神戸学院大学

被災地支援活動

5月26日~29日 学生ボランティア 報告

5月26日(木)~29日(日)に本学が実施した被災地ボランティアに、学際教育機構防災・社会貢献ユニット生20人、同非常勤講師 松田健志、四宮千佳子(TKKスタッフ)が参加しました。
以下のとおり報告します。

期間 2011年5月26日(木)~29日(日)1泊4日
内容 学生による被災地におけるボランティア活動の実施
目的
  1. 被災地のニーズに応える活動を行うことで、復興の一助となる。
  2. 被災地ボランティア活動や実態調査を通して、学生自身の成長を促す。
引率 松田 健志 防災・社会貢献ユニット 非常勤講師
引率補助 四宮千佳子 TKK学び合い連携センター スタッフ
参加学生 防災・社会貢献ユニット生20名

スケジュール

5月26日(木) 18:30 KPC 出発、バスにて宮城県へ。途中SAにて2、3時間おきに休憩
―バス車中泊―
5月27日(金) 08:30 名取市ボランティアセンター到着
名取市内にて、ボランティア活動
―活動内容(どろかき、名取市図書館整理)―
16:30 名取市ボランティアセンター出発、ホテルへ
17:30 レントオールで物品借用
19:00 秋保温泉到着(宿泊:ホテルニュー水戸屋)
―就寝前にふりかえり、翌日活動打ち合わせ―
5月28日(土) 07:00 ホテル出発(大型バス)
09:30 石巻市河北総合センター(ビッグバン)到着
―活動内容(足湯、ポップコーン、綿菓子、箸巻お好み焼き、子どもと遊ぶ)―途中、被災地調査(石巻市内)
17:00 石巻市河北総合センター(ビッグバン)出発
18:30 レントオールで物品返却
19:30 秋保温泉到着。入浴後、バスにて神戸へ。途中SAにて2,3時間おきに休憩
―バス車中泊―
5月29日(日) 09:30 KPC帰着 学生、備品等のおろし
10:00 活動振り返り(C号館会議室 講師:前林清和人文学部教授)
11:00 解散

活動内容

5月27日(金)

  • 活動内容:病院、自宅の庭掃除
  • 活動場所:名取市杉ヶ袋地区(海から約3km地点)
  • 学生14人が活動
  • 津波時、胸の高さぐらいまで浸水し、建物の被害も見受けられた
  • 病院内の泥かきは被災者自身でされていたが、病院周りや庭、家屋内には泥が残っている状況だった。ボランティアの要請は今回が初めてであった
  • 病院周りと庭、二手に分かれて活動した。庭の一部が終了後、庭のグループは破壊され浸水被害を受けた倉庫から、家財を運び出す作業も行なった。その後、病院周りを終えたグループと合流し、庭の泥かきの続きを行なった。
  • 活動中、腕に軽い擦り傷の怪我をした学生がいた。破傷風の問題があり、病院へ連れていき、治療を受けた。また帰着後、ボランティア保険の手続きを行った
  • 活動内容:図書館の整理
  • 活動場所:名取市民図書館
  • 学生6人が活動
  • 津波の被害はなかったものの、地震の被害が多かった(建物被害、書籍の散乱等)
  • これまで複数回ボランティアが入り片づけ支援をしている
  • プレハブ書庫が震災で使用不可能となったため、中にある本をすべて段ボールに入れて運び出す作業を男子学生が担当。雑誌コーナーの復元、全国の電話帳整理、書籍の整理を女子学生が担当した

活動振り返り、足湯講習

  • 活動終了後、ホテルにて活動振り返りと足湯講習を行った

5月22日(日)

  • 活動場所:避難所(石巻市:ビッグバン)
  • 避難所情報(5月23日現在):避難者数495人、男女比53.8%:46.2%、65歳以上25.2%、高校生以下13%
  • 避難者のうち約6割の方が、今後の行き先が決まっていない
  • 仮設住宅へ引っ越すと食費がかかるため、仮設住宅入居をキャンセルして避難所に残る方もいる

活動内容1.(足湯)

活動内容2.(わた菓子、箸巻お好み焼き)

活動内容3.(子どもと遊ぶ)

被災地調査

  • 石巻市の沿岸地区(松並地区、南浜町)を調査した
  • 3月11日夜半に火災が起きた門脇小学校周辺は、水が引くまで2日を費やした
  • 捜索活動中の自衛隊の方から状況をヒアリングすることができた。ここ数日、この近辺の住宅から遺体が見つかっているとのこと。まだへどろの下に遺体が眠っているかもしれないため、慎重に捜索をされていた

5月29日(日)

  • 事後活動振り返りを実施(場所:神戸学院大学KPC C号館会議室)
  • ストレッチ、自律訓練法で体と心をほぐした後、ひとりずつ感想、気づき、感じたことを共有した
  • アンケートの実施(心と体の状態をみるもの)
  • 学生は2日(木)までにレポートを提出する(レポート内容:1.思ったこと・感じたこと、2.得たもの、3.次回ボランティアへ行く人へのアドバイス、4.活動への意見・要望など、5.活動中に現地の方から聞いた内容)

学生の感想、気づき(抜粋)

  • 被災地の視察では、町がまるまる流されたところや自衛隊もまだ捜査中のところであった。その日の朝に遺体がみつかった、前日にも遺体が見つかったときいた。まだ何人も見つかっていない人がいる、自分が訪れたところにもまだ遺体があるかもしれない。津波の怖さを実感した。帰りに地元の人と話した。その人は明るくふるまっていたが、震災の話になって、実は家族7人中自分しか残らなかった、周りの人もみな亡くなったと聞いた。すごく考えさせられた。
  • 名取と石巻は両極端だと思った。名取はボランティアも結構いて、泥かきも90%くらい終わっている。石巻はまだボランティアも少ない。かつてたくさんあって今は減ったらしいが、がれきの山がまだ残っていた。タクシー運転手さんの家もまだ泥かきしないといけないのに、普通に仕事をしているので、家が心配なのではないか。ボランティア格差をなくしていかなければ、と思った。
  • 現地に初めて行った。子どもが暴力的で乱暴な言葉遣いだった。長期で入っている大阪からきているボランティアの人と話した時に聞いたこと。下の子が上の子の真似をして、乱暴になってしまっている。ボランティアは来てもすぐに帰ってしまうからあまり子どもに対してきつい言葉を言えず、つい許してしまう。でもそれで子どもは、これでいいんだと思ってしまう。子どもが避難所を出たとき、成長して大人になり社会に出た時のことを考えると、子どもにとってもこれはよくない。これからボランティアに行くときに、子どもと接するときに気を付けないと、と思った。
  • 地方新聞を見ると、現地の新聞は震災のことはたくさん載っていたが、神戸では震災直後はたくさん載っていたが、2か月たって震災のニュースは少なくなってしまった。被災地の人は全国同じようにまだ報道していると思っている。自分たちが被災地のことを伝えていきたい。
  • 3回目のボランティア。前回たこやきボランティアの時に神戸学院の卒業生が言っていたこと。「私たちが被災地と呼ぶのは誰かのふるさと、私たちががれきと呼んでいるのは誰かの大切な品であったり思い出の品である。」継続的な支援が必要。神戸に帰ってきてからこそやることがある。今回の反省点を次回に生かしていきたい。
  • こっちに帰ってきてから、自分ができることを考えていきたい。先輩の指導で動いていただけだった。今度は自分で指揮をとれるようになりたい。
  • 2日目の午前は子どもと遊んで楽しかった。午後からタクシーで回って、さっきまで笑顔で遊んでいた子どもたちもこんなところから来て避難所で暮らしていることを実感した。自分よりも厳しい環境に生きていることに強さを感じた。
  • 足湯で60歳の人と話して、その男性の地区は防災意識が高く、津波が来るとすぐに避難したが、高台が遠いがために、避難の途中で流されてしまった。その人は足が悪く自宅の2階にいて助かった。逃げても助からないこともあるんだと思った。
  • 被災地の人と話した。ビックバンは雪が積もらない地域だが、その日はたまたま雪が降っていた。車に残って低体温症で亡くなった人がいた、と聞いた。おばちゃんから、友達は全員亡くなった、と聞いて複雑な気持ちになった。
  • 2、3、4年次生と学年がバラバラで最初はぎこちなかったが、名前を呼び合って協力し合えた。ほかの学年の様子を見て感じることが多かった。それを次に生かしていきたい。改善点も具体的に見えた。情報をシェアしてまとめることができるか、これから行く友達に伝えたい。家に帰って、ユニット生以外の人にも広く伝えていきたいし、みんなにも伝えていってほしい。