被災地支援活動
11月25日(金)~28日 学生ボランティア派遣 報告書
標記の件、下記のとおり報告いたします。
プログラム名 | 宮城県災害支援学生ボランティアバス(TKK主催) |
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日程 | 2011年11月25日(金)~28日(月)3泊4日(2泊は車中泊) |
行程・内容
11月25日(金)(神戸学院大学有瀬キャンパス:KAC)
18:30 | KAC 15号館151K教室集合、事前研修会 (1)活動心構え、基本情報共有 (2)互いを知り合う、現地チーム作り 他 |
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20:30 | KAC 15号館前にバス到着、備品等積み込み |
21:00 | KAC 出発。バスにて東京都へ。途中SAにて2、3時間おきに休憩。時間調整あり ―バス車中泊― |
11月26日(土)
08:10 | 工学院大学八王子キャンパス到着 |
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10:00 | 全体ミーティング(工学院大、東北福祉大、神戸学院大学) |
11:30 | 昼食休憩 |
12:30 | 3班に分かれて活動開始 (1)高尾山ハイキング組はバスにて高尾山へ→※親子バスに同乗して移動する (2)食材買い出し・夕食準備 (3)理科実験準備 |
17:30 | (1)高尾山出発、親子バスにて温泉へ。入浴 |
19:30 | (1)子ども達が八王子キャンパスに到着 |
20:00 | ウェルカム会、自己紹介、夕食。夕食後、片づけ、翌日の打合せ |
21:30 | バスにていずみ旅館へ移動(東京都立川市高松町3-27-18)後、入浴 |
11月27日(日)
06:00 | 宿泊施設出発 |
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06:30 | (1)朝食づくり (2)理科実験教室準備 (3)スポーツイベント準備 (4)放射線ワークショップ準備 |
08:00 | 朝食 |
09:00 | (1)理科実験教室開始 (2)昼食(BBQ)準備 (3)各種準備 |
10:30 | (1)スポーツイベント(子ども) (2)放射線ワークショップ(おとな) |
12:00 | 昼食(みんなでBBQ!) |
13:00 | 親子は帰宅準備 |
13:30 | またねの会 |
14:15 | 親子が八王子キャンパスを出発→19:00いわき市帰着予定 |
14:30 | 全会場の清掃、片づけ |
15:15 | 活動振り返り |
16:00 | 解散後、バスにて銭湯へ。夕食休憩 |
18:30 | バスにて神戸へ。―バス車中泊― |
11月28日(月)
07:45 | KAC帰着 学生、備品等のおろし |
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08:30 | 事後研修会(15号館151B教室) (1)心身のケア (2)感想の共有 他 |
09:30頃 | 解散 |
参加者
- 学生12人
- 一般申込み6人、社会リハビリテーション学科4人、学際教育機構防災・社会貢献ユニット生2人
- 引率者2人
- 佐野光彦(総合リハビリテーション学部 講師)
森岡寿昭(図書館事務グループ 職員) - 現地派遣者1人
- 四宮千佳子(TKK学び合い連携センター スタッフ)
活動詳細
11月25日(金)事前研修会
- ガイドブックに沿って、活動や被災地での心構え、活動の注意点、具体的な活動の情報提供
- チームワークづくりについては、自己紹介(参加動機、今の気持ちを含め)のあと、リーダー1人、サブリーダー1人、備品管理リーダー2人を選任。また現地でのグループ行動のために、班分けを行った
- 事前研修後、備品の点検、バスへの積み込みを学生、引率者の協働で実施
11月26日(土)
- 工学院大学到着後、全体ミーティング、班ごとに分かれてのミーティングを実施した
- 工学院大学のスタッフより今回のボランティアに全体について説明があった。その後、各班に分かれて簡単なミーティングを行った。各班の作業手順の確認を、工学院大学のスタッフを中心に行った。3大学の学生は、会った瞬間から協力関係が出来上がっていた。さあ、頑張るぞと言う意気込みが感じられた
【高尾山ハイキング班】
- いわき市から到着した親子バスに同乗し、高尾山へ向かう
- 山頂へ向かう班(3班)、途中(薬王院)まで登る班(1班)に分かれ、それぞれ学生がついてグループごとに登山した。往路はケーブルカーを利用し、いずれも1号路を通った
- 紅葉のハイシーズンだったこともあり、道路が渋滞していたこと、高尾山も混雑しており、山頂まで行くことができたのは1班のみ。お土産購入の時間も十分とることが難しかった
- こども達には登山前、クイズを出題した。「高尾山には天狗がいるらしい。天狗注意!の看板は、どこにあったかな?」「烏天狗は、右手に何を持っているかな?」「道がふたつに分かれて、また一緒になるところがあるよ。ふたつの道は、それぞれなんという名前だったかな?」
- 帰りのバスの中でクイズの答え合わせやなぞなぞをしたが、とても盛り上がった
【翌日の準備作業】
- 理科実験準備では、明日の万華鏡作り、スライム作り、割れないシャボン玉、お絵描き、折り紙建築などのプログラムのための最終確認作業を行った
- スポーツ準備では、トレッチ体操、じゃんけん手つなぎ鬼、だるまさんが転んだ、ボール運びリレー、黄金のボールなどの種目の手順を確認した。子どもたちにケガをさせてはいけないので、練習から気合が入っていた
- 食事準備では、1日目の夕食がカレーとサラダであった。数名はスーパーへ材料の買い出しに向かい、残ったメンバーは食器の準備や料理作りの手順などを確認した。大人数のカレーを作るのは、多くの苦労が伴った。しかし、全体的には学生たちは上手く協力しおいしいカレーが出来上がった
【はじめましての会】
- 親子は入浴後、宿泊所である工学院大学八王子キャンパス松風舎へ到着
- 東北福祉大学学生企画による「はじめましての会」を開催した
- 主催者あいさつ、学生自己紹介、子どもたちの自己紹介、緊急時体制、明日の予定確認などを行った
- 親子と学生たちは、高尾山ハイキングなどを話題しながら楽しく食事をとった
【1日目の振り返りと翌日の打合せ】
- 夕食後、活動1日目の振り返りと翌日の打合せを行った
- みんな疲れてはいたが、明日も頑張るぞとの意気込みがあった
11月27日(日)
- 6:00に宿を出発し、宿舎へ移動。朝食(おにぎり、お味噌汁)を調理し、配膳。子ども達も早起きをしておにぎり作りを手伝った。子どもたちも楽しそうで、生き生きしていた
【理科実験教室】
- 理科実験教室では、万華鏡作り、スライム作り、割れないシャボン玉、お絵描き、折り紙建築を体験した
- それぞれの体験コーナーでは、学生がついて子供たちは理科実験を楽しんだ
【スポーツイベント】
- 青空の下、思いっきりグランドを走り回り、スポーツを楽しむことができた
- スポーツの種目は、ストレッチ体操、じゃんけん手つなぎ鬼、だるまさんが転んだ、ボール運びリレー、ドッジボールなどであった
- 子どもたちの元気さに驚いた。学生たちがその元気さに負けずに頑張った。子どもたちのリクエストにより、当初予定されていた黄金のボールを行わず、ドッジボールを行った
- 子どもたちの笑顔がとても印象的だった。学生たちは子どもたちに良く目を配ったので、子どもたちはケガもなく、楽しんで遊んでくれた
- 学生たちはバテぎみだったが、もっと遊びたそうな子どもたちの表情が、印象的であった
【放射線勉強会】※大人向け
- 子どもたちがスポーツイベントに参加している時間帯、保護者は放射線勉強会に参加した
- 「放射線のいろいろ」と題し、武蔵工業大学学生や東京大学大学院生が講師となり、放射線についての基礎知識を解説した
- 本企画は保護者による放射線量とその身体への影響に関する最も基礎的な知識の向上を目指すもので、間接的には、子どもたちの心身の発達にも貢献することを目的として実施された
- 保護者からも対応の仕方などの質問があり、放射線に対する知識を深める機会となった
- 予定終了時刻を過ぎてからも、保護者からの質問は続いており、そういった企画のニーズの高さを伺い知ることができた
【バーベキュー、またねの会】
- お昼ご飯は屋外で、バーベキューを行った
- 肉、魚介類、野菜、焼きそば、カレーうどんなどをふるまった
- 昼食をとりながら、子どもたちから参加した感想を発表してもらった
【活動終了後の3大学合同振り返り】
- 活動終了後、参加者全員で振り返りを行った
- 高尾山へのハイキングは、混雑していたこともあり全ての班が頂上まで行くことができなかったが、内容的には喜んでいただくことができ、目的を達成できたと思う
- 理科実験では、子どもたちが体験したい実験に偏りがあったため、班別に分ければよかった。また、一人で数人を担当したので、全員に注意が行き届かなかった
- スポーツイベントでは、参加者の年齢等を考えて当初の種目を一部変更した。次回は、参加者の年齢や体力を考えて企画したい
- 食事作りでは、作るものの把握や作業の分担がうまくできなかった
- 全体のまとめとして、今後、連携して活動を続けていく上で、指示や役割分担を含め、報告・連絡・相談等、参加者同士のコミュニケーションの大切さについて共通理解した
11月28日(月)事後研修会、活動振り返り
- KAC帰着後、151B教室において、最終日の振り返りを行った。活動内容ごとに班に分かれ、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったことを共有した
- 事後研修会では、参加学生ひとりひとりから感じたこと、意見等を言葉にしてもらった。以下は学生コメントの抜粋である
(学生)
- こどもアテンド班:山登りで常に子どもと接するグループだったので充実していた。子どもの笑顔で元気をもらった。今後の活動に生かしたい。理科実験教室班、料理班は子どもと接する時間なかったのではないか
- こどもアテンド班:他の班に感謝。自分が登山している間に他の班が食事や片付けをしていてくれて有難かった。自分だけが子どもと関われたことに罪悪感がある。みんなでやりたかった
- こどもアテンド班:子どもは最初よそよそしかったが、次第に馴染んで最後には名前で呼んでくれた。グループだけでなく全体の子どもとふれあいたかった
- 理科実験教室班:他大学と協力できたことは良かったが、メインの子どもとのふれあいができなかった。班ごとに子どもと交流する内容にむらがある
- 理科実験教室班:1時間半ほどしか子どもと接する時間がなく、もっと接する時間を作ってほしかった。子どもに「また会おうね」などとは安易な気持ちで言わない方が良いと思う
- 料理班:子ども到着が遅れたこともあり、待ち時間が長く手持ち無沙汰を感じた。その時間にもっと何かできたのではないか。いわき市が安全宣言を出したことで支援の手が行き届きにくいと聞いていたが、今回のスポーツを通じての活動が支援のきっかけになれば良いと思う
- 1日目料理班、2日目スポーツイベント参加:参加できたのは料理だけだったように、役割分担しすぎたのではないか。各グループ間のやりとりが少なく、情報の共有が必要であったように思う
- 1日目料理班、2日目スポーツイベント参加:工学院大学の行動を見て、チームワークの重要性を感じた。我々も事前の研修等が必要だったのではないか
- 1日目料理班、2日目スポーツイベント参加:子どもと関わることはなかったことが残念。工学院大学のチームワークは見習うところがある。今後もボランティアに参加したい
- 子どもとの触れ合いで、楽しんでもらえたのではないか
- 良かった点は、子どもが喜んで帰って行ってくれたこと。悪かった点は、工学院大学の指示待ちになっていたので、神戸学院でもリーダーを決めて行動しても良かったと思う。そのことでもっと積極的に行動できたように思う。班のなかでも細かくグループ分けしても良かったのではないか。空き時間がもったいなく、もっと子どもと接することができたのではないか
(引率)
- 個々に不満を持っていても活動中は全く文句を言わなかったことが素晴らしかった。BBQやスポーツイベントなど、子どもの笑顔が多くみられ、全体として上手くいったのではないか
- 母から「子どもが喜んでくれたので、私も嬉しいです」という言葉が聞けた。母親は全体の活動を見て言ってくれているのだと思う。学生が不平や不満を抑え、チームワークを育むことを学ぶ活動になったのではないか
(カウンセラー)
- 不全感、不完全燃焼だったという感じを受けている学生が多くいるように感じる。その理由として、自分で考えて行動するという幅が狭かったのではないか(良い意味では本当はもっと行動できたのに、チームワークを乱さないように意識できていた)。自分たちがプログラムを作ることに関わっていないことも一因としてあるのではないか
<振り返って>
子どもの様子、反応などを子どもと関わっていない班も含めて全体で振り返りを行い、情報の共有ができれば良かった。活動内容で前方、裏方になるのはしょうがないことだと思う。だからこそ、全体での情報の共有が必要になってくる
<子どもの様子>
あえて福島での様子は聞かずに、プログラムを楽しんでもらうことを目的に活動した。子どもは元気で笑顔も多かった。『鬼ごっこ』では学生がバテテしまったほど
<今後に向けて>
持ち物や服装などについて、1週間ぐらいに前に事前研修をしてほしい。ガイドブックを見て準備したが、不必要な物もありよく分からなかった。
実施後、親子からのコメント(抜粋)
(子ども)
- みんなと一緒に楽しく活動できました。とっても楽しかった。
- ドッヂボールを一日中やりたかった。夜に部屋でかくれんぼしたのが楽しかった。
- 大学内の坂が大変だった。砂遊びが楽しかった!
- ごはんを一緒に作りたい。
- ハイキングで足が痛かったけど、楽しかった。
- 理科実験など、もっとやりたいです。算数と理科が好きです。もっともっとこういう企画を作ってください。
- とても楽しかったです。おそと遊びが大好きです。またみんなと遊びたいです。
- スタッフの人たちが面白かったし、たくさん遊んで楽しかった。今度はみっちーとかさぼさんがいる神戸の大学に泊まって、またみんなでスポーツしたり実験したりしたいです。飛行機で行きたいです。
- 26日の朝から27日の夕方まであっという間でとても楽しいキャンプでした。高尾山も初めて登れたのでいい思い出になりました(にこちゃんマーク)。
(保護者)
- 移動時間が長かったため時間に余裕がなかったのが残念でした。高尾山頂上に登りたかったです。温泉はとてもよかったです。いろいろ準備は大変だったと思います。皆さんの力で、親子とも楽しい時間を過ごすことができました。ありがとうございます。明日からまた頑張れます。
- 宿泊施設の掃除など、もう少し衛生面で気を付けていただけたらと思いました。でも2日間とても楽しく過ごせていただきました。ありがとうございます。
- 本当に楽しい時間を過ごせました。学生のみなさんが本当に頑張ってくれて、子どもの姿が見えないと必ず学生さんがついていてくれて、ありがたかったです。みなさんありがとうございました。
- 移動中他、ずっと子どもと触れ合ってくれたことが嬉しかった。次回チャンスがあれば、高尾山を満喫、山頂へ行ってみたい。いろんな場面で子どもたちのことを考え、実行してくれたことに感謝しています。
- 私は都合により参加できませんでしたが、帰宅後の娘からいろいろと聞くところ、とても満足した様子でした。なにより喜んでいたことは、学生の方を中心としたスタッフ皆様の存在とその対応のようです。山への同行、食事の準備やスポーツ、理科の実験と、マンツーマンの様に丁寧に応対頂きました。自分たちに常に同行し、また、高尾山に行っている間や寝ている間、スポーツの裏で、夜、朝と、自分たちの為に、わざわざ食事を作って下さり、イベントの段取りをしていたところを見て、感じて、感激したようです。本人が言うところ「外で自由に遊び回ったことは久しぶりで、とにかく楽しかった」そうです。「大学のキャンパスでおもいっきり遊ぼう」はその通りであり、心の面でも、体の点でも有意義で、良い思い出となったようです。
以上