被災地支援活動
6月8日(金)~6月11日(月) 学生ボランティア派遣 報告書
標記の件、下記のとおり報告いたします。
プログラム名 | 宮城県災害支援学生ボランティアバス(大学主催) |
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日程 | 2012年6月8日(金)~6月11日(月) 3泊4日(2泊は車中泊) |
行程・内容
6月8日(金)(有瀬キャンパス:KAC)
16:45 | KAC151G教室集合、事前研修会
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19:00 | KAC 15号館前にバス到着、備品等積み込み |
19:30 | KAC 出発。バスにて宮城県へ―バス車中泊― |
6月9日(土)
8:00 | 名取市の仮設住宅に到着 |
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9:30 | 名取市の仮設住宅で活動 活動時間:午前の部(10:00~12:00)、午後の部(13:00~15:00) 活動内容:①戸別訪問、②子どもと遊ぶ、③ベンチ修繕、④カラオケ大会応援 |
12:00 | 昼食休憩(グループごとに、リーダーの指示に従う) |
13:00 | ④カラオケ班は徒歩にて増田西公民館へ移動。カラオケ応援(13:30~16:30) |
15:00 | ①②③活動終了、後片付け後、徒歩にて増田西公民館へ |
17:00 | 公民館出発、宿舎へ |
18:45 | 松島町フットボールセンター(宮城県宮城郡松島町手樽字大蓬沢13-1) ―就寝前に、振り返り、翌日活動の打ち合わせ― |
6月10日(日)
07:30 | 宿泊施設出発 |
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08:00 | 被災地視察@門脇地区付近。視察後、南境団地(仮設住宅)へ移動 |
10:00 | 石巻市の仮設住宅で活動(第2、第4、第5団地に分かれる) 活動時間:午前の部(10:30~12:00)、午後の部(13:00~15:00) 活動内容:①子どもと遊ぶ、②(第4のみ)ベンチ・テーブル制作 |
12:00 | 第4団地にて昼食(焼きそば)をごちそうになる |
15:00 | 活動完了、片づけ |
16:00 | ミニストップ前集合。現地の銭湯にタクシー移動、入浴。振り返り
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18:00 | 銭湯を出発(バスは銭湯の駐車場で待機) |
18:15 | 神戸へ。途中SAにて2、3時間おきに休憩 ―バス車中泊― |
6月11日(月)
08:30 | KAC帰着 学生、備品等のおろし |
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09:00 | 事後研修会(KAC151E教室)→ 10:00頃 解散
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参加者
学生21人 | 一般申込み12人、ボランティア団体4人、防災・社会貢献ユニット5人 |
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引率者2人 | 土肥未紗子(神戸学院大学企画・調査グループ 職員) 守田敦子(神戸学院大学心理臨床カウンセリングセンター 職員) |
現地派遣者1人 | 四宮千佳子(神戸学院大学社会連携グループ コーディネータ) |
活動詳細
6月8日(金)事前研修会
- ガイドブックに沿って、活動や被災地での心構え、活動の注意点、具体的な活動の情報提供
- 企画学生から活動について説明、ミーティング、その後班ごとに翌日の活動の確認・事前研修後、備品の点検、バスへの積み込み
- 戸別訪問担当の学生の研修を行う
6月9日(土)《名取市仮設住宅 箱塚屋敷団地》
- 173世帯、約430人の方が居住されている
- 集団移転ではなく、さまざまな地域から集まってできた団地。自治があり、集会所も活発に活用されている
戸別訪問
- 独居高齢者世帯を対象に、集会所での「はり絵」にお誘いし、体調をお伺いした
- 自分ひとりではできないこと(高いところの釘打ち等)をお手伝いした
- 聞き取り内容は名取市社会福祉協議会へまとめて報告している
子どもと遊ぶ、ほっとサロン(茶話会)
- あいにくの雨だったが、多くの子どもたちが集まって「はりえ」「折り紙」「トランプ」「粘土」等をして遊んだ
- 集会所に来られるお年寄りの方々に、お茶やコーヒーをふるまいながら話を伺った
- 紙芝居をしてほしい、という要望があった
ベンチ修繕
- 昨年制作したベンチの足のネジが緩んできていたため、補強修繕をした
仮設対抗カラオケ大会の応援
- 名取市仮設住宅対抗のカラオケ大会が増田西公民館にて開催された(アクションフォーニッポン主催)
- 団地ごとに予選が開かれ、各団地から3人ずつ出場した。本学学生も一緒に応援した
- 本学学生が、箱図化屋敷団地の住民の方が作成した横断幕を持ち、応援を行った
- 結果、箱塚屋敷団地の出場者が2位と5位に入賞し、応援団賞1位も受賞することができた。大変盛り上がった
活動終了後の振り返り
- リーダー・班リーダー・引率で、翌日活動内容について打ち合わせをし、方針を確定した
- リーダー会議終了後、全員で初日の振り返りを行った。活動内容ごとに班に分かれ、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったこと、明日への抱負などを共有した
- 翌日活動の段取り確認を行った
6月10日(日)石巻市
《沿岸部の視察》
- 活動前に沿岸部の視察を行った(門脇地区)
- 震災から1年以上が経過するがいまだ復興がすすんでいない様子に、長期的な支援の必要性を実感した
石巻市仮設住宅 南境団地
- 第1~7団地において、約750世帯の方が居住されている
- 集団移転ではなく、さまざまな地域から集まってできた団地。班長、集会所管理人などが決まり始めている
はりえ、ほっとサロン(茶話会)
- はりえやトランプ、粘土遊びをしながら、会話とお茶のみを楽しんだ
- 小さな子どもには難しかったようだが、みんなでひとつの作品を仕上げることは楽しんでいただけたようだ。出来上がった作品は集会所に飾っていただいた
ベンチ、ガーデンテーブル制作(第4団地のみ)
- 住民の男性陣が指揮をとり、学生が教えていただきながら、ベンチ3台、ガーデンテーブル3台を制作した
- 1日で出来上がるか不安だったが、男性陣のスキルが素晴らしく、半日で完成したことに驚いた
- 「このテーブルとベンチで夏にはバーベキューをするから、学生もおいで」と言っていただいたことが学生は嬉しかったようだ
石巻焼きそばをいただく
- これまでのボランティア活動へのお返しとして、住民の方々(女性中心)から石巻焼きそば、おいなりさん、巻き寿司、サラダ、お漬物を振る舞っていただいた
- 2~3日前から支度をしていただいたことを知り、また住民の方々のお気持ちがとても温かく嬉しく、何度もおかわりをして美味しくいただいた
活動終了後の振り返り
- 入浴後、リーダー指示のもと、前日同様、活動内容ごとに班に分かれ、活動を振り返った
6月11日(月)事後研修会、活動振り返り
- 事後研修会では、参加学生ひとりひとりから感じたこと、意見等を言葉にしてもらった。以下は学生コメントの抜粋である
(学生)
- 石巻市南境第2団地に入ったが、住民同士のコミュニケーションが取れていたと思う
- 行く前は、被災を受けた住民の方々は暗い感じかなと思っていたが、とても明るく接していただいた。明るく振舞っていただいているのかと思い、心を動かされた
- 同世代の若者の姿が見えなかった。どのような生活をしているのか気になった。「抱っこして」など子どもの対応に戸惑った場面があった。明るい感じで、こちらが「がんばらな」と励まされた
- 石巻市で、住民同士が「今後、震災が起きたら…」と話されていた。防災意識が高いと感じた。お年寄りの方に、「学生の笑顔で元気になる。また来てほしい」と言われた
- 今回、焼きそば、ポテトサラダをふるまっていただき、感謝したい
- 現地の視察について、前回に行ったのは名取市閖上地区で、「本当にここで生活をしていたのか」と思うほど何もなく片づけられていた。今回は、石巻市の沿岸部を視察し、瓦礫が残っており、また閉鎖された小学校を訪れて、被災を実感した
- 子どもが自分のことを覚えてくれていた。「また来てね」と言われ、苦しかった
- 視察時に、子どもの靴、おもちゃが散乱しているのを見て、ズシンときた。集会所では、84歳のおばあさんと話をした。家があった場所の草引きをしているとおっしゃっていた
- プログラムは住民の方と一緒でないとできないものばかりで、ベンチ、テーブルも、とてもスムーズに作成できた。高校生の時に、野球をやっていて東北遠征で石巻の野球場で試合をしていた。その球場があのような状態になっているなんて…
- 初心者の学生が多かったが、皆、率先して動いていた。ぜひ、継続して活動をしていってほしい。メディアでは伝わらないにおいや風を感じ、伝えていってほしい
- 現地で、神戸学院大学生に「ありがとう」と言われる。これは、これまでのバスで学生ががんばり、つないできたことがあってこそだと思う。継続の意味はそこにある
- 私は今回の震災で知人を亡くしている。流されて遺体がみつかっていない。葬式があげられず、お別れ会が催された。活動は他人事ではないと感じている
- 阪神・淡路大震災の話をおばあちゃんたちが話しておられた。17年経って普通の生活になっているのだね。私たちも17年頑張らないとね、と。社会リハビリテーション学科で学びながら、災害ボランティアにも積極的に参加していきたい
- 先月のバスに引き続き乗車した。瓦礫はなくならない。他県で「瓦礫受け入れ反対」の声を聞くが、同じ日本なのだから助け合う必要があると思う。これからも東北のニュースに関心を持ち続けること、自分のことばかりではなく、他者のこと、皆のことも考えられるようになることが必要だ
- 今回、学生リーダーを担った。5回目の参加だが、移動時間が長いこと、視察が10分しかないことなど、やるせない気持ちがあった。「つながり」を切ってはいけない。明日災害が来るかもしれない、大切な人を失うかも知れない
- 今日6月11日は、震災から1年と3ヶ月だ。テレビでの報道も少なくなっている。定期的に現地で活動を続ける意味はそこにある。伝えていってほしい、ボランティアの数を増やしていってほしい
- 「タイムマシンで震災前に戻りたい」とおっしゃっていた。心の傷が深いと感じた。初めて行った私を現地の方が受け入れてくださったのは、先輩方の活動があったからだ。次は、自分からもっと積極的に活動をしようと思う
- 時間厳守が守られていない、宿舎で夜に騒いでいたことが反省点だ。今までの活動があってこそ、「やきそば」のふるまいがあった。これまでの学生や、学生の活動をサポートしてくれている大学、引率者、運転手に感謝したい
- 4年生で初参加した。もう少し早くに参加すればよかった。他の4年も就活が終わり、暇な学生もいるので、積極的に参加してほしい
- 今回5回目で、続けている意味を感じた。名取市で戸別訪問を任されているのは継続からの信頼があってこそと聞いているし、石巻で焼きそばをいただいた時に自分のことを覚えていただいていた。昨年9月に行ったとき、私たちの活動を通して初めて話をされた住民たちが、今回協力し合ってやきそばを作っておられた。住民同士が協力されているというこの変化が重要だと思う。私たちが何かをしてあげる、のではなくて、住民同士が活き活きと活動されるきっかけをつくることに意義があると思う
- はり絵はうまくいった。前のバスで出会った子どもが自分のことを覚えてくれていた。前のバスの時は、自分が貢献できていなくて、自分ひとりぐらいいなくても問題はないのだと思っていたけれど、子どもが私のことを覚えてくれていた。これから、就活が忙しくなるけれど、また行きたい
(引率)
- あまり引率らしくなく、学生と一緒に時間を過ごしたと思う。学生リーダーに引っ張ってもらった。また引率として参加したい
- 活動の中身はよかったと思う。しかし皆さんに問いかけたいのは「自分の面倒は自分でみることができたか」(=自律)ということだ。また、明るく、笑顔の下には、暗い話、辛い話があることを知ってほしい。そこまでを認識してこその災害ボランティアと思う
以上