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被災地を訪ねて支援し、防災の学びを地域に伝える 災害班

災害班では、災害の記憶を風化させないための活動や被災地支援、防災・減災に関する取り組みなどを行っています。

今後足元で起こるかもしれない災害に備えては、有瀬キャンパスのある長坂地域の住民の方々と力を合わせ、防災情報誌や地域オリジナルのハザードマップなどを作成。さらに、長坂ジュニアチームの子どもたちとの防災学習会や地域自主防災訓練に参加し、防災に関するクイズやワークショップなども催しています。サマーボランティアでは、子どもたちと防災キャンプを主催。牛乳パックを使った耐震の学習や非常食の体験などを通して、防災スキルを身につけることをめざしています。

また、長期休みには、東日本大震災や熊本地震などの被災地を訪れ、当時の状況や復興の現状などを学ぶスタディツアーも実施。神戸からできる被災地支援はないかという学生の発案から、大学祭やヴィッセル神戸の試合などで「被災地応援物産展」を開催しています。その際、ただ販売するだけではなく、現地の様子や防災の知識を伝えることも大切にしています。

災害発生時には、現地へ赴いての被災地支援ボランティアを積極的に展開。募金や物資の送付、応援物産展や現地活動の報告会など、後方支援も長期にわたって続けています。2024年1月に能登半島地震が発生した際には、すぐさま募金活動を行い、3月には現地での緊急支援ボランティア活動へ。被災家屋や災害ごみ集積場の片づけ、被害状況の視察などを行いました。5月には被災地企業の物産をヴィッセル神戸のホーム戦で販売。6月にも被災地を訪ねるなど、今後も継続的に支援していきます。

学生ボイス

災地で学んだ教訓を、
より多くの人に伝え、
災害時には、栄養面での支援にも
力を尽くしたい。

ボランティア活動支援室 学生スタッフ
災害班リーダー 松本 華歩さん(栄養学部 栄養学科 3年次生)

ボランティア活動支援室 学生スタッフ災害班リーダー 松本 華歩さん

学生のうちに何ができるかと考え、それまで触れたことのなかった分野のボランティア活動で見聞を深めたいと災害班へ。熊本や東北のスタディツアーでは、現地で被災された方にお話を伺ったり、伝承館で資料を拝見したりして、報道だけでは知ることのできない学びをたくさん得ることができました。

3月に訪れた能登半島では、災害の爪痕を目の当たりにして、被害の大きさを痛感。独り暮らしのお年寄りの被災家屋で家具の撤去などを行ったのですが、割れていたお茶碗も持ち主にとっては思い出の品かもしれず、単純作業としてごみ袋に入れてほしくないだろうなと感じて胸が痛みました。

現地で学んだことを持ち帰り、災害の記憶を風化させず、今後に生かす教訓として、地域の人たちにも伝えたいです。大学祭やヴィッセル神戸のホームゲームなどで行う「被災地応援物産展」でも、パネル展示などで復興や防災について発信することを大切にしています。

災害班での活動を通じて、災害時は食欲の減退から栄養不良が生じやすかったり、非常食での栄養補給が難しかったりと、さまざまな問題があることを学びました。もともとは「食に関わる仕事がしたい」と考えて栄養学部に入ったのですが、これまでの経験により「災害が起きたときに、食事や栄養面で支援できる管理栄養士になりたいと」と思うように。現在は、被災地での栄養・食生活支援を行うJDA-DAT(日本栄養士会災害支援チーム)の一員になることをめざしています。

広報班からひとこと
角川 陽哉さん

角川 陽哉さん
(経営学部 経営学科 2年次生)

災害班は地域と共存していく班だと思います。私は今まで複数回、災害班の企画で取材を行ってきました。そのなかでも、防災キャンプや防災訓練などの地域の子どもたちと一緒に防災について考える活動が印象に残っています。今後起こるかもしれない災害について子どもたちと考えることで、地域の未来を支えていくことにつながっていると感じます。私は災害班と聞いて被災地支援が中心だと思っていました。もちろん被災地支援にも力を入れていますが、現地での活動だけにとどまらず、そこで得た経験を地域の防災に生かす活動を行っていると感じます。

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