新しいきずなと可能性に出会い、一歩踏み出すことができました
障害者の就労促進と就労場所提供者育成研修コース 受講生
私には、高次脳機能障害という事故や病気によって記憶障害や社会的行動障害を負った家族がいます。常々、家族だけで支えるには限界を感じており、社会全体でフォローしてもらえるような仕組みを作る必要があると考えていました。社会福祉士の資格取得のための勉強をすれば、福祉と医療、そうした分野と関係する行政への働きかけなども学べるのではないかと思いましたが、全く知識のない自分が修得できるかどうか自信が持てず、悶々とした日々を送っていました。そんなとき、このプログラムが開設されることを知ったのです。「これだ!」とひらめき、「障害者の就労促進と就労場所提供者育成研修コース」を受講することにしました。
私はこれまで、高次脳機能障害患者とその家族で結成されている家族会の方に会うことが、唯一外の世界との接点と言ってもよい生活を送っていました。そんな中、同じ様な志を持ったさまざまな受講生の方と知り合い、また、学部生とともに同じ授業を受けたり、ボランティアの学生と知り合うことができ、多くの交流を持つことができました。こうした経験によって、自分自身が再び学生に戻れたような気分になり、とても新鮮な気持ちで授業に臨むことができています。人生に新たな風が吹いている、という感覚でしょうか。
また、社会リハビリテーション学科の藤井博志准教授に助言をいただいて、家族会の活動のための助成金申請を行うなど、先生との出会いによって挑戦できたこともあります。受講しなければ考えもつかなかったことですので、大変感謝しています。プログラムでは、福祉・医療分野における最先端の知識やスキルを学ぶことができます。社会に出てからもう一度学び直すことは、自分の持っている知識を新たな視点で見つめ直すよい機会にもなります。今後の授業の中でも主体的な態度で臨み、せっかく持つことができた“同級生”との関係を大切にし、こうした関係をもっと発展させて広げていきたいと思っています。