Topic02
レシピを発信し、社会とつながる経験が、
学生たちの成長にも
南:マラソンレシピに取り組むにあたり、それぞれ大変だったことや苦労されたことなどはありますか。
道行:一番大変だったのは、レシピブックに載せるための写真撮影です。私の考えた料理は豆乳鍋だったので、煮込んでいくと具材が沈んでしまって見た目が良くなくなるんですよね…。そのため、ほうれん草をどう浮き上がらせるかに苦労しました。撮影にあたり料理がきれいに映える白いお鍋を用意していただくなど、いかにおいしそうに見えるかを先生方も一緒に考えていただき、とてもありがたかったです。
光武:私も撮影のときに、おにぎりに混ぜた枝豆とチーズがバランスよく見えるようにするのが難しく、苦労しました。でもそれも含めて楽しかったです。
藤田:私はしいたけの栄養価計算をするときに、味付け用の調味料が残った場合はどう算出するのかなどに苦労しました。いろいろな先生方にアドバイスいただきながら完成させたことが印象深いですね。
南:今は7月頃に8レシピを選出し、8月の1ヶ月間でブラッシュアップして9月のお披露目会で発表しています。本プロジェクトでは、自分がつくったレシピをメディアで紹介するという貴重な機会もありましたが、いかがでしたか。
道行:私はラジオに出演させていただき、ものすごく緊張した記憶があります。だけどパーソナリティーの方も含め、皆さんすごく優しく接してくださったんです。紹介するときも、「ゆっくりでいいよ」とお声がけくださり、思いのほか落ち着いて話せました。
藤田:私もラジオに出演させていただいたんですが、自分のつくったレシピを多くの方に知っていただく初めての体験になりました。パーソナリティーの方が実際にマラソンで走られるということで、レシピを紹介するだけでなく、チーズがランナーにとっていかに適した食材なのかというところまでお話しさせてもらったことも印象に残っています。
光武:私は自分のレシピをもとにつくった料理を、実際にパーソナリティーさんに食べていただけたんですよね。そこで感想を言っていただくなど、料理の魅力を伝えてもらえ、とてもいい経験になりました。
南:「神戸マラソン」の前日に、六甲バターさんのブースでランナーの方々にレシピを配布していただきましたよね。道行さんの年はコロナ禍のためマラソン自体が実施されず残念でしたが。
藤田:自分で完成させたレシピを人に渡す体験はかけがえのないものでした。「つくってみるわ」と言ってくださった方もいて、すごく嬉しかったです。
光武:私もレシピをお配りしたときに、「つくってみるね」「おいしそうだね」と言っていただけて感激しました。ランナーの方々に向けて考えたレシピだったから、直接そう言ってもらえることが大きな喜びになりました。
黒田:神戸のメディアの方も巻き込んで、この活動をラジオや新聞で紹介できていることも、地域の応援につながっています。「顔の見える人に渡した経験がうれしかった」と言っていいただけるのは感動ですね。我々もスーパーなどを介して販売しているので、どなたに食べていただいているかは、なかなかわからないですから。直接お話しをうかがえる機会は大切です。
南:レシピをつくるのはもちろん、その後につながる経験が重ねられたのは素晴らしいことですね。
サンテレビの番組で元陸上競技選手の方に「マラソンレシピ」をレクチャーしたり、「神戸マラソン」の応援レシピを考えたNMB48のメンバーと一緒に取材を受けたりと、メディアに出る機会もあり、言いたいコメントをいかに上手に表現するかの勉強にもなる取り組みでした。少しずつ味や栄養量を変えて、より良くなっていくことの喜びが、将来にもつながっていると思います。