例を示すなど、聴衆が理解しやすいよう工夫されていました。
講演2「東日本大震災から2年、『兵庫県の被災地支援状況』」
講師:高橋 守雄氏(ひょうごボランタリープラザ 所長代理)
- ひょうごボランタリープラザで、兵庫県による東日本大震災ボランティアの陣頭指揮をとる高橋氏。自らボランティアバスに乗車し、現地で復興支援を展開しています。新しい取り組みとして、仮設住宅の高齢男性の引きこもり対策となる「コミュニケーション麻雀」の普及に努めています。
- 講演では、赤澤氏と同様、客観的なデータと豊富な兵庫県の支援活動事例を紹介しました。短い講演時間にもかかわらず膨大な情報を詰め込んだ、密度の濃い話をしていただきました。
- 神戸学院大学ボランティアバスの共同実施者としても支援していただいている。
活動報告「神戸学院大学の実績報告と問題提起」
- 5人4グループによる活動報告でした。みなさん緊張気味ではありましたが、事前の厳しいリハーサルを経て、ぐっと引き締まった報告となったと思います。
- 報告のテーマは、2013年度に神戸学院大学が実施した四つの特徴的な活動(仮設住宅の子ども交流、他大学との連携、中期滞在で仮設の日常支援、神戸での物産展)について、その目的や内容について紹介いただき、学生から見た問題点と解決策を提案しました。
- また、薬剤士をめざす学生としてコミュニケーション力を培う機会、3年次生として就職活動にどのように生かせたかなど、それぞれの学びにいかにつながったかの報告もありました。
パネルディスカッション「東北の今後、学生の今後のビジョン」
- 4人の学生と2人の教職員によるディスカッションを行いました。
- テーマは「活動体験とそれぞれの学び」です。学生の所属する学部や団体の専門性から、何を感じ、何を学び取ったかを発表しました。また、今後の活動ビジョンについて、日高先生の進行で、学生を中心に活発なディスカッションを展開しました。
- 交わされた意見には、「継続することの重要性」、「今後、現地での活動だけでなく、後方支援や自分自身の生活をどのように見直すか」等がありました。
- 聴講していた引率経験者の神原文子人文学部教授からの感想や提案もありました。
- 最後は、講師の赤澤氏、高橋氏から激励の言葉をいただき、パネルディスカッションは終了しました。
【参加者アンケートから】(一部抜粋)
- 時間がたつにつれて、ボランティアに求められるものも変化してくる。現地に行って直接の支援を行う以外に、インターネットを利用した活動や、被災者が自立し活動できるように、ボランティアの経済効果や町づくりや、将来的な村や町の方向性を決めていくようなボランティアもあってもよいのではないだろうか。被災者が自立していく中で、将来的な方向性や経済を立て直すために支援できることはないのだろうか。
- プログラムの構成が大変よかったと思います。講演→報告→パネルディスカッションと流れが素晴らしい。それぞれ、本当に役に立ちました。特に、学生さんの発表がよかった。いかに真剣に取り組んでいらっしゃるのかしっかり伝わってきました。そして、素直に、正直にお話ししてくださり、感銘を受けました。しっかりとした指導がなされていることを強く感じました。そしてその指導をちゃんと学生さん方が実践されている発表も素晴らしい!羨ましい限りです。組織的に素晴らしい体制が整っていると痛感させられました。私ができることを、これから実践していきたいと思いを強くいたしました。本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
- 以前と比べて、学生主体でボランティアが動いているという強い印象を持った。ボランティアを体験した学生の「もっと何かしたい」という思いが伝わってきた。
- 何事によらず、初期のシステムづくりの重要性について痛感いたしました。またそれを継続する工夫と苦労の実際についての報告には、高い志と情熱の強さがしっかりと伝わってきました。
- 外部の人からの話や、被災地に行った学生の報告等を聞いて、改めて自分の活動について考えることができてよかった。少し気になったのは、参加していた学生の殆どが、東北ボランティアに深く関わっているような人で、一般の学生があまりいなかったように思った。ボランティアに関わったことの無いような学生が来てくれればもっと良い。
以上