神戸学院大学

被災地支援活動

8月22日~25日 学生ボランティア派遣 報告書

標記の件、下記のとおり報告いたします。

プログラム名 宮城県災害支援学生ボランティアバス(大学主催)
日程 2011年8月22日(月)~25日(金)4泊5日(2泊は車中泊)

行程・内容

8月22日(月) (全員神戸学院大学有瀬キャンパス(KAC)に集合)

(有瀬キャンパスにて)
15:00 事前研修会
講師:川口謙造(ボランティア活動支援室)
16:30 バス到着、備品等積み込み
16:45 出発
(ポートアイランドキャンパスを経由)
17:30 バス到着、備品等積み込み
17:45 出発、バスにて宮城県へ。途中SAにて2、3時間おきに休憩
―バス車中泊―

8月23日(火)

8:30 レントオール仙台(株)到着(仙台市若林区六丁の目元町8-22)
9:30 名取市箱塚屋敷仮設住宅で活動(箱塚グランド:430人、倉田字箱塚屋敷)
  • 仮設住宅集会所(1カ所)を拠点に展開
  • お祭りプロジェクト(防災・社会貢献ユニット学生による企画)
  • リハビリ体操(総合リハビリテーション学部学生による企画)
  • お茶会、要望調査隊 他
17:30 仮設住宅を出発
18:30 レントオール仙台(株)へ借り出し備品を一部返却
19:30 宿泊施設(道中庵ユースホステル)に到着
21:00 ―就寝前に活動のふりかえり―

8月24日(水)

《石巻班》学生3人、引率1人

07:45 宿泊施設出発後、電車・バスで移動
10:30 石巻市の仮設住宅(南境団地:250戸)で翌日企画のチラシ配布、実見
16:30 宿泊施設到着

《名取班》学生14人、引率2人

08:15 宿泊施設出発(大型バス)
09:30 名取市社会福祉協議会
  • 市内仮設住宅全戸へ9月4日名取市復興イベントのチラシ配布
  • 支援物資の整理および搬入
15:30 活動終了後、被災地視察(閖上地区)
16:30 ボランティアセンター出発
17:30 宿泊施設到着(道中庵ユースホステル)
20:00 ―就寝前に活動のふりかえり―

8月25日(木)

07:00 宿泊施設出発(大型バス):ユースホステルをチェックアウト
09:00 石巻市被災地視察(門脇地区)
09:30 石巻市の仮設住宅(南境団地:250戸)で活動
  • 南境第2、第4、第5団地の3斑に分かれ、各集会所で活動
  • お茶会、リハビリ体操、綿菓子、輪投げ、ヨーヨー釣り、要望調査、次回のイベントの案内チラシを配布
16:00 活動終了後、介護施設提供の入浴施設で入浴(被災者、ボランティアのために施設を開放)
  • 「石巻市介護施設 ぴかぴか」(石巻市住吉町2-5-23)
  • 時間を決めて男女交代で入浴
18:30 仮設住宅で備品を積み込み、石巻市役所に集会所の鍵返却後、神戸へ向けて出発
途中SAにて2、3時間おきに休憩
―バス車中泊―

8月26日(金)

08:30 KAC帰着 学生、備品等のおろし(支援室)
9:00 事後研修会(151K教室)
講師:川口謙造(ボランティア活動支援室)、守田敦子(臨床心理士:心理臨床カウンセリングセンター)
10:30 解散

参加者

学生17人
一般申込み5人、総合リハビリテーション学部6人、防災・社会貢献ユニット6人
引率者2人
阪田憲二郎(総合リハビリテーション学部 准教授)
丸尾和代(教育開発センター 職員)
現地派遣者1人
四宮千佳子(TKK学び合い連携センター スタッフ)

活動詳細

8月22日(月)事前研修会

  • ガイドブックに沿って、活動や被災地での心構え、活動の注意点、具体的な活動の情報提供
  • 現地派遣者からの仮設住宅や集会場(活動拠点)の情報提供
  • 学生のチームワークを作るために、リーダー、サブリーダーの選任およびグループ分け
  • 事前研修後、備品の点検、バスへの積み込みを学生、引率者の協働で実施。学生のチームワークを試す、最初の活動である
  • その後、宮城県に向けて出発

8月23日(火)夏祭り、お茶会など(名取市仮設住宅 箱塚屋敷)

  • 165世帯、約430人の方が居住されている
  • 集団移転ではなく、さまざまな地域から集まってできた団地
  • 自治会があり、集会所も活発に活用されている
  • 防災・社会貢献ユニット学生が企画した「夏祭り」(ずんだ餅、たこ焼、フランクフルト、ジュース、ヨーヨー釣り、輪投げ)、引率の丸尾によるお茶会(お抹茶一服)を実施した
  • 本学の方針「住民の方々とともに~力とやる気を引き出す~」に基づき、すべてを学生がするのではなく、住民の方と共に準備・運営を行った。特にずんだ餅は現地の方から作り方を教わりながら調理した。ヨーヨー作りなど、たくさんの方の力をお借りした
  • 住民の方から「祭りに出て来てくれる方はいい。外出できない方を積極的に誘う活動もして欲しい」とのご意見をいただいた
  • 自治会の方からのニーズ:
    • 秋祭り、芋煮会を一緒に実施しよう
    • 仮設が広く、また砂利道で高齢者は歩きにくい。ベンチがあると嬉しい
    • 表札がないと、声をかけづらい
    • 子ども向け企画は多いが、中高年向けの企画が少ない
準備風景(屋外テント)
準備風景(ずんだ餅づくり)
ヨーヨー釣り
ずんだ餅配布

活動終了後の振り返り

  • 入浴後、初日の振り返りを行った。3班に分かれて、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったこと、明日への抱負などを共有した
  • 翌日活動のグループ分け、段取り確認を行った

8月23日(水)チラシ配布等

【グループ1】社協主催:震災復興イベントのチラシ配布(名取市仮設住宅全戸)

  • 3班に分かれ、4か所の仮設住宅(約400戸)に配布し、合わせて仮設住宅の様子、集会所利用状況などを調査した
  • 名取市社会福祉協議会(名取市民体育館内)において、海外から届いた物資から食べ物(安全基準などが日本と異なるため)を抜き取る作業を行った。また味の素から届いた支援物資の搬入を行った
  • 午後から、また3班に分かれ、もう3か所の仮設住宅(約450戸)にチラシを配布した
  • 終了後、被災地(名取市閖上地区)を視察した
イベントのチラシを各戸に配布
集会所の利用状況の調査
救援物資の積み下ろし作業
お菓子の抜き取り作業
閖上地区の被災状況を視察
日和山から閖上地区全体が見渡すことができた

【グループ2】翌日の活動の告知チラシ配布(石巻市仮設住宅 南境第1~第6団地)

  • 翌日24日に本学が実施する茶話会のチラシを南境第1~6団地に配布した(約250戸)
  • 配布するだけでなく、各仮設の特徴を調査した(入居率、集会所の利用状況、ファミリー率、子ども率など)

活動終了後の振り返り

  • 入浴後、2日日の振り返りを行った。3班に分かれて、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったこと、明日への抱負などを共有した
  • 石巻にてチラシ配布したグループ2が各団地の特徴を発表。翌日活動のグループ分け、段取り確認を行った

8月24日(木)茶話会・お茶会、要望調査、ヨーヨー釣り、輪投げ、綿菓子(石巻市仮設住宅 南境団地)

  • 約250世帯、約460人の方が居住されている
  • 集団移転ではなく、さまざまな地域から集まってできた団地
  • 自治会はなく、集会所は今回初めて利用された
  • 第2、4、5団地に集会所があり、3箇所に分かれて活動(茶話会《学生がお煎茶と干菓子をサービスした》、要望調査、ヨーヨー釣り、輪投げ、綿菓子)を行った
  • 引率の丸尾によるお茶会(お抹茶一服)は、各集会所で1時間ずつ巡回して実施した
  • 住民の方からのニーズ:
    • 集会所を活用して、コミュニケーションを取りたい
    • 小さな子どもの遊び場所があまりないので、雨の日など集会所を開放して遊ばせて欲しい
    • 収納場所が少なく困っている
    • 交通手段がなく、移動が困難
    • 洗濯物の縁台(踏み台)が必要。竿が高くて手が届かない 等
  • 住民からのニーズ、活動中の学生の気づきをとりまとめ、市役所へ提出する
輪投げ
ヨーヨー釣り
綿菓子は子どもにも大人にも好評
リハビリ体操でリフレッシュ

8月25日(金)事後研修会、活動振り返り

参加学生ひとりひとりから、感じたこと、意見等を言葉にしてもらった。以下は学生コメントの抜粋である

  • 不満がたまっているのを感じた。コミュニケーションの必要性を感じた
  • 学生が参加することで、何かひとつは元気づけができたのではないかと思う
  • 被災者から、前向きな気持ちを感じることができた
  • ひとことで被災地と言っても、地域(仮設住宅)によって住民の性格が違うと感じた
  • 仮設住宅にとっての「集会場」の大切さを感じた
  • 要望調査を行って、将来、宮城県を変えていくような支援活動が大切であり、またその支援者を支えることも大切と思う
  • 自分のことよりも、「もっと苦しんでいる人を助けてほしい」と言われた
  • 疲れた。自分に何ができたのかと疑問に思う、逆に助けてもらったと感じた
  • 1回だけではなく、継続して支援することが重要だと思う
  • 被災地の方と、また一緒に活動をしたメンバーとのコミュニケーションが取れたことがやりがいにつながった
  • 仮設住宅のイメージがなかったが、名取市と石巻市の仮設に言って、カラーが違うと感じた
  • 仮設住宅での生活には不便が多そうである。たとえば、収納が必要など
  • あっと言う間に過ぎ去ってしまった。仲間と別れることが寂しい
  • 「被災したことを言い訳にしない」という言葉を見た。強さを感じた
  • 集会場に行ったとき、多くの方から「お疲れさま」と声をかけてもらった
  • 今回は、同世代の被災者と接する機会がなかった
  • ヨーヨー釣りのコーナーで、ひとりの子どもが楽しんでいた。人数だけが大切なのではないと感じた
  • 楽しんでいただこうと思っていたが、こちらが楽しませてもらった。支援しようと思っていたが、こちらが支援してもらった。一緒に楽しみながら、上に行ければ。それが復興することだと思う
  • 被災地の状況は、「まだこの程度か」と思う反面、「瓦礫の片づけなど、ようやくここまで進んだか」と思った
  • 夏祭り企画(ずんだ餅など)は、バスの中で備品の不足を思いつくなど、準備不足だった。でも被災地の方や仲間が協力してくれた。達成感を感じている
  • 大きな祭り企画は年に1,2回でよいと言われた。企画者の思いを押し付けることでは駄目である。今回は仮設住宅から女性の方が助けていただいた。次回は、男性が参加していただける企画をしてはどうか

以上