アラスカフォトライブ -極北からのメッセージ- アラスカ写真展 「アラスカ~神秘の原野~」フロントライン

日  時:
5月10日(土) 15:00~16:30 【アラスカフォトライブ】
5月10(土)~5月25日(日) 【写真展】
場  所:
神戸学院大学ポートアイランドキャンパスB号館
講 師:
松本 紀生 氏(写真家)
アラスカフォトライブ

アラスカフォトライブ

松本紀生氏は、動物写真で著名な写真家、故・星野道夫氏の作品に触発され写真の道に入り、アラスカの自然を撮り続けています。今回の「アラスカフォトライブ」では、アラスカ南東部のうっそうとした針葉樹林の広がる森の風景や、そうした森を流れる川を遡上してくるシャケをハンティングするクマの姿、大量に発生したプランクトンを、アラスカフォトライブ仲間と協力し豪快にジャンプしながら海水ごと飲み込むクジラの群など、雄大で手つかずのアラスカの風景が次々とスクリーンに映し出されていきます。深い雪に覆われ見渡す限り真っ白に氷結した海面に手作りのかまくらを作って、その中でたったひとり生活しながらただひたすらオーロラの出現を待つ自身の様子なども動画で紹介されました。一方で、永久凍土が溶け出し、道路が陥没している様子、火災の多発、キクイムシの大発生で死滅した針葉樹林の姿なども映し出され、この自然溢れる大地にも、地球温暖化の影響が着実に進行している様子が紹介されていました。

アラスカ写真展

また、フォトライブに使用された画像のパネルを展示した写真展も同時に開催。地球環境防災フォーラム期間中常設展として行われ、各イベントの来場者の方々などが足を止めて、美しい写真の数々に見入っていました。

現在のアラスカのありのままの姿を見て、
何かを感じ取って欲しい

写真家 松本 紀生氏

写真家 松本 紀生氏

もともとフォトライブは、アメリカのホームパーティーでよく見られる、写真をプロジェクターで1枚1枚見せるスライドショー的なものをヒントに、仲間うちで楽しんでいたにすぎませんでした。あるとき、ある小学校の先生に写真家の星野道夫さんの文章が教科書に掲載されているということで、アラスカのことを理解するためにスライドショーを見せてほしいと頼まれたのが、現在行っているフォトライブの始まりです。今では、主に関西や地元の四国、学校を中心に年間40ヶ所ほどを回り公演させていただいています。フォトライブの中でも触れていますが、年々、地球温暖化は進んでいると感じます。ライブの中で、雪でかまくらを作ってオーロラを待つシーンがあったと思いますが、あの場所はここ数年真冬でも完全に氷結せず危険だということで滞在することができない状態が続いています。以前は、地球温暖化を感じさせる画像は上映していませんでした。しかし、ここ数年のアラスカの現状を目の当たりにすると、やはり盛り込まざるを得ないのです。全国をこうして回っていて感じることですが、日本人は地球温暖化の問題に対してかなり関心が高いと思います。私は、フォトライブの中で極力自分の意見を述べないようにしています。画像を見た方が、それぞれの感性で捉えていただきたいと考えるからです。フォトライブに足を運んでもらって、アラスカのさまざまな姿を見てもらい、みなさんが何かを感じ、そして、行動することが大事だと考えています。

若者がもっと地球環境問題に関心を持ち、
次の世代の未来に責任を果たすことが大事

学際教育機構 防災・社会貢献ユニット
(人文学部 人間行動学科)
4年次生 柴田 真裕 さん

「地球環境防災フォーラム」では、さまざまなイベントが実施されましたが、防災・社会貢献ユニットの学生もフォーラムの企画・運営に携わりました。私はその中で、5月10日に行われた講演会とアラスカフォトライブ、そして写真展を主に担当し、特に写真展では学生たちで写真の選定や展示のレイアウトも考えました。写真展以外でも、講演会やフォトライブで私たちユニットの学生がスタッフとして当日の運営に関わっていたのですが、2年次生や3年次生はこうしたイベント運営に不慣れなため、4年次生として彼らにうまく仕事をしてもらうよう指示することに特に注意を払いました。その際、指示するだけで自分が何もしなければ誰もついてこないと思ったので、率先して動いて手本を示すように心掛けました。地球温暖化問題については、毎日のようにニュースに取り上げられていますが、日本に住んでいるとなかなか実感としてわきません。ですので、今回のフォトライブで語られていたように、アラスカの永久凍土が解けて住むところを奪われている人たちがいるというような事実を知ることはとても大切だと思います。今の日本はアラスカのような直接的な被害はないかもしれませんが、私たちの子どもの世代になったらどうなるか分からないからです。そうした意味でも、これからの時代を担う私たち学生のような若い世代に向けて、今回のフォーラムのようなイベントを継続して開催してく必要性を感じました。私は、防災・社会貢献ユニットの卒業研究のテーマを「若者の地球温暖化に対する一考察」というタイトルにしようと考えていたところでしたので、個人的にも大変勉強になりました。

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