被災地支援活動
9月14日(金)~9月17日(月・祝) 学生ボランティア派遣 報告書
標記の件、下記のとおり報告いたします。
プログラム名 | 宮城県災害支援学生ボランティアバス(大学主催) |
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共催 | ひょうごボランタリープラザ |
日程 | 2012年9月14日(金)~17日(月・祝) 3泊4日(2泊は車中泊) |
行程・内容
9月14日(金) (有瀬キャンパスKAC)
16:45 | KAC教室集合後、事前研修会 |
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19:00 | KAC 15号館前にバス到着、備品等積み込み |
19:30 | KAC 出発。バスにて宮城県へ。最初のSAでは夕食休憩として少し長めに休憩。 その後は途中SAにて2、3時間おきに休憩 ―バス車中泊― |
9月15日(土)
09:00 | ダルマ薬局手倉田店・駐車場で打合せ |
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09:30 | 名取市仮設住宅で活動 活動時間:午前の部(10:30~12:00)、午後の部(13:00~15:00) 活動内容:①裁縫小物作り(ブックカバー、巾着、コースター)、②子ども向け理科実験・石鹸作り |
15:00 | 活動終了、後片付け |
16:00 | 沿岸部視察(閖上地区)30分程度 |
17:30 | 松島町フットボールセンター(宮城県宮城郡松島町手樽字大蓬沢13-1) ―就寝前に、振り返り、翌日活動打ち合わせ― |
9月16日(日)
06:30 | 朝食、清掃 |
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07:30 | 宿泊施設出発 |
08:30 | 沿岸部視察(30分程度) |
10:00 | 石巻市の仮設住宅(南境団地)で活動(各集会場に分かれて活動) 活動時間:午前の部(10:30~12:00)、午後の部(13:00~15:00) 活動内容:①裁縫小物作り(ブックカバー、巾着、コースター)、②子ども向け理科実験・石鹸作り、③(第4団地のみ)神戸学院ライブラリ設置、④(第5団地のみ)壁画プロジェクト |
15:00 | 活動終了、後片付け |
16:00 | ミニストップ前集合。現地の銭湯に移動、入浴および活動振り返り |
18:30 | 銭湯を出発、その後神戸へ。途中SAにて2、3時間おきに休憩 ―バス車中泊― |
9月17日(月・祝)
08:30 | KAC帰着 学生、備品等のおろし |
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09:00 | 事後研修会(KAC教室) |
10:00頃 | 解散 |
参加者
学生19人 | 一般申込み9人、ボランティア団体5人、防災・社会貢献ユニット5人 |
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引率者2人 | 林坂 弘一郎(神戸学院大学 経営学部 准教授) 丸尾 和代(神戸学院大学 教育開発グループ 職員) |
現地派遣者1人 | 四宮千佳子(神戸学院大学 社会連携グループ コーディネータ) |
活動詳細
9月14日(金)事前研修会
- ガイドブックに沿って、活動や被災地での心構え、活動の注意点、具体的な活動の情報提供
- 企画学生から活動について説明、ミーティング、その後班ごとに翌日の活動の確認・事前研修後、備品の点検、バスへの積み込み
9月15日(土)名取市
名取市仮設住宅 箱塚屋敷団地
- 173世帯、約430人の方が居住されている
- 集団移転ではなく、さまざまな地域から集まってできた団地。自治会があり、集会所も活発に活用されている
裁縫小物作り(ブックカバー、巾着、コースター)
- いつもは集会所に顔を出さない方も参加してくださり、他の住民の方も喜んでくださった
- 裁縫の得意な方が他の住民や学生へ指導し、手作業を通じた交流が生まれていた
- 男子学生も、住民の方から教えていただきながら巾着を作成し、ほほえましい光景であった
- 巾着が大人気で、作った巾着をすぐに使ってくださっていた
- 「いつも子どものものが優先なので、今日は自分のものをつくる」と自分のイニシャルのアップリケをはりつけられた方もいらした
子ども向け理科実験~石鹸作り~
- 子ども向けに、勉強になる遊びをしよう!と呼びかけ、石鹸作りを行った
- 液体せっけんに濃い塩水を混ぜると、せっけんの固まりができる。それを網で濾して、クッキーの型ぬきなど、自分の好きな形に固めて、自分だけの石鹸を作った
- なぜ液体せっけんが固まったのか、クイズ形式で楽しみながら考え、作ることができた
- 型によってはなかなか固まらないせっけんもあり、子どもと学生が一緒に「なぜだろう?」と考え意見を述べ合っていた
沿岸部の視察
- 活動前に沿岸部の視察を行った(閖上地区)
- 現地コーディネーターから被災状況や当時の様子を説明した
活動終了後の振り返り
- リーダー・班リーダー・引率で、翌日活動内容について打ち合わせをし、方針を確定した
- リーダー会議終了後、全員で初日の振り返りを行った。活動内容ごとに班に分かれ、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったこと、明日への抱負などを共有した
- 翌日活動の段取り確認を行った
9月16日(日)石巻市
沿岸部の視察
- 活動前に沿岸部の視察を行った(門脇地区)
- 現地コーディネーターから被災状況や当時の様子を説明した
石巻市仮設住宅 南境団地
- 第1~7団地において、約750世帯の方が居住されている
- 集団移転ではなく、さまざまな地域から集まってできた団地。団地によっては住民主催の交流会が開かれている
- 仮設住宅周辺に戸建の新築住宅が建ち始めている
- 10月には、第4団地および第5団地に仮設住宅自治会が立ちあがる
裁縫小物作り、子ども向け理科実験~石鹸作り~
- 前日同様、小物作りと子ども向け理科実験~石鹸作り~を実施した
- 小物づくりが得意な方は、ステッチや刺繍を入れる等、かわいい一工夫を付け加えていた
- 仮設住宅での活動も1年になろうとしているが、(裁縫が好きなので)初めて参加したとおっしゃる方もいらした。ようやく参加しようかという気持ちになられた方もいるということ、まだまだきっかけづくりも必要かと感じた。その方は、手芸がお得意で他の団地の方から教えてと声をかけられて、つながりを感じたので、これからはできるだけ参加したいとおっしゃってくださった
- 集会所にミシンが寄附されているので、みんなで活用したいという声もあった
- 男性陣は将棋やオセロ、トランプを楽しんだ。男性陣の中には、普段はほとんど集会所にはいらっしゃらない方が「是非将棋を指したい」と参加された
(第4団地のみ)神戸学院ライブラリ設置
- ボランティア活動支援室学生スタッフ企画による、仮設住宅集会所へミニ図書館を作るプロジェクト。第5団地に引き続き、第4団地集会所にも設置させていただいた
- 本は本学学生や教職員、地域の方々から寄贈されたもの
- 住民の要望に応じて適宜本の入れ替えを行う予定
(第5団地のみ)壁画プロジェクト
- 今春に住民より、仮設の壁に彩りを加えてもらいたいという要望を受け、開始したプロジェクト
- 夏に学生が一週間仮設住宅に滞在し、子どもたちとともにデザインを考えた。このたび住民から了解を得て、貼り付け作業を行った
- 道路に面した3棟の壁に、それぞれ違った絵を描いた。動物たちが手を繋いでいる絵、春夏秋冬の要素を散りばめ「みんな大好きだよ」というメッセージを込めた絵など、微笑ましいデザインを子どもたちは作ってくれた
- カッティングシートをボンドで貼り付ける手法を取った
- 炎天下の作業であったため、子どもたちは屋内作業、学生が屋外作業、と役割分担を行った
- 作業終了後、住民の方からは「思わず笑顔になる」「見ると元気になる」「子どもたちが頑張ってくれて嬉しい」などのご意見が聞かれた
壁画プロジェクト作業の様子
完成した壁画
活動終了後の振り返り
- リーダー指示のもと、前日同様活動内容ごとに班に分かれ、活動を振り返った
9月17日(月・祝)事後研修会、活動振り返り
- 事後研修会では、参加学生ひとりひとりから感じたこと、意見等を言葉にしてもらった。以下は学生コメントの抜粋である
(神戸学院大学 学生)
- 事前ミーティングに参加できず不安だったが、みんなしっかり考えて、被災者に寄り添えて、すごく楽しい経験だった。家族や友達に経験を伝えていくようにしたい
- 初めての参加でリーダーになり頼りなかったが、スケジュール通りに動けて、成功だと思う。テレビで見るのとは違う生の体験で、心の成長につながった。また行きたい
- 初めてで不安だったが、行ってみて、子どもと遊んだりしたのがよかった。被災地の視察で衝撃を受けたが、それがいい経験になった
- TVで見ていたのと全然感じ方が違って、たくさんの方が亡くなったのを実感した。ボランティアは初めての経験だったが、成長できいい体験だった
- こんな大がかりなボランティアは初めてで不安だったが、子どもの笑顔や楽しかったという言葉がうれしかった。TVでしか見ていない被災地が、実際行ってみるとすごく違った
- やってみないと分からないことが多かった。活動中は元気だったが今はしんどい
- 色々な課題が見つかったのでこれから生かしていきたい。自分の経験をまわりに話すのが大切
- みんなが集まって活動するのは、いい経験だった。人とのつながりが大事だ
- 被災者に「今度は南海地震が心配。その時はこっちが応援する側にならないと」と言われた。今度は私たちが危ないこともあるかもしれないというのも、忘れないようにしたい。今回の地震の教訓を伝えて、みんなの命を守りたい
- 今回見たこと以外に、見ていない部分もたくさんあると思う。言葉にできない思いを忘れないようにして、別のことにつなげたい
- 初めて参加したが、事前ミーティングに参加できなくて申し訳ない。年配の方とたくさん話せた。人と人のつながりをすごく感じた
- 事前ミーティングに参加できなかった。これからいろいろ勉強して生かしていきたい
- 思っていたことや計画と違うことばかりで、自分の中でわらわらした。それを次に生かしていきたい。継続が大切だ
- 事前ミーティングには参加できなかったが、貴重な経験ができた
- 自分にとっては活動や被災地の視察がいい経験になった
- 今回2回目だが、1回目の失敗が生かせた。またこれを次につなげたい
- 初めてだが、本当に良かった。「笑顔になれたし、元気をもらえた」と言ってもらえたのが心に残っている。これからも参加したい
- 現地を見て、視察していいのかなという気持ちになった。行かないと分からないことがたくさんあった
- 何もなくなった被災地を見ても、ここが以前はどういう状態だったのかが想像できない。でも被災者は自分の思う感情の何十倍も苦しい思いをしていると思う。TVで報道されていないことも見て、ショックだったが、できるだけ伝えていきたい
(神戸学院大学 引率)
- 当初の予定と違う行動をしないといけない場面があったが、その時々で対処でき、いい結果になった。今回のバスは全員がチームになっていい活動ができた。仮設の方にとっての自分たちが「単なるイベントにやってくる大学の学生」ではなく「神戸学院大学の子」という、家族のような存在になっているように感じた。少しずつ溶け込んでいっているので、仮設がなくなる日まで活動を続けたい
- 無事に帰って来られてよかった。出発前とメンバーの表情がとても変わった。いろんなことを考えたが、そういうことを書き留めて忘れないようにしたい
以上