貴重なスクールサポーター体験フロントライン

新入生歓迎Special 2012年6月 元気、充実!神院大ライフ 実り多い大学生活送るため 新入生にいま伝えたい 自ら考え、行動する楽しさ
貴重なスクールサポーター体験 「教育の現場に身を置くことで 教員を目指すことの本当の意味を知った」 島津邦博さん 法学部・法律学科 4年次生 学生スクールサポーターとして小学校で活動

神戸市は2003年度から、教員志望の大学生、大学院生をボランティアとして市内の小中学校に配置する「学生スクールサポーター」を推進しています。神戸市教育委員会と大学が協定を結び、希望する学生を派遣する制度で、各学校に配置された学生は授業時間に学習の手助けをしたり、休み時間や放課後に一緒に外で運動したり遊んだりすることで、児童・生徒たちとのかかわりを深めるとともに、教育の厳しさや喜びを体験し、教職を目指す者としての自覚を高めることを目的にしています。

私は高校卒業後、社会人経験を経て本学に入学しました。もっときちんと勉強をしたいという思いで大学に入り、教職課程を履修することにしました。神戸市の学生スクールサポーターについて聞いたのは、1年次の「教職入門」の講義です。学校教育の現場にアプローチできるこの制度を知り、ぜひ参加したいと思いました。ただし、応募資格が2年次生以上と定められており、また、平日の活動なので、すぐには参加できませんでした。取得単位にも余裕が出てきた3年次生になって、参加を決めました。

私がスクールサポーターとして配置されたのは、本学に近い小学校でした。私は、学校側と調整し、行く日を変更することはありましたが、週1回、月曜日に行っていました。授業の補助は、教室に先生が二人いると考えてもらうと、分かりやすいと思います。もちろん授業をするのは小学校の先生ですが、その教室にサポーターである私たちもいて、児童の理解を助けます。具体的には、先生の授業についていくのが難しい子がいると、その横に付いて教えてあげます。教室内を移動しながら、児童の理解の度合いに目を配ります。一定のスピードを持って授業を進めなければいけない先生が、十分にケアするのが難しい部分を、私たちがサポートします。休み時間は児童たちと遊び、給食も一緒に食べます。

この活動を通じ、私は教員を目指すことの本当の意味を知った気がします。配置されたのが小学校ということもあるでしょうが、児童たちがすごく慕ってくれ、自分が求められているという充実感を得ました。その一方で、学級崩壊しているようなクラスも目にし、現実の厳しさも感じました。先生方は、情熱を持って、真摯に児童に向き合っておられる方が本当に多いと感じました。さまざまな個性を持つ子どもたちを指導していかれるのを目の当たりにして、すごいなと感じ、自分にやれるだろうかと思いました。先生と私たち学生との間には、大きな差があります。実際に教育の現場に身を置くことで、目標に対するリアリティーを感じ、同時にモチベーションも高まったと思います。

学校教育の現場を実感するということでは、教育実習という機会があります。教育実習を経験し、自分は教師に向いていない、無理だと考える人と、やっぱり教師になりたいとさらに意を強くする人がいるといわれますが、教育実習が行われるのは4年次生になってからです。ちょうど就職活動の時期と重なり、仮に自分は教師には向いていないと考えて方向転換をしようとした場合、その期間がハンデになってしまいます。早くから、自分の適性を確認できるという意味でも、この学生スクールサポーター制度は、教員を志望する学生にとって、得がたいチャンスだと思います。

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