神戸学院大学

東日本大震災等の被災地支援活動

5月11日(金)~5月14日(月) 学生ボランティア派遣 報告書

標記の件、下記のとおり報告いたします。

プログラム名 宮城県災害支援学生ボランティアバス(大学主催)
日程 2012年5月11日(金)~5月14日(月) 3泊4日(2泊は車中泊)
共催 ひょうごボランタリープラザ

行程・内容

5月11日(金)(有瀬キャンパス:KAC)

16:45 KAC 15号館151G教室集合、事前研修会
  • 活動の基本、心構え、セルフマネジメントについて
  • ロールプレイ研修「仮設住宅の戸別訪問について」
  • 活動打合せ、チームワークづくり
19:00 KAC 15号館前にバス到着、備品等積み込み
19:55 KAC 出発。バスにて宮城県へ。最初のSAでは夕食休憩として長めに休憩。その後は途中SAにて2、3時間おきに休憩 ―バス車中泊―

5月12日(土)

09:30 名取市の仮設住宅で活動
活動時間:午前の部(10:00~12:00)、午後の部(13:00~15:00)
活動内容:①戸別訪問およびメッセージ付ペットボトル配布(神戸市水道局との共同企画)、②子どもと遊ぶ
12:00 昼食休憩
16:00 活動終了
17:30 松島町フットボールセンター到着(宮城県宮城郡松島町手樽字大蓬沢13-1)
―就寝前に、振り返り、翌日活動の打ち合わせ―

5月13日(日)

07:30 宿泊施設出発
08:30 被災地視察@門脇地区~日和山公園付近。視察後、南境団地(仮設住宅)へ
10:00 第2、第4、第5団地に分かれて活動開始(第2団地は午前中のみ)
活動時間:午前の部(10:30~12:00)、午後の部(13:00~15:00)
活動内容:お手玉作り、ひと裁ち折り紙、シャボン玉、他

第5団地は集会所看板設置(神戸学院大学附属高校、森の学校企画)

15:00 活動完了、片づけ
16:00 現地の銭湯にバスにて移動、入浴、振り返り
  • 道の駅上品の郷(石巻市小船越字二子北下1-1、0225-62-3670)
18:30 銭湯を出発、神戸へ。途中SAにて2、3時間おきに休憩 ―バス車中泊―

5月14日(月)

08:30 KAC帰着 学生、備品等のおろし
08:45 事後研修会(KAC151E教室)
  • 心身のケア、感想の共有、次回活動への引き継ぎ 他
10:00頃 解散

参加者

学生16名
一般申込み10名、ボランティア団体4名、防災・社会貢献ユニット2名
引率者2名
小野寺佳奈(神戸学院大学KPC学生支援グループ 職員)
松宮慎治(神戸学院大学KAC学生支援グループ 職員)
現地派遣者1名
四宮千佳子(神戸学院大学社会連携グループ コーディネータ)

活動詳細

5月11日(金)事前研修会

  • ガイドブックに沿って、活動や被災地での心構え、活動の注意点、具体的な活動の情報提供
  • 「個別訪問+メッセージ付ボトル配付」班と、「子どもと高齢者と遊ぶ」班にグループ分け(写真①)
  • ロールプレイ研修「仮設住宅の戸別訪問について」(写真②)
  • 企画学生から活動について説明、ミーティング、その後班ごとに翌日の活動の確認・事前研修後、備品の点検、バスへの積み込み
グループ分けの様子(写真①)
グループ分けの様子(写真①)
戸別訪問ロールプレイ(写真②)
戸別訪問ロールプレイ(写真②)

5月12日(土)《名取市仮設住宅 箱塚屋敷団地》

名取市仮設住宅 箱塚屋敷団地付近地図
名取市仮設住宅 箱塚屋敷団地付近地図
  • 173世帯、約430名の方が居住されている
  • 集団移転ではなく、様々な地域から集まってできた団地。自治があり、集会所も活発に活用されている

戸別訪問、メッセージ付ペットボトル配布

  • 住民の方から「イベント企画もいいが、集会所に出て来られない方も多い。そういう方々にアプローチする取り組みを始めてもらいたい」「戸別訪問をし、できるお手伝いをして欲しい」という要望があったため、今回第一回目の戸別訪問を行うこととなった
  • 社会福祉協議会所属の生活支援相談員が仮設住宅に常駐しており、見守り・戸別訪問をしている。相談員と連携し、サポートする位置づけで戸別訪問を実施する。聞き取ったこと(困っていること、変化など)、感じ取ったこと(異常、違和感など)を細かく報告することで、相談員の普段の見守りに活かしてもらうことを目的とした
  • 神戸市水道局との共同事業である「神戸の水だより」(メッセージ付ペットボトル水)を手交しながら、全世帯を訪問した
戸別訪問の様子
戸別訪問の様子
戸別訪問の様子(写真③)
戸別訪問の様子

子どもと遊ぶ、ほっとサロン(茶話会)

  • いつもより多い子どもに集まってもらうことができた。仮設住宅の子ども達だけでなく、近隣在住の子ども達も一緒に遊んだ
  • 屋外ではシャボン玉、長縄、ボール遊び、追いかけっこ等を、屋内ではオセロ、折り紙などをして遊んだ
  • 集会所に来られるお年寄りの方々に、お茶やコーヒーをふるまいながら話を伺った
子どもと遊ぶ様子
子どもと遊ぶ様子
子どもと遊ぶ様子
子どもと遊ぶ様子
集会所に来られる方々との懇談
集会所に来られる方々との懇談
集会所に来られる方々との懇談
集会所に来られる方々との懇談

【活動終了後の振り返り】

  • リーダー・班リーダー・引率で、翌日活動内容について打ち合わせをし、方針を確定した
  • リーダー会議終了後、全員で初日の振り返りを行った。活動内容ごとに班に分かれ、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったこと、明日への抱負などを共有した
  • 翌日活動の段取り確認を行った
振り返りの様子(写真⑤)
振り返りの様子(写真⑤)

5月13日(日)石巻市

《沿岸部の視察》

  • 活動前に沿岸部の視察を行った(日和山公園~門脇地区)
視察の様子(写真⑥)
石巻市仮設住宅 南境団地付近地図

《石巻市仮設住宅 南境団地》

石巻市仮設住宅 南境団地付近地図
石巻市仮設住宅 南境団地付近地図
  • 第1~7団地において、約750世帯の方が居住されている
  • 集団移転ではなく、様々な地域から集まってできた団地。班長、集会所管理人などが決まり始めている

お手玉作り、ひと裁ち折り紙、ほっとサロン(茶話会)(写真⑦-1、2)

  • 昔ながらのお手玉作り、ひと裁ち折り紙をしながら、お茶のみを楽しんだ
  • 2月に実施した吊るし雛は難しかったが、今回のお手玉は簡単であったため、子どもも楽しむことができた
  • 屋外では子どもとシャボン玉、長縄、おいかけっこなどをして遊んだ
  • 第5団地では、集会所看板の設置を行った。これは、神戸学院大学附属高等学校とNPOこうべ森の学校との共同企画で、住民の要望により制作し設置したもの。設置時には、いつも活動には参加されない男性陣が指揮をとってくださり、女性陣がその様子を喜んでくださっていたのが印象的(写真⑧)
お手玉作りの様子
お手玉作りの様子
お手玉作りの様子
お手玉作りの様子
看板設置
看板設置

【活動終了後の振り返り】

  • 入浴後、リーダー指示のもと、前日同様、活動内容ごとに班に分かれ、活動を振り返った

5月14日(月)事後研修会、活動振り返り

  • 事後研修会では、参加学生ひとりひとりから感じたこと、意見等を言葉にしてもらった。以下は学生コメントの抜粋である

(学生)

  • 今回のバスは準備期間が短かったが、とても質の高い活動だった
  • 日和見山から被災地を見てショックだった。参加学生はボランティアを通じて知り合いとなったが、これから大切にしていきたい
  • 被災者のためというよりは自分の経験のために参加した。何を得たのかまだ言葉にできないが、参加してよかったと思える
  • 行く前は準備不足で不安があったが、現地ではうまく行った。ボランティアバスの一番の魅力は帰ってきてから仲良くなっていること
  • 震災から1年が経ってまだ復興が進んでいない。子どもたちもストレスを抱えている。今回、準備には全く参加できていなくて不安だったが、できることを精一杯した
  • 帰りのバスで風邪をひいた。夜間は冷えるので気をつけてください。現地の方、子どもとどのように接すればよいのか分からなかった。1,2回行った程度では壁をなくすことはできない。来月、また行きたい
  • 現地のことは、自分の知らないことばかりでショックを受けた。たとえば、仮設住宅の住民と普通の住民との生活環境の格差の問題などだ
  • 今回、経験者が頼りになった。今後は神戸でできることを考えていきたい
  • ボランティアが役に立っているのか分からなかったが、現地で子どもやおばあちゃんが「来てくれてありがとう」と言ってくれたことが嬉しい
  • 思うことはたくさんある。4日間充実していた。皆やさしい人ばかりだった。私たちが楽しむことが、被災者が楽しんでいただけることにつながると思う
  • 現地の方は笑顔で接してくれた。でも、コンビニや家がなくなっている風景を見てショックを受けた。あまりにもの圧倒的な風景に、逆に何も感じることができない
  • 戸別訪問は緊張していたが、いろんな話をしてもらえた。また集会所でも積極的に話しかけてもらえた。今回の参加人数はいつもより少なめだと聞いたが、まとまりがあって、ひとりひとりがよく動いていたと思う
  • 何回も行っていて、家族や友人から「何しに行くの?」と言われてきた。でも今回、顔を覚えてもらっていて、私たちは必要とされているとの実感ができた。今回のバスは、楽しむ時間、真剣に活動する時間とメリハリがあった
  • 今回、このメンバーで行くことができてよかった。全体のリーダーをしたが、随分と助けてもらった。ありがとう

(引率)

  • 「現地でもっとこうすればよかった」などとあまり思う必要はないと思う。また、何を得たか、何を学んだかが分からないという学生もいるが、分からないことは急いで結論を出す必要はないと思う。分からないままに大事に持っておいてほしい
  • 体調管理をしっかりとしてほしい。これからのこととして、神戸でできることをみつけてほしい。神戸での取り組みに動けるメンバーになってほしい。また現地では子どもの乱暴な振る舞いがあったが、そのようにしか表現できない状況にある子どもたちに何ができるのかを考えてほしい
帰着後の体操
事後研修の様子

以上