被災地支援活動
9月22日~25日 学生ボランティア派遣 報告書
標記の件、下記のとおり報告いたします。
プログラム名 | 宮城県災害支援学生ボランティアバス(大学主催) |
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日程 | 2011年9月22日(木)~25日(日)3泊4日(2泊は車中泊) |
行程・内容
9月22日(木)(全員神戸学院大学有瀬キャンパス(KAC)に集合)
16:00 | KPC C号館会議室集合、事前研修会 |
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17:00 | KPC A号館前にバス到着、備品等積み込み |
17:30 | KPC 出発。バスにて宮城県へ。途中SAにて2,3時間おきに休憩 ―バス車中泊― |
9月23日(金・祝)
9:00 | 石巻市役所・仮設住宅運営管理室 ※仮設住宅集会所の鍵を預かる |
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9:30 | 石巻市の仮設住宅(南境団地:250戸)で活動 ・第2、第5集会所で2斑に分かれて活動 ・活動内容:①表札を一緒に作ろう!、②茶話会、③生活マップ制作ワークショップの事前調査 |
12:00 | 昼食休憩(グループごとに、リーダーの指示に従う) |
15:00 | 活動終了、後片付け |
15:30 | 石巻市役所・仮設住宅運営管理室 ※仮設住宅集会所の鍵を返却 (途中、30分程度、沿岸部を視察=石巻港~門脇~湊地区) |
18:00 | 松島町フットボールセンター(宮城県宮城郡松島町手樽字大蓬沢13-1) ―就寝前に、活動のふりかえりと翌日の打合せ― |
9月24日(土)
8:00 | 宿泊施設出発 |
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9:30 | 名取市仮設住宅(箱塚屋敷:165世帯、430人、倉田字箱塚屋敷)で活動開始 ・バスはダルマ薬局手倉田店の駐車場に駐車 ・活動内容:①カンボジア文化紹介(ダンスを一緒に踊ろう、クメール語ミニ講座、など)、②茶話会(アジアのお茶)、③表札を一緒に作ろう!(先週からの継続)、④腰掛け兼踏み台11個制作(先週からの継続) |
12:00 | 昼食休憩(グループごとに、リーダーの指示に従う) |
15:00 | 活動終了、後片付け。備品はダルマ薬局脇に集めておく |
17:00 | 現地の銭湯で入浴 ※タクシーで移動 ・スーパー銭湯極楽湯 仙台南店 (仙台市太白区西多賀5-24-1ベガロポリス仙台南内、TEL022-243-4126) |
18:30 | 銭湯を出発(バスはこの時間に合わせて、駐車場で待機) |
19:00 | 名取市仮設住宅で備品積み込み、神戸へ。途中SAにて2、時間おきに休憩 ―バス車中泊― |
9月25日(日)
8:30 | KAC帰着 学生、備品等のおろし |
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9:00 | 事後研修会(151K教室) |
10:00頃 | 解散 |
参加者
学生18人 | 一般申込み2人、学際教育機構防災・社会貢献ユニット生16人 |
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引率者2人 | 金芳外城雄(防災・社会貢献ユニット 教授) チュオン・ルムリアッセイ(TKK学び合い連携センター スタッフ) |
現地派遣者1人 | 四宮千佳子(TKK学び合い連携センター スタッフ) |
活動詳細
9月22日(木)事前研修会
- カンボジア文化交流を行うため、6人の学生(男子3人、女性3人)が特別の時間を打ち合わせし、2時間ほどカンボジアの民俗舞踊、ココナッツダンス、熱心に練習していた
- 事前研修を開始するまでに、名前やボランティアバス参加の感想等簡単な自己紹介を行った
- 今回の活動は、表札作り、調査隊、腰掛け兼踏み、茶話会を実施するため、班とリーダーを決めた
- V-TOPの代表から前回の活動内容と引継ぎ等についてパワーポイントで説明会があった
- 最後に、前林先生からボランティアに関する心ケアや活動中の注意事故について講義していた
9月23日(金・祝)石巻市仮設住宅 南境団地にて
- 約250世帯、約460人の方が居住されている
- 集団移転ではなく、さまざまな地域から集まってできた団地。自治会はまだない
- 第2、4、5団地に集会所があり、2箇所(第2、5)にて活動(表札作り、茶話会、生活マップ制作ワークショップ予備調査)を行った
表札づくり、茶話会
- 表札を掲げていない世帯が多いため、名取で好評だった表札作り~みんなで一緒に作ろう!~を実施した
- 既存の表札土台の形状が各団地異なるため、第2・4団地は木材で作成し、第5は紙で作成した
- 和紙や押し花などを飾り、個性あふれる表札ができた
生活マップ制作ワークショップ事前調査
- 南境地区には仮設住宅が第1~6団地まであるが、立地が大変分かりづらい。集会所は、第2・4・5のみに設置されている
- どこが第何団地なのかが分からないため、イベントチラシに「第4団地集会所にて実施」と記載があっても、行くことができないいという事態が発生している
- そこで生活に必要な情報も掲載した、分かりやすい地図を作ることを企画している。仮設住民の方や周辺にお住まいの方とともに学生がワークショップ形式で制作したい
- 今回は地区を歩き、各団地間の所要時間、辻辻の目印の有無、周辺住民から店舗情報など周辺情報を聞きとった
- お店情報:
- 最寄りにお店が少ない
- 南境地区にミニストップ(24時間営業)、開成地区に仮設フルーツ店(09:30~18:00)、ラーメン屋(11:00~20:00)、ローソンがある
- 仮設フルーツ店は、沿岸部(渡波地区、鮎川)にて営業していたが被災し、仮設店舗で約1カ月前に営業開始した。生活用品もニーズに応じて販売している
- 生協の配達サービスがある
- 移動野菜販売があるらしい(曜日・時間など未確認)
- 地元住民の声(主婦)
- 狭い道でも交通量が多く、危険
- 公園に仮設住宅が建設されたため、安全な子どもの遊び場所がない
- 復興車両の通行増加のため、朝夕は交通渋滞がひどい
(特に北部バイパスの橋近辺)。時間をかけて遠回りして出掛けている - 空地も多いが、今後急ピッチで住居が建設されるらしい。景観が変わる可能性があるため、目印も工夫する必要がある
活動終了後の振り返り
- 入浴後、リーダー・サブリーダー・活動リーダー・引率で、翌日活動内容について打ち合わせをし、方針を確定した
- リーダー会議終了後、全員で初日の振り返りを行った。活動内容ごとに班に分かれ、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったこと、明日への抱負などを共有した
- 翌日活動のグループ分け、段取り確認を行った
9月24日(土)名取市仮設住宅 箱塚屋敷団地にて
- 165世帯、約430人の方が居住されている
- 集団移転ではなく、さまざまな地域から集まってできた団地。自治があり、集会所も活発に活用されている
- 前回からの継続活動として表札を一緒に作ろう!と、腰かけ兼踏み台11台を制作した。表札と同じ要領で駐車場用の番号プレートを制作した。カンボジアからの留学生、職員が参加していたため、カンボジア文化紹介(ダンス、クメール語ミニ講座)も同時開催した
- 本学の方針として、学生がすべてをするのではなく、住民の方と共に活動をしていきたいという考えのもと活動している。そのため、「一緒に作ろう!」と積極的に声掛けを行った
- 同時に茶話会も開催した
活動終了後の振り返り
- 神戸へ向かう道中、サービスエリアにおいて、最終日の振り返りを行った。活動内容ごとに班に分かれ、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったことを共有した
9月25日(日)事後研修会、活動振り返り
参加学生ひとりひとりから感じたこと、意見等を言葉にしてもらった。以下は学生コメントの抜粋である
- 現地での人との交流を課題として参加した。名取市で座椅子の制作で交流ができ、元気づけられた。人とのつながりを感じ、それがやりがいになった
- 子どもたちと遊ぶことを目標として参加した。仮設住宅は子どもが遊べる環境がない。被災地の子どもたちはまだ精神的に安定しない傾向があったが、しばらく時間を過ごすと落ち着いてきたようだった
- 仮設住宅にはまだ自治会がないところがあり、地域の交流が弱い。まだボランティアの必要性を感じた。仮設の方と楽しく時間を過ごせた
- ボランティアの「継続性」について、その重要性を感じている
- 仮設での活動は2回目で、名前を憶えていただいていた。嬉しかった
- 沿岸部の視察を通して、状況はあまり変わっていないと感じた
- 石巻市で生活MAPづくりの調査を行ったが、MAPに必要な「印」がなく、難しいと感じた。朝夕の交通量が増えており、仮設の前の道が危ない
- 6月にも石巻市に行ったが、新しい家が建っていた。少しずつ状況が変わってきている
- 子どもにペットボトルを投げられた
- 表札に家族の名前を書いてほしい方もいるが、中には亡くされた方もいるので、どのように要望を聞いたらよいのか
→「表札をどのように書きますか」と特定せずに聞くことでよいのではないか(前林教授より) - 支援物資について、「ほしいものが届かない」と聞いた。仮設により、対応が違うようだ
- 和歌山の被災地(台風)にも、支援に行きたい
- 沿岸部はまだひどい状態で残っている。復興にはまだまだ時間がかかると感じた
- 名取市の自治会長から駐車場のナンバープレートを作ってほしいと依頼を受けた。何とか完成してよかった
- 住民同士のトラブル、孤立している住民がいらっしゃると聞いた。どこまでわれわれが仮設のコミュニティに入り込むのかの判断は難しい
→できるだけ気長に、でよいのではないか。これからも支援は長く続くのだから(前林教授) - 要望をきちんと聞いて、自分たちで活動を考えていきたい
- 被災者の方から、リアルな震災当時の話を聞いた。被災者の方は笑顔だった。また、子どもたちは自由に絵を描いてくれた
- カンボジアの文化を紹介した。一緒に踊っていただけたことが嬉しい
- 被災者の方は元気で笑顔だった。私は相槌をうつことしかでなかった
(引率)
- 今回、初めて被災地に行った。沿岸部を見て言葉を失った
- 被災者の方から「私の家に来ないか」と誘われ、お邪魔した。夫婦世帯で、失った家は広くて、お風呂も足を伸ばせたが、仮設の風呂は小さいとのことだった。お孫さんの大切な写真を見せていただき、ご一緒に写真たてを作った
- 私はカンボジア人だが、おばあさんから「カンボジアを知っているよ」と言われて、心が近いと感じた。嬉しかった
- 引率者だったが、被災者や学生からいろいろ教えてもらったと思う。ありがとう
(V-TOP)※ボランティアバスとボランティアバスを繋ぐ引き継ぎ団体(学生団体)
- 事後研修開始前に、参加学生に今回の活動についてヒヤリングをした
- 今回は防災・社会貢献ユニット生が中心のバスなので、団結力を感じた
- 次回10/7バスへの協力を、ぜひお願いしたい
以上