Episode
DISASTER PREVENTION GIRL
防災女子
防災女子は、「女性視点でやってみたくなる防災を!」というテーマのもとで、自主的に防災啓発活動を行うグループ。社会で求められている「身近な防災」につながる情報を、女子学生ならではの視点を生かして発信している。目に鮮やかなピンクのポロシャツがトレードマークだ。
山室 亜衣さん
現代社会学部 4年次生
※2024年取材時
大学では、人と違った活動がしたい
防災女子との出会いで、キャンパスライフが輝きだす
大学生になったら、人とは違った活動をしてみたい。受験生だった私は、そんな思いで志望校を探していた。手に取った神戸学院大学のパンフレットを読んでいたときに見つけたのが、現代社会学部 社会防災学科。自然災害における防災や減災についての知識、ボランティアといった社会貢献、国際協力にも触れてグローバルな視点も養うことができて、いわゆる社会学とも違うみたい。初めて見る学部名に、私は単純に「面白そうだな」と感じたことを覚えている。このときの好奇心が、やがて志望動機になり、私は社会防災学科へ入学した。
ターニングポイントとなったのは、学科における最初の必修授業が終わったときのこと。女子学生だけが集められ、防災女子の勧誘があったのだ。友人たちが加入していく姿に刺激を受けて、私もチャレンジを決意。他の同級生と比べて加入するタイミングは遅くなってしまったのだが、みんなが優しく受け入れてくれたことが、うれしかった。最初は緊張していたが、親しみやすい雰囲気のおかげで、自分らしく自然に溶け込むことができたと思う。
大学での活動は月に1回、ランチタイムにミーティングを行っている。学年に関わらず、フラットな関係で気兼ねなく話し合う。ただし、大学の外での活動は、いわば“オン”タイム。地域や行政、企業の方々と連携する機会が多いので、オンオフの切り替えは強く意識して取り組んでいる。
数々のイベントを通じて、防災のアイデアを発信。
盛況のときも、振るわないときも、すべてが糧になる
数々の活動の中で特に記憶に残っているのは、大型商業施設内にある生活雑貨ショップのイベントに参画したときのこと。そのショップが開催する初めてのイベントに私たちを呼んでいただけたことが光栄だった。また、防災女子では活動ごとにリーダーを決めるのだが、このイベントのリーダーを私が務めたことも印象深い。ブースではワークショップとして、災害時に家庭で活用できる「ポリ袋調理」を実演した。ショップで売っている食材を使用したアレンジレシピを紹介。たくさんの方が足を止めてくれて、多くの人と話ができたことは、かけがえのない貴重な経験になった。
また、コロナ禍が明けて間もなかった頃に開催した試食イベントも思い出深い。先輩も私も、もちろん後輩も試食イベントは未経験で大変だった。卒業した先輩にも協力してもらい、試食の料理を配布し、なんとか予定配布数を配り終えたときの達成感は忘れられない。イベントによってはブースに全く立ち寄ってもらえず、「少しでも防災の大切さを伝えることに意味があるから」という企業の方や来場者の方の言葉に救われたこともある。さまざまなイベントを経験するたびに、防災女子も私自身も、強くなっていると感じる。
災害の頻発で防災への意識が高まる昨今。
代表として、これから先のことも見据えていく
2025年は阪神・淡路大震災から30年目の年。2024年1月には能登半島地震が発生し、8月には南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表され、防災女子への依頼数は急増。イベント活動依頼の数も年に40回を超える勢いだ。私たちへの期待に感謝する一方で、全ての依頼にお応えできず辛い思いをすることもある。それもまた経験だ。改善策を模索しながら前を向く。
防災女子は、2024年で結成10周年を迎えた。“これまで”を受け継ぎ、“これから”に繋げたいとの想いで一念発起し、歴代メンバーのみなさんにお声がけして記念パーティーを開催。初代の代表をはじめ、数多くの先輩方が集結してくれた。先輩の中には、今も防災女子の想いを胸に、公務員として都市のインフラを支えている方もいる。先輩方から改めて受け継いだ、想いのこもった熱いバトン。活動を通して、後輩たちの胸にしっかりとつないでいくことが私の使命だ。
Profile
山室 亜衣さん
現代社会学部 4年次生 ※2024年取材時
防災女子の代表を務める。自治体や企業、地域の団体などからの依頼に応じてメンバーを調整し、少しでも多くの人に防災意識を広めるため、さまざまな防災啓発活動に取り組んでいる。入学当初は人前で話すのが苦手なタイプだったが、数々の活動に参加し、多く人とのコミュニケーションを経験することで弱点を克服。卒業後は、IT系の企業で営業職に就くことが決まっている。
Profile
山室 亜衣さん
現代社会学部 4年次生
※2024年取材時
防災女子の代表を務める。自治体や企業、地域の団体などからの依頼に応じてメンバーを調整し、少しでも多くの人に防災意識を広めるため、さまざまな防災啓発活動に取り組んでいる。入学当初は人前で話すのが苦手なタイプだったが、数々の活動に参加し、多く人とのコミュニケーションを経験することで弱点を克服。卒業後は、IT系の企業で営業職に就くことが決まっている。