神戸学院大学

被災地支援活動

3月28日~31日 東北地方太平洋沖地震学生ボランティア 報告

3月28日(月)~31日(木)に兵庫県が実施した「ひょうごボランタリープラザ災害ボランティア」に神戸学院大学東日本大震災支援対策本部として、ボランティア活動支援室川口謙造、そして本学学生3名が参加しました。 以下のとおり報告します。

目的

兵庫県の現地調査(3/18-20、3/23-25)で支援要請のあった宮城県被災地でボランティア支援活動を実施した。今回は兵庫県が関西圏から活動志願者を公募した。神戸学院大学へ学生派遣の要請があり、それに応える形で本学学生3人、引率者(職員)1人を派遣した。

スケジュール

28日(月) 15:00
神戸をバスで出発(車中泊)
29日(火) 宮城県松島町ヨットハーバーにて泥出し
(松島町副町長の指示のもとに活動)
秋保温泉(宴会場)にて入浴および宿泊
30日(水) 宮城県東松島市床上浸水家屋の家具廃棄、泥出し
(東松島市災害ボランティアセンターの指示のもと活動)
17:00
被災地をバスで出発
31日(木) 09:00
神戸到着、解散

訪問先

  • 松島町ヨットハーバー
  • 東松島市床上浸水家屋

主な活動

  • 松島町ヨットハーバーにて泥出し
  • 東松島市床上浸水家屋の家具廃棄、泥出し

活動の様子

29日(火) 松島町ヨットハーバーにて泥出し

観光スポットであるヨットハーバーは足を踏み込むことが困難な程度に、津波が運んだ泥が堆積していた。海岸沿いの排水路は泥で全面的に泥にふさがれ、機能を失っていた。 設置されていたヨット数隻が横倒しの状態であった。

64人のボランティアが担当場所を分けて、泥の土嚢積めを行った。成果として土嚢1500袋分を廃棄することができた。

30日(水) 東松島市床上浸水家屋の家具廃棄、泥出し

外海にある東松島市は言葉を失うほどの甚大な被害を受けている。目視できる範囲の被害状況だが、防波堤から陸地1キロメートル(田園地帯)は水に浸かり、陸地ではなく海と勘違いする程であった。また流された家屋の一部(中には二階部分だけ)や自動車、家具などが散在あるいは積み重なっている風景はこの世の風景とは思えなかった。瓦礫が集中している場所は無数の木材(家屋の残骸)が折り重なり、とても人が踏み入ることはできない。現地で自衛隊車両を数十台見かけることができた。

また、一本の道を挟んで住居地帯があり、正確な数値を確認していないが数百、数千の住宅が床上浸水の被害を受け、被災者が家屋の片づけを開始していた。

東松島市災害ボランティアセンター(社会福祉協議会内に設置)は被災者から依頼を受け、ボランティアをコーディネーションしていた。今回のボランティアも、4~5人のグループに分かれて、午前・午後に各1世帯、家屋の片づけ、泥出しの手伝いを行った。

活動中(29日夜)の学生とのミーティング

本学学生と一般応募で参加していた他大学学生(関西学院大学生、東京の大学生)と引率者8人で初日の活動の振り返りを行った。以下、その記録である。

  • 今回2回目の参加で、避難所の方と再会できた。ようやく水が復旧したようだが、災害から長い期間をライフラインの止まった中で生活されてきた苦労を痛感する。子どもたちが自分のことを覚えてくれていて、継続して活動することの重要性を感じている。
  • テレビで見ていた被害だが、実際に現地に来て想像以上だった。防災社会貢献ユニットで小学生に出前授業としての防災教育をしているが、次回からは伝え方が変わる。どのように今回の体験を語るのか考えていきたい。
  • ヨットハーバーの泥出しはあまりにも広範囲にわたるために「1日で終わるのか」と感じたが、64名が協働して最後には地面が見えた。帰ってから他の学生に一緒に活動をしようと伝えていきたい。
  • 今後の学生の役割として、子どもの遊び相手、メンタルケアなどがあると思う。単発の活動の限界を感じる。今回、公募でさまざまな年代、立場の方が参加しているが、それぞれの力を生かした活動へのコーディネーションができると効果的と思う。
  • 私も2回目だが、1回目に避難所の方からほしいと言われた物(汗ふきシート、鏡、櫛、爪のケア、ボディクリーム、生理用品等)を持ってきて渡した。猫を飼っている被災者からペットフードがほしいと聞いている。
  • ここは地域のつながりが強いので、被災者同士の助け合いがあると感じた。
  • ひとりの意識が変わったら、それがつながり大きな力となるはず。頑張っていきたい。
  • 初めは学生の自分になにができるのか不安だったが、ヨットハーバーの排水路の泥をかきだし、ひとつのことをやり遂げたことで涙が出そうになった。
  • 家屋の片づけについて、家具が倒れ、泥が家中に堆積している状態である。足元が悪く、持ってもすべってしまう。引っ越し業者のノウハウや道具があれば効果的だと思う。 また、家具は被災者にはとても大切なものなので大切に扱うべき。あくまでも被災者の 気持ちを理解して、支援するべきである。

その他、今回の活動で気づいたこと(引率者)

  • 家屋の片づけ、泥かきのためには、軍手は役立たない。肘まである作業用の厚手のビニール手袋が必要。
  • 活動中に、他の被災者から「こちらにもボランティアにきてほしい」と相談があった。その方がボランティアセンターに問い合わせたところ5日待ちとのことだった。人手が足りていない。
  • 1日目の活動よりも、2日目の活動は手ごたえを感じた。それは被災者とのコミュニケーションがあったからである。
  • 今回は、泥出し、家屋の片づけであった。体力に自身のある学生を中心に派遣した方が効果的だろう。また安全面からも、活動内容の点検は必要だと感じた。
  • 今回は兵庫県の要請に応えるものであった。災害直後(ライフライン等がまだ十分に 復旧していない時期)の緊急支援の時期に、被災地で活動できたことは重要な経験となったと思われる。また学生も、それぞれに感じ、学んでいる。
  • 今後は、現地の状況やニーズを正しく捉えた上で、大学生の力が生かせる内容を吟味してはどうか。避難所での生活はしばらく継続すると思われるが、子どもたちとの交流やメンタル面のケアなどがその一例と思われる。