神戸学院大学

被災地支援活動

11月11日(金)~14日 学生ボランティア派遣 報告書

標記の件、下記のとおり報告いたします。

プログラム名 宮城県災害支援学生ボランティアバス(大学主催)
日程 2011年11月11日(金)~14日(月)3泊4日(2泊は車中泊)

行程・内容

11月11日(金)(有瀬キャンパス:KAC)

16:45 KAC 15号館151K教室集合、事前研修会
(1)活動の心構え、基本情報の共有
(2)互いを知り合う、現地でのチーム作り
(3)11/12(土)の活動打合せ 他
19:00 KAC 15号館前にバス到着、備品等積み込み
19:30 KAC 出発。バスにて宮城県へ。途中SAにて2、3時間おきに休憩 ―バス車中泊―

11月12日(土)

09:00 沿岸部を視察~松並、石巻港、門脇地区~
09:30 ミニストップ石巻南境店(石巻市南境字新小堤156-1、TEL0225-93-5167)駐車場(打合せ)
※開成地区ささえ合い拠点センターにて集会所の鍵を預かる
10:00 石巻市の仮設住宅(南境団地:250戸)で活動
・第2、第4、第5集会所の3班に分かれて活動
【午前の部】10:30~12:00、【午後の部】13:00~15:00
活動内容:【第2】①編み物・おもちゃ・囲碁・将棋、②ほっとサロン(茶話会)、③綿菓子、【第4】①編み物・おもちゃ・囲碁・将棋、②ほっとサロン、③共用ベンチ制作(5台/日)、【第5】①編み物・おもちゃ・囲碁・将棋、②ほっとサロン、③支援マップ制作ワークショップ
12:00 昼食休憩
16:00 活動終了、後片付け
17:30 松島町フットボールセンター(宮城県宮城郡松島町手樽字大蓬沢13-1)
―就寝前に、活動のふりかえりと翌日の打合せ―

11月13日(日)

08:30 宿泊施設出発
10:00 石巻市の仮設住宅(南境団地:250戸)で活動
・第4、第5集会所の2班に分かれて活動
活動内容:【第4】①編み物・おもちゃ・囲碁・将棋、②ほっとサロン、③共用ベンチ制作および設置(5台/日)、④綿菓子、【第5】①編み物・おもちゃ・囲碁・将棋、②ほっとサロン、③支援マップ制作ワークショップ
12:00 昼食休憩
15:00 活動終了、後片付け
※仮設住宅集会所の鍵を返却
16:00 現地の銭湯で入浴
道の駅上品の郷(石巻市小船越字二子北下1-1、0225-62-3670)
18:00 銭湯を出発
18:30 各仮設住宅で備品積み込み、神戸へ。途中SAにて2、3時間おきに休憩
※次回バスへの引き継ぎミーティング
―バス車中泊―

11月14日(月)

08:00 KAC帰着 学生、備品等のおろし
09:00 事後研修会(15号館151B教室)
(1)心身のケア
(2)感想の共有
(3)次回バスへの引き継ぎ事項のまとめ 他
10:00頃 解散

参加者

学生20人 一般申込み6人、ボランティア団体6人、社会リハビリテーション学科3人、学際教育機構防災・社会貢献ユニット生5人
引率者2人 石田賀奈子(総合リハビリテーション学部 講師)
藤野津芳(教務事務グループ職員)
現地派遣者1人 四宮千佳子(TKK学び合い連携センター スタッフ)

活動詳細

11月11日(金)事前研修会

  • ガイドブックに沿って、活動や被災地での心構え、活動の注意点、具体的な活動の情報提供
  • 現地派遣者からの仮設住宅や集会場(活動拠点)の情報提供
  • V-TOP(引き継ぎを行う学生グループ)の活動紹介、木工プロジェクトおよび編み物について説明
  • チームワークづくりについては、自己紹介(参加動機、今の気持ちを含め)のあと、リーダー1人、サブリーダー2人、備品担当2人を選任。また現地でのグループ行動のために、班分けを行った
  • 事前研修後、備品の点検、バスへの積み込みを学生、引率者の協働で実施

11月12日(土)~13日(日)石巻市仮設住宅 南境団地にて


図1:石巻市仮設住宅 南境団地付近地図
  • 約250世帯、約460人の方が居住されている
  • 集団移転ではなく、さまざまな地域から集まってできた団地。自治会はまだない
  • 第2、4、5団地に集会所があり、3箇所にて活動を実施した
  • 第2では土曜日のみ、編み物、おもちゃ、囲碁、将棋、ほっとサロン(茶話会)、綿菓子の活動を行った
  • 第4では両日、編み物、おもちゃ、囲碁、将棋、ほっとサロン(茶話会)に加え、共用ベンチ制作・設置を実施した。また日曜日のみ、綿菓子の活動も行った
  • 第5でも両日、編み物、おもちゃ、囲碁、将棋、ほっとサロン(茶話会)に加え、周辺マップ制作ワークショップを行った

編み物会、おもちゃ遊び、囲碁、将棋、ほっとサロン(茶話会)

  • お茶を飲みながら、編み物や囲碁、将棋、おもちゃで遊んでいただくプログラム
  • 編み物は毎回好評で、住民同士で教え合い、編み物を楽しんでいただいている。備品(毛糸、編み針など)は日本基督教団関西学院教会から各集会所に寄贈された
  • 囲碁将棋は男性向けのプログラムが少ないことから、囲碁・将棋盤を日本基督教団関西学院教会、社会福祉法人須磨神愛福祉会、および神戸学院大学から各集会所に寄贈した
  • おもちゃを持ちこみ、子どもと遊んだり、会話のきっかけを作った
  • 外で遊びたい子どもも多く、集会所付近の安全な場所で遊んだ
  • 以前、本学学生ボランティアが寄贈していたぬりえも引き続き好評だった
  • 上述の活動をしながら、集会所を訪れた方にお茶・コーヒー・紅茶・お菓子などを提供した
  • 第5では住民との話し合いの中で、毎月第2・第4の月曜、土曜午後に編み物サロンを開催することで話がまとまり、チラシ作成をともに取り組んだ

綿菓子

  • 初日は第2団地にて、2日目は第4団地にて実施した
  • 子どもにも大人にも喜ばれ、特に子どもたちが自分で作るととても喜んでくれた
  • 綿菓子をきっかけとして、集会所の中に入ってプログラムに参加する方も見受けられた

共用ベンチ制作・設置

  • これまでの活動におけるニーズから、共用ベンチ10台を制作した
  • 共用ベンチの設置場所は、住民の方々のインタビューに基づいて設置した。設置場所に近いところにお住まいの住民の方々には設置趣旨の説明をし、同意していただいた。また設置のお知らせを作成し、掲示した
  • ベンチ設置を進める中で、軒下の台の制作ニーズが上がってきた
  • 現地において新聞配布のボランティア活動をしているNPOピースボートから「第7団地で骨折されたばかりで生活が不自由な方がいる。腰かけがなくお困りのため、腰かけを提供いただけないか」という打診があった。神戸において学生が制作した腰かけをその方に寄贈した

周辺マップ制作ワークショップ

  • 宮城県石巻市南境地区に、仮設住宅第1~第7団地が点在している。集会所は第2、4、5、7団地にのみ設置されているため、第1~7団地の住民はいずれかの集会所を利用している。住民からは各団地の位置関係が分かりにくいため集会所を利用できない、生活情報が不足しているとの意見が寄せられている
  • 南境地区仮設住宅団地付近の分かりやすい地図を制作することにより、①生活必要情報の不足を解消する、②集会所に行きやすい環境を整備し、住民による集会所利用頻度を上げる、③集会所のない団地(第1、3、6)の住民も集会所を利用しやすい雰囲気を作る、④マップづくりワークショップを仮設住民、地元住民・学生、本学学生が一緒に議論しながら行うことにより、住民間交流のきっかけとなることを目指した
  • ワークショップは、仮設住宅の住民7名、石巻専修大学 学生3人、石巻市社会福祉協議会2人、本学学生・教員で実施した
  • バス停の場所、移動販店舗情報、ATM情報など住民が必要とする情報を収集するとともに、提供できる情報を調査した
  • 地図は今月中に完成し、各戸に配付する予定

その他、交流

  • 第4団地では神戸学院大学のタオルに学生が寄せ書きをし、住民にプレゼントする交流もあった
  • 学生が仮設住宅から去った後、住民のひとりが「部屋にタオルを貼ったから、見ていって」と玄関先に貼ったタオルを見て、大変喜んでいらした

活動終了後の振り返り(初日)

  • 夕食後、宿舎において実施
  • リーダー・サブリーダー・木工リーダー・マップリーダー・引率で、翌日活動内容について打ち合わせをし、方針を確定した
  • リーダー会議終了後、全員で初日の振り返りを行った。活動内容ごとに班に分かれ、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったこと、明日への抱負などを共有した
  • 翌日活動のグループ分け、段取り確認を行った

活動終了後の振り返り(2日目)

  • 2日目の活動終了後、最初のSAサービスエリアにて実施
  • 2日目の振り返りを行った。活動内容ごとに班に分かれ、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったこと、次回への引き継ぎ事項などを共有した

11月14日(月)事後研修会、活動振り返り

  • KAC帰着後、151B教室において、最終日の振り返りを行った。活動内容ごとに班に分かれ、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったことを共有した
  • 事後研修会では、参加学生ひとりひとりから感じたこと、意見等を言葉にしてもらった。以下は学生コメントの抜粋である

(学生)

  • 学部の違う学生の混成部隊でのチームワークの難しさを感じた
  • 子どもと話をしたが「震災でヨーヨーがなくなった」といわれ、何と返したらよいか戸惑った
  • 仮設の住民から要望を受けたら、出来る限り迅速に応じるべきではないか
  • 2度目の参加だが、1度目はどのようにしたらよいか分からなかった集会場での「サロン」だったが、今回はその意味が理解できた
  • 今回、石巻市にある専修大学の学生とともに活動をした。「すべてを失ったことへの絶望」の気持ちを聞いた。何か貢献できればと思う。また参加したい
  • 学ぶだけでなく、学んだことをいかに行動に移すかが重要だと思う
  • 生活支援マップ作り、お年寄りが子どもに将棋を教える場面が印象的だった
  • 編み物教室は好評である。前のバスで、お年寄りに編み物を教えてもらった住民が、冬に向けて編み物をしていると聞いた。本学の支援が実を結んでいる
  • 子どもも遊んで、子どもに力強く引っ張られた。笑顔がよかった
  • 事前にガイドブックを読んで、「自分に何ができるのだろうか」と不安であった。しかし、被災者との会話がはずみ、とてもよい経験ができた
  • 子どもはとても苦手だったけど、今回は一緒に遊ぶことができた。たまに暗い部分も感じたが、その中で頑張っている姿に励まされる
  • 今回で4回目である。現地にいけば、被災者とボランティアの区別をつけないでおこうと思った。口の悪い子どもがいるが、僕を相手に発散してくれたらいいと思った
  • 木工作業で疲れてしまい、被災者に無愛想な態度で接してしまった。今回の経験を就活で生かしたい
  • 被災地に行っているという感じではなく、普通に子どもやお年寄りと時間を過ごしたとの印象である
  • 子どもは言うことを聞いてくれなかった。しかし、お別れのときに手を振ってくれた

(引率)

  • 衝撃がこころを渦巻いている。伝えることで少しは楽になると思う。現地では笑顔の人、そうではない人がいた。マスコミでは分からないことがある。現地に行くことの意味を感じた
  • 生活支援マップは、事前に準備をして、今回かたちとなった。学生の頑張りに感謝したい。夏休みのバスも引率をしており、その時はとてもチームワークがよかった。今回もその基準を求めたが、2日目はとても良くなったと思う。「被災者のために」ではなく、「石巻市境南仮設住宅の○○さんのために」という関係を作っていってほしい

以上