被災地支援活動
9月8日~12日 学生ボランティア派遣 報告書
標記の件、下記のとおり報告いたします。
プログラム名 | 宮城県災害支援学生ボランティアバス(大学主催) |
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日程 | 2011年9月8日(木)~12日(月)4泊5日(2泊は車中泊) |
行程・内容
9月8日(木)(全員神戸学院大学有瀬キャンパス(KAC)に集合)
15:00 | KAC 151K教室集合、事前研修会 |
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17:00 | KAC 14号館と15号館の間にバス到着、備品等積み込み |
18:00 | KAC 出発。バスにて宮城県へ。 |
19:00 | 吹田SAでバス合流・夕食(約1時間) 途中SAにて2、3時間おきに休憩 ―バス車中泊― |
9月9日(金)(KAC出発時より、名取斑と石巻斑に分かれて乗車)
第1号車斑 =学生13人、引率者2人
08:00 | 途中、30分程度、沿岸部の閖上地区を視察 |
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09:30 | 名取市仮設住宅(箱塚屋敷:165世帯、430人、倉田字箱塚屋敷)で活動開始
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12:00 | 昼食休憩(グループごとに、引率者の指示に従う)
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15:00 | 活動終了、後片付け |
16:00 | レントオール仙台(仙台市若林区六丁の目元町8-22)
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18:00 | 松島町フットボールセンター(宮城県宮城郡松島町手樽字大蓬沢13-1) |
19:00 | 夕食 |
20:10 | 活動のふりかえりと翌日の打ち合わせ |
21:20 | 終了 |
第2号車斑=12人、引率者2人
7:40 | 高台より被害状況等を視察 近隣の住民の方(2人)より体験談を伺う |
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09:00 | 石巻市役所
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09:30 | 石巻市の仮設住宅(南境団地:250戸)で活動
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12:00 | 昼食休憩(グループごとに、引率者の指示に従う) |
15:00 | 活動終了、後片付け |
16:00 | 30分程度、沿岸部の石巻港~門脇~湊地区を視察 |
18:00 | 松島町フットボールセンター到着(宮城県宮城郡松島町手樽字大蓬沢13-1) |
19:00 | 夕食 |
19:40 | リーダーミーティング |
20:10 | 活動のふりかえりと翌日の打ち合わせ |
21:20 | 終了 |
9月10日(土)
第1号車斑 =学生10人、引率者2人
06:30 | 朝食 |
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08:00 | 宿泊施設出発 |
09:30 | 名取市仮設住宅で活動開始
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12:00 | 昼食休憩(グループごとに、引率者の指示に従う) |
15:30 | 活動終了、後片付け |
17:00 | 被害状況視察(約30分)※バスの中から |
19:10 | 松島町フットボールセンター到着(宮城県宮城郡松島町手樽字大蓬沢13-1) |
20:00 | 夕食 |
20:40 | リーダーミーティング |
21:40 | 活動のふりかえりと翌日の打ち合わせ |
22:50 | 終了 |
第2号車斑 =学生15人、引率者2人 ※集会所の鍵は前日から引き継ぐ
07:30 | 宿泊施設出発(石巻市内スーパーに立ち寄る) |
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09:30 | 石巻市の仮設住宅(南境団地:250戸)で活動
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12:00 | 昼食休憩(グループごとに、引率者の指示に従う) |
15:00 | 活動終了、後片付け |
17:00 | 松島町フットボールセンター(宮城県宮城郡松島町手樽字大蓬沢13-1) |
20:00 | 夕食 |
20:40 | リーダーミーティング |
21:40 | 活動のふりかえりと翌日の打ち合わせ |
22:50 | 終了 |
9月11日(日)
第1号車斑 =学生13人、引率者2人
08:00 | 宿泊施設出発 |
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09:30 | 名取市仮設住宅で活動開始
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12:00 | 昼食休憩(グループごとに、引率者の指示に従う) |
15:00 | 活動終了、後片付け |
17:30 | 現地の銭湯で入浴
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19:00 | 銭湯を出発、第2号車と合流し、バスにて神戸へ。 |
第2号車斑 =学生12人、引率者2人
07:00 | 朝食 |
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08:00 | 宿泊施設出発 |
09:30 | 石巻市の仮設住宅(南境団地:250戸)で活動
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12:00 | 昼食休憩(グループごとに、引率者の指示に従う) |
15:00 | 活動終了 |
15:30 | 石巻市役所・仮設住宅運営管理室へ、集会場の鍵を返却 |
16:00 | 道の駅「上品の郷」にて入浴(石巻市小船越字二子北下1-1、バス駐車可能) |
18:30 | 第1号車と帰路合流、途中SAにて2,3時間おきに休憩 ―バス車中泊― |
9月12日(月)
08:30 | KAC帰着 学生、備品等のおろし(支援室) |
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09:00 | 事後研修会(151K教室) |
10:00頃 | 解散 |
参加者
- 学生25人
- 一般申込み9人、総合リハビリテーション学部3人、学際教育機構防災・社会貢献ユニット生4人、ボランティア活動支援室学生スタッフ5人、ボランティア団体VAF2人、写真部員2人
- 引率者3人
- 水上然(総合リハビリテーション学部 講師)
太田翼(KPCキャリア支援グループ)
小野寺佳奈(KPC学生支援グループ) - 現地派遣者1人
- 四宮千佳子(TKK学び合い連携センター スタッフ)
活動詳細
9月8日(木)事前研修会
- 前回のボランティア参加者より引継ぎあり
- 言葉を使わず誕生日ごとに並び、その後2人1組で自己紹介を行う
他己紹介を行う - 班・リーダー決めを行う
9月9日(金)
名取班:木工プロジェクト(名取市仮設住宅 箱塚屋敷)
- 165世帯、約430人の方が居住されている
- 集団移転ではなく、さまざまな地域から集まってできた団地
- 自治があり、集会所も活発に活用されている
- 住民からのニーズとしてあがった共用ベンチ2台の追加制作、石巻市仮設に置くベンチ3台の制作、表札づくりを行った
- 表札を掲げていないと声を掛けづらいということから、今回制作・取り付けを行うこととした
- 本学の方針として、学生がすべてをするのではなく、住民の方と共に活動をしていきたいという考えのもと活動している。そのため、「一緒に作ろう!」と積極的に声掛けを行った
- 同時に茶話会も開催した
石巻班:茶話会、要望調査(石巻市仮設住宅 南境団地)
- 約250世帯、約460人の方が居住されている
- 集団移転ではなく、さまざまな地域から集まってできた団地。自治会はまだない
- 第2、4、5団地に集会所があり、3箇所に分かれて活動(茶話会、要望調査)を行った
- 市役所より依頼のあった集会所の鍵管理人候補探しも行った。第5団地は暫定的な管理人が決まり、鍵が貸与された
- 活動開始すぐ、仮設住宅への個別訪問(チラシ配付)を行った
活動終了後の振り返り
- 入浴後、リーダー・サブリーダー・活動リーダー・引率で、翌日活動内容について打ち合わせをし、方針を確定した
- リーダー会議終了後、全員で初日の振り返りを行った。活動内容ごとに班に分かれ、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったこと、明日への抱負などを共有した
- 翌日活動のグループ分け、段取り確認を行った
9月10日(土)
名取班:木工プロジェクト(名取市仮設住宅 箱塚屋敷)
- 引き続き前日と同じ活動~共用ベンチ追加制作、表札作り、茶話会~を行った
- 共用ベンチにプレートをまだつけていなかったため、箱塚屋敷の所有であり、本学から贈ったものであることを書いたプレートを作成し、取り付けた
- 腰掛け兼踏み台のニーズに対応するため、強度の強いものを試行錯誤して作りあげた。同じものを9台制作した
- 住民の方々からたくさん差し入れをいただいている(枝豆、飲み物、ワッフルなど)
石巻班:納涼お食事会~そうめん、箸巻きお好み焼き~(石巻市仮設住宅 南境団地第4集会所)
- 有志の学生による企画「納涼お食事会」を開催した。大学が予算化し、その中で学生がボランティア活動を企画・実施・予算管理するもの。このなかで学生達は関西食品工業株式会社にかけあい、揖保の糸(そうめん)を協賛していただいた
- 揖保の糸が、のどごしがとても良くおいしかった
- メニューは、めんつゆそうめん、ぴり辛肉みそそうめん、ポン酢おろしそうめん、箸巻きお好み焼き
- チラシを配布し、食券制とした
- 来客数が伸び悩んだため、配達も行った。戸別訪問し、注文をとって行った配達は、好評だった
- かなり材料が余ってしまったこと、提供することに集中してしまいコミュニケーションが二の次になってしまったことは反省点として挙げられる
- 大変美味しい、嬉しいという声のほか、第1~第6団地が点在しているため場所が分かりにくい、遠いなどの意見も聞かれた
- 表札をあげていないところも多く、どのような人が暮らしているのか、住民同士がよくわからない様子。このような炊き出しやイベントがある時に、ようやく近所の方と顔を合わせ、古くからの友人が同じ団地に暮らしていることがわかるという状況であった
- 次回のバスでは表札作りを提案、実施することとなった
活動終了後の振り返り
- 入浴後、リーダー・サブリーダー・活動リーダー・引率で、翌日活動内容について打ち合わせをし、方針を確定した
- リーダー会議終了後、全員で2日目の振り返りを行った。活動内容ごとに班に分かれ、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったこと、明日への抱負などを共有した
- 翌日活動のグループ分け、段取り確認を行った
9月11日(日)
名取班:木工プロジェクト(名取市仮設住宅 箱塚屋敷)
- 引き続き前日と同じ活動を行った
- 腰掛け兼踏み台を12台制作し、合計21台を希望者に納品した
- 仮設敷地内を通り抜ける車両があるため「通り抜け禁止」の立て看板も2台作成し、設置した
- この夏休みにインドネシアへ海外実習に行った学生から、インドネシアからの応援メッセージをお贈りした
石巻班:茶話会、要望調査(石巻市仮設住宅 南境団地)
- 1日目同様、第2、4、5団地集会所において茶話会を行った
- 物忘れ防止のためのリハビリ体操を実施した
- 表札作りのニーズ調査、表札の形状調査も実施した
- わたあめの提供も行い、子供からご年配の方まで喜んでいただくことができた
9月12日(日)事後研修会、活動振り返り
参加学生ひとりひとりから感じたこと、意見等を言葉にしてもらった。以下は学生コメントの抜粋である
- 木工プロジェクトで、仮設住宅のおばあさんが枝豆やお菓子を差し入れしてくれた。とても温かくしていただいた。支援するつもりが、逆にもらったことが多かった
- 東北で活動をしたいとの思いが形になった。被災地の状況を見て、実際に見ることの大切さに気付けた
- 5日前には面識のないメンバーが、現地で活動をするということはすごいことだと思う
- 今回2回目の被災地であった。変化したこと、変わっていないことを見てきた
- もっと現地の住民の方のニーズを大切にしたいと思う
- 行く前と、行った後では確実に違う。成長したと思う
- なによりも、住民の笑顔が自分には大切なものだった
- 仮設住宅の方に「神戸学院大学は3回目だね」と言っていただいた。継続して活動をすることの必要性を強く感じた。もっと学院を知ってもらうように頑張りたい
- 石巻市の仮設で、そーめんプロジェクトを実施した。うまくできなかったこともあり、くやしい気持ちがある。ぜひ、次のチャレンジをしたい
- 初日よりも、3日目の被災者の方が温かかった。「まだいてくれるんだ」と言ってもらえた。今回企画したソーメンの提供は5月から準備をしてきた。でも、まだまだ課題があった。また、やりたい
- 大学に対して感謝する。予算をつけて、学生の活動の機会を作ってくれている
- ただ思うだけでなく、実際に実現することが大切と思う
- 木工プロジェクトは、被災者の方と一緒に作成することに意味があると感じた
引率から:
- 被災者も、さまざまと感じた。支援を求める方、求めない方がおられる。「してあげる」ではなく、「一緒にする」ことの大切さを実感している
- 仮設住宅にとって「集会場」が大切な場所であると感じた。いかに魅力的な場所となるか。今回の経験を、次につなげていってほしい
- 今後のことだが、現地にいくことだけがボランティアではない。参加者は、ぜひ、継続して協力体制をつくってほしい
- 特に石巻市の仮設住宅では、まさにこれからコミュニティを作っていこうとされている時期である。その芽生えにかかわっていることの自覚が必要である
- 本学のプログラムを通して、住民が互いに知り合うきっかけになればと思う
- 私は現在、神戸市の震災復興住宅に住んでいる、仮設住宅から復興住宅への移行時期がやがてくるだろうが、神戸では15年が経過して、新たな課題も感じる。長い目で支援のあり方を考えていかなければならない
以上