被災地支援活動
6月2日~5日 学生ボランティア 報告
6月2日(木)~5日(日)に本学が実施した被災地ボランティアに、学際教育機構防災・社会貢献ユニット生20人、教授 浅野 壽夫、客員教授 織田 峰彦、四宮千佳子(TKKスタッフ)が参加しました。
以下のとおり報告します。
期間 | 2011年6月2日(木)~5日(日)1泊4日 |
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内容 | 学生による被災地におけるボランティア活動の実施 |
目的 |
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引率 | 浅野 壽夫 防災・社会貢献ユニット 教授 織田 峰彦 防災・社会貢献ユニット 客員教授 |
引率補助 | 四宮千佳子 TKK学び合い連携センター スタッフ |
参加学生 | 防災・社会貢献ユニット生20人 |
スケジュール
6月2日(木) | 16:30 | KPC 防災・社会貢献ユニット事務室集合 |
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17:00 | A号館前車寄せにバス到着 | |
17:30 | KPC 出発、バスにて宮城県へ。途中SAにて2,3時間おきに休憩 ―バス車中泊― |
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6月3日(金) | 08:30 | 名取市ボランティアセンター到着 名取市内にて、ボランティア活動 ―活動内容(どろかき)― |
16:30 | 名取市ボランティアセンター出発、ホテルへ | |
17:30 | レントオールで物品借用 | |
18:30 | 秋保温泉到着(宿泊:ホテルニュー水戸屋) ―就寝前にふりかえり、翌日活動打ち合わせ― |
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6月4日(土) | 07:00 | ホテル出発(大型バス) |
09:30 | 石巻市河北総合センター(ビッグバン)到着 ―活動内容(足湯、山菜うどん、子どもと遊ぶ)― 途中、タクシーにて被災地調査(石巻市松並地区、南浜町) 第1陣11:00~12:30、第2陣12:30~14:00、第3陣14:00~15:30 |
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16:00 | 石巻市河北総合センター(ビッグバン)出発 | |
18:00 | レントオールで物品返却 | |
19:30 | 秋保温泉到着。入浴後、バスにて神戸へ。途中SAにて2、3時間おきに休憩 ―バス車中泊― |
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6月5日(日) | 08:30 | KPC帰着 学生、備品等のおろし |
09:00 | 活動ふりかえり | |
10:00 | 解散 |
活動内容
6月3日(金)
- 活動内容:支援物資の搬入
- 活動場所:名取市体育館
- 仮設住宅入居者に対しての支援物資(鍋セット)を、名取市体育館内に搬入した
- 支援物資は新潟県燕市からの提供。場内には日本各地からの支援物資が並んでいた
- 活動内容:「特別養護老人ホームうらやす」のどろかき
- 活動場所:名取市小塚原遠東地区(海から約700m地点)
- 特別養護老人ホームの1階居住スペース8部屋の泥かきを行った
- 被害の甚大な閖上地区にある特別養護老人ホームでの作業。見渡す限り、がれきの山であった
- 津波到着時、約180cmの高さまで水が入った
- 位牌、ノート、お守りなどたくさんの思い出が出てきたため、別に保管した
- 別棟のケアホームにも20人の一般泥かきボランティアが入っていた
- 活動中、腕に軽い擦り傷の怪我をした学生がいた。破傷風の問題があり、病院へ連れていき、治療を受けた。また帰着後、ボランティア保険の手続きを行った
- 今後夏になり気温が上がるが、怪我防止の観点からも長袖着用を徹底させることが必要である
活動振り返り
- 活動終了後、ホテルにて活動振り返りと翌日の活動計画を立てた
6月4日(土)
- 活動場所:避難所(石巻市:ビッグバン)
活動内容1.(足湯)
- 10時~12時、13時~15時に実施した
- 前週は足湯スペースで子どもが水遊びをしてしまい、大人の方が入りづらいということがあった。そのため、今回は大人向けのプログラムとして実施した
- 避難所の1階総合受付横、診療スペースで実施した
- 計20人強の方に足湯を施した
活動内容2.(山菜うどん)
- 10時より準備を始め、11時30分~15時まで山菜うどんの炊き出しを行った
- 約350食を提供した
- 避難所の正面玄関前で実施した
- 前週訪問時のヒアリングで「温かい食べものはなかなか食べることができない」「汁ものが欲しい」「高齢者はあっさりとしたうどんが恋しい」という意見があり、今回の炊き出しは山菜うどんとした
- 茹でうどんは石巻のスーパーにて調達した
- 関西うどんはダシの味が効いた薄味が主流だが、東北は濃い口しょうゆで塩分の強い味付けを好む。避難所の方に味見をしていただきながら、関西だしと濃い口しょうゆで味付けを施した。学生は塩分調整に奮闘していた
- 食後にわざわざ「とても美味しかったです。ありがとう」と言いに来てくださる方が多かった
- 次週は焼きそばをリクエストする方が多かったため、対応したい
活動内容3.(子どもと遊ぶ)
- 10時~12時、13時~14時に子どもたちと遊んだ
- こどもひろばという屋内スペースを使用してサッカーやドッヂボールを行った。また天気が良かったため、屋外にて散歩や肩車・おんぶ、おいかけっこ、水風船などで遊んだ
- 前週にも避難所で活動した学生が2名おり、子ども達が自分たちを覚えていてくれるか心配していたが、到着時子どもたちは嬉しそうに学生に駆け寄っていた
- 学生からは「○○ちゃん(避難所の子ども)と今後も繋がっていきたい。継続して何ができるか考えたい」という声が聞かれた
被災地調査
- 石巻市の沿岸地区(松並地区、南浜町)を、3班に分かれて調査した
6月5日(日)
- 事後活動振り返りを実施(場所:神戸学院大学KPC C号館会議室)
- ストレッチ、自律訓練法で体と心をほぐした後、ひとりずつ感想、気づき、感じたことを共有した
- アンケートの実施(心と体の状態をみるもの)
- 学生は9日(木)までにレポートを提出する(レポート内容:1.思ったこと・感じたこと、2.得たもの、3.次回ボランティアへ行く人へのアドバイス、4.活動への意見・要望など、5.活動中に現地の方から聞いた内容)
学生の感想、気づき(抜粋)
- ボランティアに初めて参加。2日目、小さい子どもと触れる機会あり。結構暴力的だったが、被災して変わってしまったのか。今回ボランティアに行って今まで感じられなかったこと、言葉では表せないが、自分の中で何か新しいものが生まれた気がする。また参加したい。
- 初めて参加。テレビで見たのを実際に自分の目でみて言葉にならなかった。感じることは違うんだと思った。泥かきをやって、8部屋分しかできず、これで限界と感じた。これからの復旧は人が必要。継続的な支援が必要。2日目、子どもが凶暴なのが印象的(殴ったり蹴ったり)。これまで子どもと接するのに自信があったが、被災した子供とどう接していいのか最後までわからなかった。そういう子どもたちへのケアが必要。感じることがあったので、また東北でボランティアをしたい。
- テレビで見る映像しか知らなかった。実際に行って衝撃を受けた。驚いたことは、2日目にタクシーで見て回り商店街の横の道を通った時、商品が数えるほどしか並んでないのに営業している店があった。町を立て直していこうという姿を感じた。継続が大事。できる限りまた行きたい。
- 初めて参加。最初にバスのなかで目が覚めて外の景色を見て、そこはあまり災害の影響は受けていないのかなと思ったが、名取の泥かきで想像を絶する光景を見た。正直、すごかった。ここに住んでる人たちが、(この町を)元の姿に戻すのは何十年もかかるだろうと想像したら、もっと自分たちもできることがあるのではないか。2日目、炊き出し・足湯をした。高齢の方から地震の時の話を聞いた。つらいのは自分たちのはずなのに、僕らに気を使ってくれたり、物資を用意してくれたりした。そういう人たちのおかげで僕らが活動できるのだ。ボランティアを通して人間同士のつながりを感じた。
- 子どもと接したときの子どもの態度について。1日接したが叩くし蹴るし言葉も乱暴だった。被災してない僕らだからそう思うのかも。被災していないからこそ言えることもあると思うし、誰かが注意しないと善悪の判断がつかずに大人になってしまう。子どもたちの成長のために大切なこと(しつけなど)をボランティアがやってもいいと思う。ボランティアを通して、やれることは少なかったが、被災地のためになったと思うし、自分も成長できた。これからも力になりたい。
- 救援物資運ぶにも時間かかった。泥かきもあんなに時間を割いても8部屋しかできなかった。まだ時間がかかるだろうと思った。タクシーで回り、津波の高さが何メートルだったとかテレビで聞いていたが、高い看板にも津波が来ているのを目にした。まだがれきも多くてこれから復興までに時間がかかるだろう。ボランティアを継続することが大事。
- はじめてボランティアに参加。ああいう光景を見て、自分が力になりたいと思えたことが良かった。先輩が引っ張ってくれた。被災地の人の力になりたい。
- すごい良い経験だった。印象的だったのは子どもたち。自分の家があったところで記念撮影している家族がいた。風景は変わらなくても気持ちの面ではすごく変わっているのだろう。ボランティアしてもらったことを何か恩返ししたいという言葉を現地の人から聞いた。こちらでできることをしたい。
- 泥かきは、いろんなものを混じってて想像以上にしんどかった。がれきが山積みになってて3か月たってもこれだけしか片付けられないのかと、復興まで何年かかるのか、と思った。足湯では、おばあちゃんが若い人たちと話すのが楽しい、と言ってくれた。これから何年も継続してやっていくことが大事。
- 初めて参加。テレビで見るのと実際に見るのとで全然違ってショックだった。泥かきでは写真や服が出てきた。何も持たずに逃げたんだ、ということを実感した。花が添えてあるところがあった。ここで亡くなった人がいたんだな、と思うと、胸が熱くなった。2日目、足湯とうどん作りをした。最初どうやって接していいのかわからなかったが、明るくて自分から当時のことを話してくれた。生の声をきき、様子が詳しくわかった。まだ復興に時間がかかるが、できることをしたい。また東北に足を運びたい。
- 運んだ支援物資は新潟から届いた。結構な量だったが、それを詰めてくれる、用意してくれる人もいて、その人たちのつながりを感じた。泥かき、今回は前回と違うところで、どこまできれいにしていいのかわからなかった。どこまでしたら良かったのか。。。2日目、ビックバン、子どもたちが自分たちのことを覚えてくれているか不安だったが、子どもから寄ってきてくれた。なついてくれて、別れを惜しんでくれた子もいた。ずっと定期的にかかわることで、彼らに変化があるといいと思った。
- 神戸学院として参加したが、1回行くのに結構なお金がかかっている。現地に行くだけがボランティアじゃない。まもり隊もあるし、学生から何かしたいと考えている。2回生も何かしたいと思ったら参加してほしい。さくらネットの先輩が言ってたこと、「私たちが被災地と呼ぶのは誰かのふるさと、私たちががれきと呼んでいるのは誰かの大切な品であったり思い出の品である」。子どもたちが暴力的だけど寄ってくるのは、かまってほしい、話しがしたいからではないか。親世代とかの心のケアも大事。ビッグバンはいろんなところから人が集まっているから、別の子どもに怒れない、という状況もあるのかも。子どもだけでなく大人にも気を向けてほしい。大学生としての視点で見ることも大事。
- リーダーとして動けたかどうか不明である。初めての人が多かったが、初めてというのは相手には通じない。僕も初めて行ったときに準備不足だし時間も遅れ、せっかく来てくれた人は、たこ焼きを食べれずに帰って行った人もいた。被災地の人にとっては僕らの状況は問題ではない。いかに被災者の人のことを考えるかが大事。リーダーとして、みんなが動いてくれていてよかったと思う。場所を転々とするのは意味がない。場所を1点に絞って活動することが大事かと思った。僕らが率先して活動を作っていきたい。みんなも参加したいのであれば、一緒にやっていきたい。