神戸学院大学

国際交流

兵庫県立伊川谷高等学校にて開催された「国際理解シンポジウム2023」でウクライナ出身の経済学部客員教授と中国出身の大学院留学生がパネリストを務めました

2023/08/03

ナディヤ・ゴラル客員教授(左端)、張馬亜諾さん(中央)がパネリストを務めた「国際理解シンポジウム2023」
ナディヤ・ゴラル客員教授(左端)、張馬亜諾さん(中央)がパネリストを務めた「国際理解シンポジウム2023」
参加者全員で記念撮影
参加者全員で記念撮影
発言するナディヤ・ゴラル客員教授
発言するナディヤ・ゴラル客員教授
発言する張馬亜諾さん
発言する張馬亜諾さん

「国際理解シンポジウム2023」が7月18日、有瀬キャンパスに近い兵庫県立伊川谷高等学校で開催されました。海外4カ国出身のパネリストのうち、本学からはウクライナ出身のナディヤ・ゴラル経済学部客員教授と中国からの留学生で、人間文化学研究科地域文化論専攻の大学院生(修士課程)、張馬亜諾(チョウ・バアロ)さんが参加しました。

テーマは低価格で大量の衣類を販売し、流通させる「ファストファッション」。各パネリストが各国の服の消費状況やファストファッション事情を紹介しました。さらに、各国の衣類に対する考え方や経済事情、環境問題、雇用問題へと議論は発展しました。議論の模様は各教室の伊川谷高校全校生徒に向けてライブ配信されました。また、会場では伊川谷高校生徒会と伊川谷北高等学校生徒会の生徒たちも討議に参加し、各パネリストと質疑応答しました。

ゴラル客員教授は話の冒頭、「ウクライナ人の祖先は昔から豊かな自然の中で暮らしていて、神はとても身近な存在であり、どこにでもいると信じられていた。地神、水神、山神、火神、海神などさまざまな神々が存在していた」と神話口調で語り始めました。

■「ウクライナでは糸も布も大切に利用されてきました」ナディヤ・ゴラル客員教授
古代からウクライナ文化では糸が縁起物とされ、糸も布も非常に大切に扱われていました。刺繡がされた民族衣装のヴィシヴァンカは、縁起を担ぎ、なるべく糸を切らないよう、間違いのないように気をつけて作られており、1枚を作るのに何カ月もかかったといいます。また、ヴィシヴァンカは着用者を守っていると考えられているため、古くなっても捨てずに、モタンカというお守り人形を作り、作る過程でも糸を切っては縁起が悪いのでハサミを利用しないことなどを紹介しました。このことからも、ウクライナの人々は、ものを大切に利用し、ファストファッションはあまり経済状況にも合っていないことが分かりました。

■「衣類のリサイクルに関心高い中国」大学院人間文化学研究科生の張馬亜諾さん
中国では改革開放後、多くの外国企業が中国に進出し、 日本でもなじみの深いZara やユニクロ、H&M などのファストファッションブランドも中国人の日常的なショッピングの選択肢となり、同時に、URBAN RIVIVO、ReFeng(レ・フン)、李宁(リーニン)、美特斯邦威(Meters/bonwe )などの国内のファストファッションブランドも立ち上がったこと、また、これらのブランドは、スタイリッシュなデザイン、多様なスタイルで、相対的に低価格であるため、多くの消費者を魅了しているなど、中国のファストファッション事情を紹介しました。

一方、中国では衣類のリサイクルに関しても関心が高く、バイジン( BAIJIN )などのスマートフォンアプリを利用して衣類をリサイクルする方法があり、使い方は、オンラインで予約をし、スタッフが自宅に訪問して不要な衣類を回収し、現金またはポイントとして返却されるといったシステムであることを説明しました。このような便利なリサイクル方法により、消費者は手軽に衣類の回収に参加することができると中国のリサイクル事情も紹介しました。

■「周りの人に話して人口の3.5%を動かそう」
最後にファシリテーターの塩川雅美・元大阪市立大学特任教授は、シンポジウムに集まった学生たちに「今日のことを周りの人に話してください」と呼びかけました。「800人が2人に話すと1,600人が知ることになり、その1,600人がまた、2人に話すと3,200人が知ることになります。世界中の全ての人が行動しなくとも、今日集まった皆さん一人一人が、できる限り衣服の無駄をなくすなど自身でできることをすると、人口の3.5%が動きます」と、「3.5%ルール」について説明。「このシンポジウムを通して、衣類から世界の経済事情、環境問題、雇用問題を考えてください」と、議論をまとめてもらいました。

 
【その他のパネリスト】
リチャード・ミラー大阪女学院大学教授(カナダ出身)
アチャンポン・チャールズ・アジェベンさん(神戸大学大学院博士課程在籍、ガーナ出身留学生)
地下真咲さん(伊川谷高等学校2年・生徒会長)
重松絆愛さん(伊川谷北高等学校2年・生徒会長)