被災地支援活動
2月17日(金)~20日(月) 学生ボランティア派遣 報告書
このボランティアバスは、赤い羽根『災害ボランティア・NPO活動サポート募金』の助成を受けて実施しました。
標記の件、下記のとおり報告いたします。
プログラム名 | 宮城県災害支援学生ボランティアバス(大学主催) |
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日程 | 2012年2月17日(金)~20日(月)3泊4日(2泊は車中泊) |
共催 | ひょうごボランタリープラザ |
行程・内容
2月17日(金)(有瀬キャンパス:KAC)
16:45 | KAC 11号館112F教室集合、事前研修会 (1)活動の心構え、基本情報の共有 (2)互いを知り合う、現地でのチーム作り (3)2月18日活動の打合せ 他 |
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19:00 | KAC 15号館前にバス到着、備品等積み込み |
19:30 | KAC 出発。バスにて宮城県へ。最初のSAでは夕食休憩として長めに休憩。その後は途中SAにて2、3時間おきに休憩 ―バス車中泊― |
2月18日(土)
09:15 | ミニストップ石巻南境店(石巻市南境字新小堤156-1)駐車場で打合せ |
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10:00 | 石巻市の仮設住宅で活動(各集会場に分かれて活動) 活動時間:午前の部(10:30~12:00)、午後の部(13:00~15:00) 活動内容: (1)「神戸学院大学ボランティアカフェ」プロジェクト (2)つるし雛づくり (3)子どもたちと遊ぶ:第4集会所 (4)神戸学院Library設置、本の読み聞かせ:第5集会所 (5)ホワイトボード設置(共同募金会助成P):第5集会所 ※第5集会所は13:30より他団体(ピースボート)と合同お茶会 |
12:00 | 昼食休憩 |
15:00 | 活動終了、後片付け |
16:00 | 宿泊先へ向けて出発 |
17:30 | 松島町フットボールセンター(宮城県宮城郡松島町手樽字大蓬沢13-1) ―就寝前に、振り返り、翌日活動打ち合わせ― |
2月19日(日)
08:00 | 宿泊施設出発 |
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09:00 | 沿岸部視察(閖上地区)30分程度 |
09:30 | 名取市仮設住宅で活動(バスはダルマ薬局手倉田店の駐車場に駐車) 活動時間:午前の部(10:30~12:00)、午後の部(13:00~15:00) 活動内容: (1)「神戸学院大学ボランティアカフェ」プロジェクト (2)つるし雛づくり (3)子どもたちと遊ぶ (4)支援物資配達手伝い(仮設住宅自治会からの要請) (5)2月24日ボランティアバス「25日活動告知チラシ」配布隊 |
12:00 | 昼食休憩 |
12:30 | 「まけないぞう」班、移動(雇用促進団地)※13時より制作体験会&説明会実施 |
15:00 | 活動終了、後片付け |
15:45 | 活動備品をバスに積み込み、銭湯へ移動 |
16:00 | 現地の銭湯で入浴 ・スーパー銭湯極楽湯名取店(名取市田高字原463、022-383-1126) |
18:00 | 銭湯を出発(バスは銭湯の駐車場で待機) |
18:15 | 神戸へ。途中SAにて2、3時間おきに休憩 ―バス車中泊― |
2月20日(月)
08:30 | KAC帰着 学生、備品等のおろし |
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09:00 | 事後研修会(11号館112F教室) (1)心身のケア (2)感想の共有 (3)次回バスへの引き継ぎ事項のまとめ 他 |
10:00頃 | 解散 |
参加者
- 学生19人
- 一般申込み4人、ボランティア団体6人、社会リハビリテーション学科5人、学際教育機構防災・社会貢献ユニット生4人
- 引率者2人/dt>
- 三宅敦史(神戸学院大学 経済学部 准教授)
村口奈美(神戸学院大学 KPC総務事務グループ 職員) - 現地派遣者1人
- 四宮千佳子(神戸学院大学 TKK学び合い連携センター スタッフ)
活動詳細
2月17日(金)事前研修会
- ガイドブックに沿って、活動や被災地での心構え、活動の注意点、具体的な活動の情報提供
- 参加者の自己紹介並びにリーダーの紹介
- 企画学生から活動について説明、ミーティング、その後班ごとに翌日の活動の確認
- 事前研修後、備品の点検、バスへの積み込みを学生、引率者の協働で実施
2月18日(土) 石巻市仮設住宅 南境団地
- 第1~7団地において、約750世帯の方が居住されている
- 集団移転ではなく、さまざまな地域から集まってできた団地。自治会はまだない
- この日は第2・4・5団地集会所において、(1)神戸学院大学カフェ(ほっとサロン)、(2)つるし雛づくり、(3)子どもたちと遊ぶ(第4集会所のみ)、(4)神戸学院Library設置と本の読み聞かせ(第5集会所のみ)、(5)共同募金会助成によるホワイトボード設置(第5集会所のみ)を実施した
つるし雛づくり、神戸学院大学カフェ
- 桃の節句を迎えるにあたり、これまでも好評であった手作り企画(つるし雛づくり)を実施した
- つるし雛とは、長女の初節句に無病息災、良縁を祈願して、雛壇の両脇に細工を吊すもの。過去においては庶民の雛壇代りでもあった。55さげで一対である
- みんなでひとつのつるし雛を作り、集会所に飾ろう!という企画であった。子どもには人気がなかったが、お母さん世代はとても楽しみに参加してくださった
- コーヒー、ジュースなどを飲みながら実施した
子どもたちと遊ぶ(第4集会所のみ)
- お手玉、おはじきなどを準備した
- 室内では集会所に遊びに来た子どもが持参したヨーヨーや携帯ゲーム機、屋外では神戸から持って行ったソフトバレーボールを使って一緒に遊んだ(ソフトバレーボールは集会所に寄贈)
神戸学院大Library設置、本の読み聞かせ(第5集会所のみ)
- これまで仮設で活動を継続してきたボランティア活動支援室の学生スタッフが企画した、集会所にミニ図書館を作ろう!というプロジェクト
- 2011年末に住民へ提案し受け容れられたため、2012年から学生・教職員から本の寄贈を受け付けてきた。まず第1弾として、第5集会所にミニ図書館を設置した
- 住民の方々と貸出ルール、開館日などについて打ち合わせした。次回ボランティアバスでは、図書館オープンの告知をする予定
- お持ちした絵本を用いて、子どもたちを対象に本の読み聞かせを行った
ホワイトボード設置(第5集会所のみ)
- 住民の方から依頼があったスケジュール表(ホワイトボード形式)を設置した
- イベント情報などを住民間で共有するツールとして活用いただく
- 神戸学院大学は赤い羽根共同募金助成金を受けており、その中から拠出した
活動終了後の振り返り
- リーダー・サブリーダー・引率で、翌日活動内容について打ち合わせをし、方針を確定した
- リーダー会議終了後、全員で初日の振り返りを行った。活動内容ごとに班に分かれ、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったこと、明日への抱負などを共有した
- 翌日活動の段取り確認を行った
2月19日(日)
名取市仮設住宅である箱塚屋敷団地と雇用促進団地に分かれて活動を実施した
沿岸部の視察
- 活動前に沿岸部の視察を行った(閖上地区)
名取市仮設住宅 箱塚屋敷団地
- 173世帯、約430人の方が居住されている
- 集団移転ではなく、さまざまな地域から集まってできた団地。自治があり、集会所も活発に活用されている
- 活動時間は10:30~15:00、内容は(1)神戸学院大学カフェ(ほっとサロン)、(2)つるし雛づくり、(3)子どもたちと遊ぶ、(4)支援物資配達手伝い、(5)2月25日ボランティア活動の告知チラシ配布を実施した
つるし雛づくり、神戸学院大カフェ
- 前日の石巻と同じ活動を行った
- たくさんの方が参加してくださり、特に女性に好評であった
子どもたちと遊ぶ
- お手玉、おはじき、長縄などを準備した。あやとり、ボール遊び、縄跳びが大変好評であった
- 安全に遊ぶ場所がないため、次回ボランティアバスでは「公民館でスポーツをして思い切り体を動かそう!」企画を実施する
支援物資配布のお手伝い
- この日、自治会主催の支援物資配布会が実施された(電気敷き毛布、洗剤、2Lペットボトル水6本)
- できるだけ集会所に来てもらいたいという自治会の考えのもと、電気敷き毛布と洗剤は各自持ち帰ってもらい、重いペットボトル水のみを学生が各戸配布した
- ただし、高齢者等ひとりで荷物を運ぶことが困難な方に対しては物資を自宅まで運ぶお手伝いを学生が行った
名取市仮設住宅 雇用促進団地
- 約80世帯の方が居住されており、本学としては初めて活動する仮設住宅
- 活動時間は13:00~15:30、内容は被災地NGO恊働センターが展開している「まけないぞう」プロジェクトの説明会&制作体験会を実施した
- 本学学生も4人参加し、住民の方と一緒に制作に取り組んだ
- 主催は被災地NGO恊働センター、神戸学院大学、協力はなとり復興支援センターひより
まけないぞう説明会&制作体験会
- “まけないぞう”は、タオルをゾウの形に縫い合わせた壁掛けのタオル。1995年1月17日の阪神・淡路大震災の後、KOBE初の生きがい・しごとづくり恊働事業として「被災地NGO恊働センター」が展開してきた。2004年新潟県中越地震の被災地でもこの取り組みが広がり、今岩手県や宮城県でも展開されている。“まけないぞう”の認定つくり手さんには一つあたり100 円の制作手数料をお渡しするシステム。しごとや生きがいづくりにつながるプロジェクトである
- 今回は認定作り手さんにお越しいただき、ひとり一頭のぞうさんを制作した
- 「ぼくの鼻は曲がっています・・・」「あら、あなたに似て美男子ねぇ」「作る人に似るのかしら・・、私のぞうさんはふっくらしているわ」「学生さん、針に糸を通してもらえるかしら?」などの会話が交わされ、時に真剣に、時に楽しく時間を過ごした
- 「また家でも作ってみようと思う」「次はお友達を連れてきたい」「とても楽しかった」「見本のように作ってみたい」という声があり、また3月22日に第2回制作体験会を実施することとなった
活動終了後の振り返り
- 帰りのSAでリーダー指示のもと、前日同様、活動内容ごとに班に分かれ、活動を振り返った
- バスの中で全体ミーティングを行い、2日間を通して被災地で感じたこと、学んだことを共有した
2月20日(月)事後研修会、活動振り返り
- 事後研修会では、参加学生ひとりひとりから感じたこと、意見等を言葉にしてもらった。以下は学生コメントの抜粋である
(学生)
- 一年経っても瓦礫の跡があって震災は恐いと思った。みんなと活動ができて良かった
- (ボランティア参加2回目)現地の人は震災のことを言わなくなっただけでも、色んなことを抱えているのかなと思った
- (初めてボランティアに参加)地域の人と色んな話ができた。つるし雛を地域の人と作れて良かった
- つるし雛を楽しそうにしてくれたので良かった
- TVで観ていたので地域の人たちはどんなんやろうと思って行った。最後は笑顔になれて良かった
- 思っていたより被災者が明るかったので良かった
- 被災された方々が自分たちよりも明るくて笑っていたのがなんでやろう。前回閖上地区に5月に行ったが瓦礫の山が無くなっていた。一歩ずつ復興してきていると感じた。また参加したい
- (ボランティア参加3回目)閖上地区が以前よりもきれいになっていた。また次回行く時が楽しみ。仮設住宅では自分を覚えていてくれたのが嬉しかった。継続した関わりが必要と感じた
- (初めてボランティアに参加)子どもとの遊びで活力をもらった。その場で話すだけでも、寄りそうことが大事だと感じた。ベンチが活用されていて、ボランティアが役に立っていると感じた
- 名取の箱塚屋敷は子どもの数が多いが遊び場がなく危険
- 9月と同じ仮設に行き、子どもが自分を覚えていてくれた。子どもの遊び場がないと感じた。継続した支援が必要と感じた。復興に一歩ずつ進んでいる感じが持てた。名取の子どもが暴力的に感じ、子ども向けのプログラムがあれば参加したい
- 石巻市の住民の方々は毎日でも集会所を使いたいとおっしゃっていた
- 石巻第5集会所で読み聞かせを行った。子どもは2人しか来てくれなかったが、とても読み聞かせを楽しみにしていてくれた
- (ボランティア参加3回目)閖上地区はまだまだ復興が必要だなと感じた
- (初めてボランティアに参加)次回も参加したい
- 津波でお雛さんが流されたので、つるし雛が作れるのが嬉しいと聞けた。名取の方が石巻よりも仮設の利用が多いと感じた。今はこころの支援で関わっていて成果が目に見えないけど、「また来て」と言われて良かった
- (初めてボランティアに参加)思ったより被災者が明るかった。話しかけてくれたり自分が元気をもらった。他学部、ボランティアの先輩と触れ合えて良かった
- 神戸学院Library参加。石巻では自治会がないので、自治会づくりの手伝いが出来れば。みんなと仲良くなれて良かった
- (ボランティア参加5回目)閖上地区、一歩一歩復興しているのだなと思った。名取では毎回来る学生が違うのがしんどいと言われた。これは難しいけど、課題だと感じた
- (初めてボランティアに参加)「本当にこんなんあったんや」と想像以上だった。子どもから津波で流された話を聞いて衝撃を受けた。支援物資(ペットボトル)を配達したときには、住民1人ずつ話ができて良かった
- 子どもが楽しんでくれた。つるし雛では住民の方々と作れることができて助けてもらって交流できた。名取では、子どもが玩具で遊んでくれた。折り紙でプレゼントしてくれて嬉しかった。あやとりでは、おばあちゃんに根気よく教えてもらえて有難かった
- 学院カフェに参加。散歩中のおばあちゃんの話の中で、仮設周辺にゴミが多いという話があった。集会所に来ていない人もストレスを抱えていると感じた
(教員)
- 積極的に学生が活動してくれた。瓦礫撤去はされたが、こころの傷は深いものがあると感じた。継続した支援が必要だろう
- Cool Head, Warm Heart 冷静な頭脳(何ができるのか考え)、温かい心で接する必要がある。名取、石巻の仮設で雰囲気、状況が違うので、やるべきことも異なると考える必要がある
- つるし雛では住民から教えてもらえる体験ができたようで、これは住民にとっても良い体験であると思う。課題があったことなどは次回に行く人に伝えることで、過去から積み上げていけるようにつなげていきたい
以上