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データサイエンスが必要とされる社会的状況_PC用
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人と人との関係を強め、
連携を新たなステージへ

シンシナティ小児病院で研究する元薬学部入江慶講師

室井:近年では、大学院に進み、仕事をしながら研究をしようという若い薬剤師が増えました。貴学の先生方が研究の指導をしてくださったことが、その意識づけになっています。さまざまな専門薬剤師制度などでレベルアップしようという薬剤師は多かったものの、博士号を取得することにも挑戦するようになったのは、貴学との連携の効果であり、すごくありがたいことです。

杉岡:研究者を育てるのは大学の使命でもありますし、非常にやりがいのあることです。加えて、修士号や博士号などの学位を取得することは、本人の名誉である以外にも波及効果が大きいです。そういう先生が増えてくれたら薬剤師の地位向上にもつながりますし、現場での臨床研究をより進めやすい環境になっていくと思います。

室井:世界的にもトップクラスの小児病院として知られているアメリカのシンシナティ小児病院に留学され、現在も同院で臨床薬理学部門の職員として活躍されている元薬学部入江慶講師の功績も非常に大きいです。同院との関係を深めてもらっているおかげで、当院薬剤部からも2人、副部長と主査がシンシナティ小児病院へ留学できました。現場の薬剤師が世界最新の薬物動態について学べることは、とてもありがたいことです。

杉岡:もともとは橋田先生のつながりからですが、本学から1年間留学した福島恵造講師も非常に高いスキルを身につけて帰国し、今、中央市民病院の薬剤師の方々の研究サポートをしています。今後、シンシナティ小児病院も含めた貴院と本学の三者で、うまく協力関係を結べるように動いているとも聞いています。子どもの薬物治療は、なかなかデータが取れず非常に難しい。こちらの情報も提供しつつ、世界トップレベルの情報を得て、より先進的な研究を進めていけるのではと思います。

室井:そういうグローバルなところをめざしたいという薬剤師も増えてきています。私たちは環境を整えて学びのサポートに努め、よりいっそう学びたいと思える薬剤師を育てていきたいです。

杉岡:本当にそうですね。私たちの薬学部には、基礎の研究室もあれば臨床に関わる研究室もあります。一連の医療連携のなかで、それぞれの研究室が何らかの役割を持てるようになるのが理想です。そして現場との連携が学生のやりがいにもつながり、リサーチマインドをもつ薬剤師として羽ばたいていってくれることを願っています。

臨床研究の経験から、
神戸学院大学大学院へ進学

神戸市立医療センター中央市民病院 薬剤部
室井 宏仁 さん
研修期間中に取り組んだ臨床研究で、COVID-19治療薬であるレムデシビルの薬物動態の解析を行いました。日々の業務を行いながら、研究に取り組むことは想像以上に大変で、行き詰まってしまう場面も…。しかし多くの先生に支えていただきながら遂行でき、その成果を学会で発表し、意義が認められて賞もいただけました。一連の活動を通じて、新たな発見を追究する面白さや発表することの重要性も実感。神戸学院大学大学院の薬学研究科への進学へと至りました。現在も実務と並行して、学びを深めています。研究活動を活発に行えるのは、病院と大学との連携によるサポート環境があってこそ。ゆくゆくは海外に出て先進的な取り組みを勉強してみたい。そして患者さんの役に立つ研究成果を上げていきたいです。