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データサイエンスが必要とされる社会的状況_PC用
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医療現場とのつながりが生む、
ここにしかない教育活動

中央市民病院の薬剤師の指導のもと行われる、4年次生の事前実習

杉岡:「教育・研究協力に関する協定」の締結以降、本学としては、学生が実務に触れられる機会が増えたのはもちろん、現場で直面する問題を題材にした臨床研究が行えるようになったことが、とても大きな魅力となっています。今までの薬学部は、卒業研究でも基礎的なテーマを取り扱うことが主流でした。

室井:当院の薬剤部としても、貴学の先生方から研究指導を受けられることが大きな魅力です。当院では、2年間の研修中、業務だけではなく臨床研究も手がけてもらうようにしており、そのテーマ探しから一緒に考えていただけています。一人ひとりの成長に合わせて学びを深められるよう、マンツーマンで丁寧にご指導くださっています。

杉岡:臨床現場で出てくる問題を自ら解決する能力が医療人には必要です。そのために薬学部も6年制になりました。全国的にはまだまだ進んでいませんが、協定のおかげで、私たちは先駆けて実践できているという自負があります。

室井:教育効果の高い研究環境が提供できています。病院において研究を行う場合、一般的には何か解決したいテーマが出てきた際に、大学の先生方に個別でお願いする形です。しかし私たちは、貴学の先生方と連携して定期的に交流をもつ関係性がつくれていることで、研究のための研究だけでなく、教育のプロセスとしてもうまく機能させられています。

杉岡:貴院の薬剤師の先生方のスキル向上に貢献できることは、回り回って私たちの業績にもつながっていきます。医療現場で役に立つ業績は、やはり実際の患者さんのデータをもとにしないと上げにくいのですが、薬学研究者が医療に関わるデータを得るのはハードルが高いのです。しかし連携のおかげで、医師も含めた貴院の先生方にご協力いただけます。とても良いサイクルになっています。薬学部5年次生の実務実習に対する4年次生における事前実習で、中央市民病院の薬剤師の先生方にご指導いただけているのも本当にありがたいです。

室井:チーム医療のなか薬剤師が他の医療技術者とどう連携を取ればいいのか。実践を通じて薬剤師の魅力ややりがいなどを感じとってもらえればという思いで接しています。

杉岡:伝えていただきたいのは、まさにそこなのです。2022年度からは、5年次生を対象に「大学―医療連携特別講義」を行っていますが、学生の関心度も非常に高いものがあります。

室井:それはうれしいですね。本講義には、日常的にチーム医療のメンバーとして連携している医師と薬剤師に登壇してもらっています。学生さんにとってロールモデルとなれるように若手を意識して選んでいます。それぞれの悩みもありながら最前線で業務に携わっている部分も伝わればいいかなと考えています。

杉岡:開講期間が、学生たちの学外実習期間とも重なるので、中央市民病院と実習先との違いについても感じ取ってもらいたいですね。あと講義後半にあるディスカッションも、とても有意義だと感じています。学生たちが自由に質問することができるので、薬剤師として実務にあたることへの意識づけや、卒業後の近い将来像を具体化することにつながっています。

室井:チーム医療において、薬剤師が医師や患者さんにどうアプローチしているか。医師が薬剤師の処方提案などを聞いて、どう治療に反映するか。そういった実際の現場のことや、薬剤師本来の役割なども、ぜひこの機会に知ってほしいです。

杉岡:薬剤師を志望する学生の多くは、医師から処方箋をもらって患者さんに服薬指導をするといった基本的な業務しか知りません。どのように医療に関わり貢献できるのかという、薬剤師本来の役割を実感してもらえれば、やりがいが格段に増すと思います。

中央市民病院の医師と薬剤師による
「大学―医療連携特別講義」

医療連携特別講義の様子
8月にスタートした「大学―医療連携特別講義」は、11月までの4回集中講義。毎回、各診療科の第一線で活躍する医師と薬剤師を講師に招きます。第1回は「栄養管理」をテーマに、院内すべての栄養管理を担当するNST(栄養サポートチーム)の取り組みを中心に報告。受講した学生からは、「NSTの具体的な仕事内容や薬剤師の関わり方を知ることができた」「各専門職が足並みをそろえることで、患者さん第一の栄養療法が行えるのだと感じた」「栄養療法について医師と薬剤師、両方からの話を聞くことができ、その重要性を痛感した」「これから行く病院実習で、NSTや栄養管理についても注目したいと思った」といった感想がありました。専門職連携の大切さやNST薬剤師の役割など、さまざまなことが学べたようです。
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