科目一覧へ戻る | 2024/07/25 現在 |
開講科目名 /Class |
教育制度論/Theories of Educational System |
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授業コード /Class Code |
B508331001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
HASc201 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
人文学部/Humanities and Sciences |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
金4(前期)/FRI4(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
大西 慎也/OONISHI SHINYA |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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大西 慎也/OONISHI SHINYA | 人文学科/Humanities |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義) |
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授業の目的 /Class Purpose |
この授業は、DP「1、複数の分野の基礎知識を教養として身につけている。」と関係する。さらに教職志望者はDP「9、学部教育と融合した教職教育をとおして、学校教育の目的や目標、地域社会の課題を理解し、さまざまな要求や問題解決に取り組み、生徒の知識や技能、主体的・協働的に学習に取り組む態度の育成を図る教員として活躍できる。」ことを目指す。 「なぜ日本では公教育制度が成立し、学校が存在するのか」という問いに対する解答を、自分なりに明確にもつことを15回の講義を貫く柱の問いとする。この問いを解決するために、戦前の学校教育制度、日本国憲法・教育基本法を踏まえた戦後の学校教育制度改革、学習指導要領の編成について理解する。さらに、現在の義務教育制度、教育行政制度、学校教育制度について課題と共に理解する。理解した講義内容を踏まえ、調査活動を行い、講義を貫く問いについての自分なりの解答をもつことができるようになることが本講義の目的である。 担当者は、兵庫県公立小学校教諭として18年の実務経験がある。実務経験のある教員として教育制度について、教育現場のレベルから解説するものとする。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
○戦前の学校教育制度、日本国憲法・教育基本法の内容・理念、戦後の学校教育制度改革、学習指導要領の変遷、現在の学校教育制度を理解し、課題について考えることができる。 〇グループでの調査活動を行い、調査結果についてまとめ発表できる。 〇「なぜ日本では公教育制度が成立し、学校が存在するのか」という問いに対する解答を、自分なりに明確にもつことができる。 |
授業のキーワード /Keywords |
教育制度、日本国憲法、教育基本法、学習指導要領、小学校、中学校、高等学校、大学、教育行政、教育思想 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
受講生とのやり取りを取り入れた講義を中心に、自分なりの考えをもつために、グループでの話し合いを毎回の講義で行う。また、調査活動を講義外の時間で行うことを求める。受講生が主体的に参加できる講義を目指す。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
本講義は、教員の一方的な伝達的講義形式の進め方は行わない。受講生一人一人と対話しながら、それぞれの考えをリフレクティブな学びにすることを目指し講義を行う。そのため受講生には主体的な講義への参加を求める。毎回の講義後のリフレクションには、質問や疑問点、教員への反論などを記述することを求める。次回講義時にそれに対しフィードバックを行い、学びを深めていきたい。共に講義を作っていく意識で履修することを求める。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
14回目の講義のためにグループでの調査活動、発表準備のための学習を必要となる。自主的に集まり、学習を進めること。また、毎回の講義前に講義資料を配信する。1週あたり1時間程度の予習に取り組み、分からない用語など自主的に調べておくことを求める。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
毎回、講義終了時にリフレクションテーマを提示する。講義後、リフレクションした内容を提出すること。また、14回目の講義での発表資料の事前の提出すること。最終講義後に「なぜ、公共教育としての学校が存在するのか」についてのレポートを提出すること。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
○最終講義後のレポート30% (15回の講義内容を踏まえ、根拠をもって自分の考えを論じているかを基準とする。) ○14回目講義の発表資料及び発表内容25% (グループでの調査内容、発表準備、発表内容を基準とする。特に教員を目指すものとして協働できているかについては大きな割合を占める) 〇毎回の講義後のリフレクションカード3%×15回=45% (3点…講義内容を踏まえ、自分の考えを述べている。2点…講義内容についてのみ述べている。1点…感想を述べているに過ぎない。) |
テキスト /Required Texts |
なし |
参考図書 /Reference Books |
○高妻紳二郎編著(2023)『新・教育制度論』ミネルヴァ書房 ○広岡義之・津田徹著(2019)『はじめて学ぶ教育の制度と歴史』ミネルヴァ書房 その他、必要に応じて講義時に紹介する。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | オリエンテーション・学校とは | 講義の目標、内容、進め方、評価について説明する。その上で、15回の講義を貫く問いとして「なぜ、公教育としての学校が存在するのか」を提示する。個人の考えをもったうえで、グループで議論し、初回講義の段階での「なぜ、公教育としての学校が存在し、義務教育というものがあるのか」について自分なりの考えをもつ。またグループで調査を行い、その結果を14回講義で発表することを指示する。 | |
2 | 第2回 | 近代以前の教育 | 近代学校教育制度成立以前の教育について考える。教育が公教育として制度化される以前の教育の実態を理解することにより、公教育としての学校教育と対比して考える。 | |
3 | 第3回 | 近代学校教育の成立 | 明治5年の学制以降、明治、大正、昭和戦前期までの日本の教育制度とその背景にある思想や時代背景について考える。教育勅語など教育制度に関わる内容についての講義を行う。 | |
4 | 第4回 | 大正自由教育の意義 | 現代の教育制度にも影響を与えている大正自由教育の内容とその意義について考える。さらに、戦前に、大正自由教育のような教育改革が成立した背景について考える。 | |
5 | 第5回 | 戦後学校教育の改革(1) | 米国教育使節団報告書を契機としての戦後教育改革について考える。その後の日本国憲法や教育基本法の成立とその理念を踏まえた新制学校教育制度について考える。 | |
6 | 第6回 | 戦後学校教育の改革(2) | 戦後教育制度改革期における学校教育について考える。コア・カリキュラムをはじめとした、現場からの教育改革の実態とその意義、思想、それらを支える時代背景を踏まえ学校の在り方について考える。 | |
7 | 第7回 | 学習指導要領の変遷とその背景 | 戦後学校教育の内容を規定してきた学習指導要領の内容の変遷をその時代背景に基づいて分析する。その上で、学習指導要領、学校教育の在り方について考えていく。 | |
8 | 第8回 | 義務教育制度の原理-義務制・無償性・中立性- | 日本公教育の義務教育制度について理解する。その意義として義務制、無償性、中立性について理解する。なぜ「義務教育が制度化されているのか」について考える。 | |
9 | 第9回 | 教育行政制度 | 内閣・文部科学省、教育委員会制度・地方公共団体首長・議会がそれぞれにもっている役割について理解する。近年の教育行政制度改革について考える。 | |
10 | 第10回 | 現在の学校教育制度 | 小学校・中学校・高等学校の組織について理解する。学校組織の構造、校務分掌組織といった内部の教育制度やコミュニティスクールをはじめとした地域との役割を踏まえた教育制度について考える。 | |
11 | 第11回 | 日本の高等教育制度 | 大学をはじめとした日本の高等教育の実態について理解する。世界各国の高等教育に対する考え方と比較し、日本の良さと課題を明らかにし、改善策について考える。 | |
12 | 第12回 | 現在の学校教育制度での教員の位置づけと実態 | ブラックと呼ばれる実態の背景にある、学校教育制度の問題点を明らかにするとともに、教育公務員として公教育を支える教員の位置付けについて理解する。 | |
13 | 第13回 | 現代学校教育の課題と今後の学校教育の在り方 | 第7回講義から第12回講義の内容を踏まえ、それぞれに日本の学校教育の成果と課題を明らかにする。その課題を克服するために、これからの学校教育がどうあるべきか考える。 | |
14 | 第14回 | 調査結果に基づく対話 | 「なぜ公教育としての学校が存在するのか」という問いに対する考えを、講義内容を踏まえて、初回講義で指示した調査の結果に基づき、グループごとに対話する。 | |
15 | 第15回 | まとめ | 講義の内容や様々な研究者による先行研究の情報に基づき「なぜ公教育としての学校が存在するのか」という問いに対する自分の考えを整理する。 |