難病治療に明るい光。産学連携で新薬開発に挑戦。
不治の病を前に、「病気は絶対に治す」と不屈の精神で挑戦し続けている研究者がいます。神戸学院大学 総合リハビリテーション学部の、松尾雅文教授。
難病の名前は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)。
DMDは遺伝子異常で起こる進行型の病気で、男児の約3,500人に1人の割合で発症します。幼少時から徐々に筋肉が萎縮して運動障害が起こり、歩くことができなくなり、患者の多くは20~30歳代で死に至ります。今はまだ、治療薬がない難病です。
研究者・小児科医師として、この病に20年以上も向き合ってきた松尾教授。治療法や創薬の研究は、真っ暗闇の中でもがきながらかすかな光を探し当てるような作業で、膨大な時間と労力を要します。それでも研究を続け、病気と戦う多くの子どもたちに向き合い続け、ついにDMDに有効な治療法を発見。協力パートナーである製薬会社とともに、この研究成果を治療薬の種(シーズ)へと開発するための新会社を2013年3月に設立しました。
この産学連携の強力タッグが大きな一歩となり、難病治療への道が開かれつつあるんです!
とはいえ、薬の開発は容易なことではありません。
松尾教授は、「本格的な治療のスタートラインに立ったに過ぎません。この20年の間、多くのDMD患者の方々の命が奪われてきました。そうした悲劇をこれ以上繰り返さないために、私も新会社に対してできる限りの協力を行い、今後も治療薬販売の実現に力を注いでいきたいと思います」と語り、難病治療という大きなミッションに挑戦し続けています。
神戸学院大学では地域貢献を掲げ、大学の知財を社会に還元するため、さまざまな研究施設を運営しています。2013年4月には、新たに「ロコモーションバイオロジー教育研究センター」を有瀬キャンパスに開設。さらなる研究の推進と、医療分野で社会に貢献する人材の育成を目指し、積極的な産学連携を進めています。
この研究施設で育成した人材が、未来を切り拓くかもしれない。
産学連携の取り組みは、神戸学院大学が未来を創るチャレンジでもあるのです。