フロントライン
2005年に有瀬キャンパス、2007年にポートアイランドキャンパスに設けられた「ボランティア活動支援室」。所属する学生スタッフ(学スタ)は、学生と地域社会、そして大学をつなぐ「学生ボランティアコーディネーター」として活動しています。専門的な知識を持ったボランティアコーディネーターの職員と力を合わせ、活動に関心はあるものの参加の仕方がわからないといった学生や、団体を立ち上げて活動したい学生などを全面的にサポート。学生とボランティア活動との架け橋になっています。
医療班、災害班、国際班、子ども班、広報班、環境班からなる学スタの活動は、「参加」、「相談」、「企画」の三本柱です。まずは自分たちが積極的にボランティア活動に「参加」し、その経験をもとに学生たちの「相談」に対応。さらには学生たちが参加しやすいボランティア活動の「企画」を行います。
毎年4月には、新入生ボランティアガイダンスを開催。ボランティア活動の内容や支援室の活用法、学内のボランティア団体の紹介などを行います。支援室には、ボランティアの相談に来た学生の対応をするため、学スタがシフト制でスタンバイ。チラシの掲示や動画配信、SNSへの投稿など、ボランティア情報の発信も積極的に行っています。
夏休みには「サマーボランティア」、春休みには「スプリングボランティア」を実施。班ごとや合同でボランティア活動の場をつくっています。さらには地域の団体などとも相談し、20ほどのボランティア活動のメニューをラインアップ。主にボランティア初心者の学生が参加しやすいプログラムの企画・実施を行っています。
自らの活動体験を語るなど、同じ学生という目線から支援することで、幅広い学生がボランティアに関心を持てるよう尽力。ボランティア活動に参加してみたいけど一歩が踏み出せない学生たちをバックアップしています。
人を大きく成長させてくれる
ボランティア活動。
より多くの学生に
経験してもらえるよう努めたい
ボランティア活動支援室 学生スタッフ
代表 内芝 とあ さん
(現代社会学部 現代社会学科 3年次生)
入学時、大学生になったら今まで経験していないことに挑戦したいという想いから、ボランティアガイダンスへ。そこで当時2年次生だった前代表から説明を聞き、活動内容の素晴らしさはもちろん、そのプレゼン力や人間力に惹かれ、自分もあんな風に成長したいと学スタになりました。
学部や学年の壁を越えた仲間と力を合わせつつ、子どもからお年寄りまで、さまざまな人と関われることも活動の醍醐味です。自分とは異なる考え方を持つ人たちと触れあうことで、新たな発見や気づきがあります。
学スタは6班あるからこそ、多彩なボランティア活動ができる、それぞれの分野からの意見も交わせます。ミーティングの際には、考え方の違いからぶつかることもありますが、そこで悩んだ経験が自分の視野を広げてくれます。話し合いを繰り返し歩み寄ることで、活動内容も磨かれていると感じます。
ボランティア活動は、誰かの役に立てるだけでなく、自身も成長できる素敵なものです。不安や迷いから、経験することなく卒業してしまうのはもったいない。ボランティア活動のハードルを下げ、もっと親しみやすく身近なものにすることを目標に、活動の楽しさや達成感を、一人でも多くの学生に味わってもらえるよう努めます。
学生が主体となって
ボランティア活動を支援し、
切磋琢磨しながら成長していく
好循環
ボランティア活動支援実行委員会
委員長 鷹野 正興 先生(薬学部 教授)
1995年の阪神・淡路大震災の被災校となり、自発的な地域活動が増えていった本学。それらを取りまとめるボランティアセンターとして、ボランティア活動支援室が2005年に設立されました。中期行動計画のなかでも、「ボランティア活動の推進と支援体制の充実」を掲げ、費用の補助はもちろん、ボランティア活動の支援を手厚く継続的に行っています。
本学のボランティア活動の大きな特徴は、その参加はもちろん、支援そのものも学生たちが主体的に行っているところです。われわれ教職員の役目は、被災地支援を引率するなど、学生たちが安心して活動できるように支えること。教育の場として、ボランティア活動はとても有意義なものです。活動を通して学生たちは自主性・創造性・社会性をはぐくみ、地域社会に貢献できる人へと成長を遂げてくれています。