「日本の財政と大学改革」のテーマで神田眞人・財務省総括審議官の講演会を開催しました
2019/11/07
「日本の財政と大学改革」をテーマにした学内の講演会が1日、KPC1A号館大会議室で開かれました。
少子高齢化を迎えて大学のありかたが問われるこの時期に、経営戦略推進部経営戦略推進グループが企画。講師に財務省大臣官房総括審議官の神田眞人氏を招きました。
神戸市出身の神田氏は英オクスフォード大学出身で、財務省主計局次長などを歴任。世界の大学教育の動向を把握し、本学の西本誠實理事長から「大学改革のキーマン」だと紹介がありました。
まず、科学技術の発展により、グローバル化、デジタル化を中心に急速に変貌を遂げる人類社会と、少子高齢化、国際競争激化、財政赤字に直面する日本の政策環境について説明があり、特に、厳しい財政の現状を詳細なデータで示しました。続いて、日本の高等教育の質の向上、研究現場の開放、教育・研究の国際化、産学連携、これらの情報公開の必要性が強調されました。また、大学への公的支援予算が拡充されたことについて紹介がありました。同時に、海外の成功している大学のように、民間資金や競争的資金を獲得して、質の向上と財政基盤強化の好循環を目指す必要性を訴えかけました。
会場からは「英語圏でない韓国と中国の『トップ10』論文掲載率が上昇しているのはなぜですか」と質問が出ました。神田氏は「中国では英米に留学する研究者が多く、そこで激しい競争で鍛えられるとともにともに、人的ネットワークを形成し、同時に中国の大学間、さらには研究者個人間の競争も極めて厳しいので、1人あたり論文量も英語論文量も激増した。海外の大学で知り合い、お互いに論文を引用し合うというような面も多少はある。英語で論文を書き、自分を認めてもらう努力も必要だと思う」と、神田氏は答えてくれました。