トップ > 総合インフォメーション > 2011/7/16-/17 東日本大震災の被災地 宮城県気仙沼市でボランティア活動を行いました

総合インフォメーション

  • 2011/08/02  (総合)
    2011/7/16-/17 東日本大震災の被災地 宮城県気仙沼市でボランティア活動を行いました
2011年7月16日~17日、宮城県気仙沼市においてTKK3大学連携で学生たちによるボランティア活動を行いました。東日本大震災後、神戸学院大学、工学院大学、東北福祉大学がそれぞれに被災地支援活動を展開していましたが、日程や活動内容など事前調整の結果、3大学連携による初のボランティア活動が実現したもので、約70名の学生たちが一日も早い震災からの復興を願いながら活動に汗を流しました。
 
宿泊先(気仙沼市 松岩寺)に到着(左)、神戸学院大生と東北福祉大生のミーティング(右)


【7月16日(土)】
前夜に神戸を出発した神戸学院大学のボランティアバスに東北福祉大学から9名の学生が合流、30名ほどで仙台から気仙沼市へと向かいました。気仙沼で工学院大学と合流し、以下2つの活動を実施しました。

活動① 避難所での活動
避難所となっている松岩公民館(29世帯59名)において、仮設住宅への物資運搬手伝い、子どもの遊び相手、炊き出し(山菜うどん、箸巻お好み焼き)を行いました。
テントの建て方からプロパンガスの使用方法まで、避難所の方々にアドバイスをいただきながら活動を行いました。これがコミュニケーションを図るいいきっかけとなりました。
 
約90食の箸巻お好み焼きを調理中(左)出汁の濃さは、避難所の方に味見をしてもらい決めた(右)


活動② 気仙沼子ども遊ばせプロジェクト
「被災地の子どもを支援する神奈川市民の会」と工学院大学、気仙沼ゴルフクラブ、ボーイスカウト神奈川維持財団等が主催する被災地の子どもたちと触れ合うイベント「気仙沼子ども遊ばせプロジェクト」には神戸学院大学と東北福祉大学の社会貢献活動支援士を目指す学生を含む15名が参加し、総勢86名による大規模支援プロジェクトを展開しました。被災地の気仙沼市も暑さの厳しい日が続き、炎天下での活動となりましたが、会場を訪れた子どもたちからは歓声と笑顔が溢れていました。
 
気仙沼ゴルフクラブ「気仙沼子ども遊ばせプロジェクト」 イベントに参加する学生と児童たち


■ 子どもたちに人気の万華鏡やスライム、うちわ作り
「気仙沼子ども遊ばせプロジェクト」の会場となった気仙沼市長磯大窪の気仙沼ゴルフクラブのクラブハウス周辺では、かき氷や万華鏡やスライム、うちわ作りなどの子ども縁日に工学院大学を中心とした学生の指導で子どもたちが万華鏡づくりなどに夢中になっていました。高台にある気仙沼ゴルフクラブには、時折吹く涼しい風が一瞬暑さを忘れさせてくれることもあり、3大学の学生と子どもたちの笑い声が爽やかに響きわたっていました。
また、クラブハウス2階では、川崎市に本拠地を置く人形劇団「ひとみ座」による人形劇「ママ ライオン」が上演され、親子連れや子供たちが人形劇の世界を楽しんでいました。
人形劇団「ひとみ座」では「被災地の子どもたちに人形劇を心から楽しんで貰い、一日も早い心の復興に繋げて欲しい」と被災地支援の思いを話していました。
ボランティア活動に参加した工学院大学の学生は「思っていた以上に子どもたちが元気で自分たちも元気になった感じがした。今後は自分たちで出来る支援活動をしていきたい。」「4月から今回で二度目の活動だった。テレビのイメージだと暗い感じを受けていたが、子どもたちは野球のことなどを元気に話していた。子ども向けのイベントだが、大人も一緒に楽しく万華鏡を作っていたのは印象的だった。」などの感想を話していました。また、神戸学院大学と東北福祉大学の学生たちも3大学連携で活動が出来たことの意義の大きさを感じ取っていました。
 
人気の万華鏡コーナー(左)人形劇団「ひとみ座」の「ママ ライオン」(右)


また、活動終了後には、宿舎にて活動振り返りと足湯マッサージ講習会を実施しました。
 
学生リーダーによる活動振り返り(左)、経験者による足湯マッサージ講習会(右)


【7月17日(日)】
1日目に引き続き、2つの活動を行いました。
活動① 避難所での活動
松岩公民館では、早朝から掃除、朝食片づけ、被災者との話し相手、子どもの遊び相手、足湯マッサージなどを行いました。また活動の合間に、徒歩で被災状況の調査をしました。
 
避難所の松岩公民館で早朝の掃除をする学生たち

 
記録的な暑さであったが、足湯は人気であった


活動② 気仙沼子ども遊ばせプロジェクト
前日に引き続き、児童養護施設旭が丘学園において子どもと遊ぶ活動を行いました。
こども縁日(スイカ割り、くじびき、ヨーヨー釣り、万華鏡・うちわ・スライム作り)、こども食堂(かき氷、ドーナツ、スイカ)、横浜のスポーツ専門学校生によるスポーツイベント、筑波大学生によるぬりえ、人形劇など多彩なメニューを展開し、充実した一日となりました。




活動に参加した3大学の学生たちは「ボランティア活動で被災地に入り、他大学の学生と交流することで刺激になった。今後もこのような機会があれば連携を築きながら活動を続けたい。」と感想を話し、神戸学院大学から参加した学生は「気仙沼の被災した地域を歩いたが、瓦礫が残されていたり、建物が流されて何もなくなっていた。自然災害の怖さを感じたと同時に自分が何を出来るのかということを考えさせられた。神戸に戻り現地を見たことを伝えていきたい。」と被災地の状況を目の当たりにした印象を話していました。

東日本大震災発災から4か月が経過し、被災者の「こころの健康」問題が浮上しています。大地震と大津波という不条理な災禍によってかけがえのない人、家族、友人を亡くした悲しみは、この時期になって喪失感として甦るのかもしれません。加えて、仕事や財産を失い、生活の不安との闘いがあるのが被災地の現状です。気仙沼の子どもたちは元気な様子でしたが、避難所で暮らす人たちには長期間にわたる避難生活の疲れが出ているという印象を受けました。今回のような3大学連携による学生たちの継続的な若い力による支援こそが被災地のニーズかも知れません。学生にとっても気仙沼市の児童たちやボランティア関係者の方々と交流が出来たことはとても有意義だったことでしょう。

今後、今回の経験をきっかけに、被災地の現実に目を向け、いま何が必要とされているのかを考え、状況に応じた積極的な社会貢献活動ができる若者として成長してくれることを期待したいものです。

以上