松尾雅文教授のデュシェンヌ型筋ジストロフィー研究の軌跡 松尾雅文教授
- 2013年 神戸学院大学の産学連携『最前線』
- 希少疾患であるデュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療薬開発を担う新会社の設立
- 新会社の概要とあゆみ
- 産学連携における神戸学院大学の役割
- メッセージ/総合リハビリテーション学部 松尾雅文教授
- 松尾雅文教授のデュシェンヌ型筋ジストロフィー研究の軌跡 松尾雅文教授
子どもの生命力の素晴らしさに感銘を受け、小児科医の道を進むこととなった松尾教授。その後、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(以下、DMDと表記)を発症し苦しむ患者と出会い、難病治療というミッションに挑むこととなりました。今回の新会社設立までさまざま困難に立ち向かいながら、「病気は絶対に治す」という信念のもと、研究を続けてこられた松尾教授の道のりを紹介します。
- 1972年3月
-
- 神戸大学医学部卒業
- 神戸大学医学部附属病院小児科に入局
- 1974年4月
- 神戸大学大学院医学系研究科
- プロテインキナーゼC*1の発見者としてノーベル賞候補にもなった西塚泰美教授の研究室で生化学を学ぶ
- 1977年3月
- 神戸大学大学院医学系研究科修了(医学博士)
- 1977年4月
- 米国ヴァージニア大学医学部リサーチフェロー
- 1979年5月
- 兵庫県立こども病院内科医師
- 新生児型シトルリン血症*2の日本で最初の症例を見いだすなど、多くの病態を解明する
- 1982年8月
- 神戸大学医学部附属病院小児科助手
- 1990年
- DMD治療の本格的な研究を開始
- ジストロフィン遺伝子の解析を進めるなかで、エクソンスキッピング誘導治療発見のもととなる特異な遺伝子異常 (「ジストロフィン神戸」と命名)を持つ患者と出会い、のちにエクソンスキッピングによるジストロフィンタンパク質の発現に成功
- 1991年11月
- 神戸大学医学部小児科助教授
- 1992年8月
- 神戸大学医学部附属医学研究国際交流センター教授
- 2003年4月
- 神戸大学大学院医学系研究科成育医学講座小児科学分野教授
- 2006年
- DMD治療における世界初のエクソンスキッピング誘導治療例を発表
- 2011年4月
- 神戸学院大学総合リハビリテーション学部教授
*1タンパク質にリン酸基を付加する(リン酸化)することを触媒する酵素、プロテインキナーゼの一種
*2血液中のアンモニアが増加し悪影響を及ぼす、尿素サイクル代謝異常症の一つ