科目一覧へ戻る | 2024/07/24 現在 |
開講科目名 /Class |
製剤学Ⅰ[19~]/Physical Pharmaceutics Ⅰ |
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授業コード /Class Code |
B410482003 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
PHMd055 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
薬学部/Pharmaceutical Sciences |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
月2(前期)/MON2(SPR.) |
単位数 /Credits |
1.5 |
主担当教員 /Main Instructor |
武田 真莉子/TAKEDA MARIKO |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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武田 真莉子/TAKEDA MARIKO | 薬学部/Pharmaceutical Sciences |
授業の方法 /Class Format |
対面による講義 |
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授業の目的 /Class Purpose |
この授業の担当者は薬学部所属であり、この科目は、選択必修科目であり3年次に配当している。 この科目は、学部のDPに示す8項目のうち、2、3を目指す。 ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針) 医薬品は原薬(有効成分の本体、主薬とも称する)そのままで用いられることは稀であり、通常、その作用を最も効果的に発揮させ、投与が確実になされる形態とするために顆粒剤 錠剤あるいは注射剤などの剤形に仕立てる目的で製剤化が施される。本科目では、こうした製剤の設計、製剤化過程において遭遇する諸問題、製剤の物性の解析に必要な知識と技術を各種剤形と関連付けて学ぶ。医薬品の剤形は、日本薬局方製剤総則に記載されている75種が基本である。これらのうち、製剤学Ⅰでは主に液状製剤および分散系製剤について、製剤設計に必要な基本的知識、各剤形の定義、特徴、材料、製法、製造工程、包装容器、貯法、関連する局方規定の製剤試験法を総合的に学ぶ。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
以下の各SBOsを到達目標とする。 E5-(1)-①-2 結晶(安定形および準安定形)や非晶質、無水物や水和物の性質について説明できる。 E5-(1)-①-3 固形材料の溶解現象(溶解度、溶解平衡など)や溶解した物質の拡散と溶解速度について説明できる。 E5-(1)-①-4 固形材料の溶解に影響を及ぼす因子(pH や温度など)について説明できる。 E5-(1)-①-5 固形材料の溶解度や溶解速度を高める代表的な製剤的手法を列挙し、説明できる。 E5-(1)-②-2高分子の構造と高分子溶液の性質(粘度など)について説明できる。 E5-(1)-③-1界面の性質(界面張力、分配平衡、吸着など)や代表的な界面活性剤の種類と性質について説明できる。 E5-(1)-③-2代表的な分散系(分子集合体、コロイド、乳剤、懸濁剤など)を列挙し、その性質について説明できる。 E5-(1)-③-3分散した粒子の安定性と分離現象(沈降など)について説明できる。 E5-(1)-③-4分散安定性を高める代表的な製剤的手法を列挙し、説明できる。 E5-(1)-④-1 製剤分野で汎用される高分子の構造を理解し、その物性について説明できる。 E5-(1)-④-3 薬物の安定性を高める代表的な製剤的手法を列挙し、説明できる。 E5-(2)-①-1 製剤化の概要と意義について説明できる。 E5-(2)-①-2 経口投与する製剤の種類とその特性について説明できる。 E5-(2)-①-3 粘膜に適用する製剤(点眼剤、吸入剤など)の種類とその特性について説明できる。 E5-(2)-①-4 注射により投与する製剤の種類とその特性について説明できる。 E5-(2)-①-5 皮膚に適用する製剤の種類とその特性について説明できる。 E5-(2)-①-6 その他の製剤(生薬関連製剤、透析に用いる製剤など)の種類と特性について説明できる。 E5-(2)-②-1 代表的な医薬品添加物の種類・用途・性質について説明できる。 E5-(2)-②-2 製剤化の単位操作、汎用される製剤機械および代表的な製剤の具体的な製造工程について説明できる。 E5-(2)-②-3 汎用される容器、包装の種類や特徴について説明できる。 E5-(2)-②-4 製剤に関連する試験法を列挙し、説明できる。 E5-(2)-③-1 製剤の特性(適用部位、製剤からの薬物の放出性など)を理解した上で、生物学的同等性について説明できる。 |
授業のキーワード /Keywords |
(製剤を作る意義) 剤形、製剤、プレフォーミュレーション研究、製剤化研究、工業化研究、原薬、薬物速度論、バイオアベイラビリティ (液状製剤に必要な知識) 濃度表記、非晶質、結晶多形、粒子径、水和物・無水物、極性・半極性・無極性、コソルベンシー、pH、分子量、会合体、共通イオン効果、塩析・塩溶、界面活性剤、金属錯体、有機分子複合体、包接化合物、溶解速度、Noyes-Whitney-Nernst式、シンク条件、Hixson-Crowell式、みかけの溶解速度定数、等張化法、電解質溶液の束一性、ミリ当量、オスモル濃度、注射剤の配合 (液状製剤を作る) 製薬用水、経口液剤、シロップ剤、生薬関連製剤、小容量注射剤、輸液剤、注射剤の形態、溶剤、補助剤・添加剤、製造工程、注射剤用容器、最終滅菌法、無菌操作法、超ろ過法、パイロジェン、不溶性異物、注射剤用ガラス容器試験法、プラスチック製医薬品容器試験法、輸液用ゴム栓試験法、鉱油試験法、エンドトキシン試験法、発熱性物質試験法、無菌試験法、注射剤の不溶性異物検査法、注射剤の不溶性微粒子試験法、注射剤の採取容量試験法、点眼剤、点眼剤の不溶性異物検査法、点眼剤の不溶性微粒子試験法、点眼剤の吸収性・使用性 (分散系製剤に必要な知識) 懸濁液、自由沈降、凝集沈降、乳濁液、乳濁液の型、乳化剤、バンクロフトの経験則、Ostwaldの相容積理論、転相、クリーミング、多相エマルション、界面活性剤、高分子、微粉体、分子・会合・分散コロイド、保護コロイド、ブラウン運動、チンダル現象、ゼータ電位、DLVO理論、ホフマイスター順列 (分散系製剤を作る) ホモジナイザー、コロイドミル、エアゾール、ネブライザー、ポンプ、液化ガス 圧縮ガス |
授業の進め方 /Method of Instruction |
授業計画に従って講義を中心に進めます。講義はパワーポイントスライドおよび配布プリントを用いて進めます。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
本科目は物理化学Ⅱ 同Ⅲ 同Ⅳで修得した知識の実際的な応用に関わる内容です。 また「日本薬局方Ⅰ」の内容からより深く踏み込んだ知識の修得を目的としています。したがって、受講前にこれらの科目で学んだ内容を習熟しておくことが必須です。 配布プリントに、授業で使うスライド、教科書の捕捉説明ならびに理解を深めるための各種問題を掲載していますので、活用しながら受講して下さい。尚、オフィスアワーは随時ですが、事前に電子メール(mmtakeda@pharm.kobegakuin.ac.jp)でアポイントメントを取ってください。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
毎授業終了後に、ポストテストを実施します。実施方法は、授業中およびLMSで説明をしますので見落としのないようにして下さい。また、理解を深め、知識を確実に身につけるために、テキストおよび配布プリントを充分に復習して下さい(目安として1時間)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
必要な場合は、授業の際に連絡します。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
<成績評価方法> 毎授業で実施するポストテスト(20%)および全講義終了後に実施する定期試験(80%)の成績に基づいて評価します。 <定期試験について> 範囲:第1回〜12回までの講義内容全て 形式:選択式問題、記述問題、計算問題 記述問題の採点基準は、重要なキーワードを用いて的確に説明できる場合を100%、キーワードが漏れていたり、誤った表現がある場合を50%、キーワードが正しく列挙できておらず、明らかに説明が出来ていない場合を0%とします。 |
テキスト /Required Texts |
講義スライドのプリント冊子をテキストとして配布します。 また、適宜、問題演習等のプリントを配布します。 |
参考図書 /Reference Books |
基礎から学ぶ製剤化のサイエンス 第4版 山本恵司、森部久仁一監修(エルゼビア・ジャパン株式会社) |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 製剤を作る意義 | 投与から作用発現までの薬物と製剤の生体内運命とそれを支配する物理化学的要因をふまえ、医薬品に応じた製剤設計や投与経路と剤形の選択の考え方、製剤開発の流れについて、その概要を学ぶ。 E5-(2)-①-1 E5-(2)-②-2 E5-(2)-③-1 |
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2 | 第2回 | 液状製剤に必要な知識(1) | 液状製剤は一般に薬物・製剤添加物・溶剤から構成される溶液であり、その性質の理解が製剤設計の基本となる。ここでは溶液組成を表す濃度の表記法、実際の溶液製剤を作る上で重要となる溶剤としての溶媒の一般的性質、薬物の化学構造や溶質の一般的性質、共存物質が薬物の溶解性に及ぼす影響について学ぶ。 E5-(1)-①-2 E5-(1)-①-3 E5-(1)-①-4 E5-(1)-①-5 E5-(2)-②-1 |
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3 | 第3回 | 液状製剤に必要な知識(2) | (1)に引き続き実際の溶液製剤を作る上で重要となる溶剤としての溶媒の一般的性質、薬物の化学構造や溶質の一般的性質、共存物質が薬物の溶解性に及ぼす影響について学ぶ。 さらに注射剤の配合変化を例にして溶解度が関係する薬剤学的問題事例とその解決法についても学ぶ。 E5-(1)-①-2 E5-(1)-①-3 E5-(1)-①-4 E5-(1)-①-5 E5-(1)-④-3 E5-(2)-①-4 E5-(2)-②-1 |
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4 | 第4回 | 液状製剤に必要な知識(3) | 薬物や製剤添加物の溶剤への溶解性は、溶液系製剤の設計・調製の可否を決める非常に重要な性質である。溶解性には、物質の溶解性を量的に表現する溶解度と物質が溶媒へ溶け込んでいく速さを表す溶解速度の2つの意味合いが含まれている。ここでは、代表的な物質の溶解速度モデルと溶解速度式、溶解速度に影響を与える因子について学ぶ。また、注射剤や点眼剤の調製に際して重要となる溶液の束一的性質に基づく等張化の方法を学ぶ。 E5-(1)-①-3 E5-(1)-①-4 E5-(1)-①-5 E5-(2)-①-3 E5-(2)-①-4 E5-(2)-②-1 |
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5 | 第5回 | 液状製剤を作る(1) | 代表的な液状製剤に用いられる製剤添加物、および製剤の製法、製造工程、容器、貯法、関連する日本薬局方一般試験法について学ぶ。 E5-(1)-④-1 E5-(1)-④-3 E5-(2)-①-2 E5-(2)-①-3 E5-(2)-①-4 E5-(2)-①-5 E5-(2)-①-6 E5-(2)-②-1 E5-(2)-②-2 E5-(2)-②-3 E5-(2)-②-4 |
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6 | 第6回 | 液状製剤を作る(2) | 液状の主な無菌製剤として注射剤を取り上げ、その一般的特徴、種類、適用部位(投与法と投与経路)、注射用製剤の形態と成分(主薬、溶剤、添加物)について学ぶ。 E5-(2)-①-4 E5-(2)-②-1 E5-(2)-②-2 E5-(2)-②-3 E5-(2)-②-4 |
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7 | 第7回 | 液状製剤を作る(3) | (2)に引き続き、注射剤の製法、製造工程、容器・包装、貯法、関連する日本薬局方一般試験法について学ぶ。 さらに注射剤の品質確保における主な留意点(無菌化、パイロジェン排除、不溶性異物管理)についても学ぶ※。(※はアドバンスト科目) E5-(1)-④-3 E5-(2)-①-4 E5-(2)-②-1 E5-(2)-②-2 E5-(2)-②-3 E5-(2)-②-4 |
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8 | 第8回 | 液状製剤を作る(4) | 液状の主な無菌製剤として点眼剤を取り上げ、その一般的特徴、製剤の形態、成分(主薬、溶剤、添加物)、製法、製造工程、容器・包装、貯法、関連する日本薬局方一般試験法について学ぶ。さらに点眼剤の適用上の留意点(吸収性、使用性など)についても学ぶ※。(※はアドバンスト科目) E5-(1)-④-3 E5-(2)-①-3 E5-(2)-②-1 E5-(2)-②-2 E5-(2)-②-3 E5-(2)-②-4 |
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9 | 第9回 | 分散系製剤に必要な知識(1) | 分散系は、連続相(分散媒)の中に微粒子(分散相)が散在する系のことであり、乳剤、懸濁剤、エアゾール剤など医薬品の剤形にも多くみられる。こうした分散系のうち、ここでは分散相の粒子の大きさが1μm以上の分散系である粗大分散系として乳濁液および懸濁液を取り上げ、その基本的性質について学ぶ。 E5-(1)-③-1 E5-(1)-③-2 E5-(1)-③-3 E5-(1)-③-4 E5-(1)-④-1 |
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10 | 第10回 | 分散系製剤に必要な知識(2) | 分散系製剤の物性に大きな影響を与える界面の基本的性質(界面張力、ぬれ、付着、吸着)および、分散系製剤の製造に欠かせない重要な製剤添加物である界面活性剤の基本的性質について学ぶ。さらに、分散系の安定化に用いられる添加物(高分子、微粉体など)の性質についても学ぶ※。(※はアドバンスト科目) E5-(1)-②-2 E5-(1)-③-1 E5-(1)-③-2 E5-(1)-③-3 E5-(1)-③-4 E5-(1)-④-1 E5-(2)-②-1 |
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11 | 第11回 | 分散系製剤に必要な知識(3) | 分散相の粒子の大きさが数nm 〜1μm 程度の分散系であるコロイド分散系について、その光学的性質、熱的性質、電気的性質、分散安定性に影響する因子を学ぶ。 E5-(1)-②-2 E5-(1)-③-1 E5-(1)-③-2 E5-(1)-③-3 E5-(1)-③-4 E5-(1)-④-1 |
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12 | 第12回 | 分散系製剤を作る | 代表的な分散系製剤(乳剤、懸濁剤、外用剤、エアゾール剤やスプレー剤などの気中分散式の剤形)に用いられる製剤添加物、および製剤の製法、製造工程、容器、貯法について学ぶ。 E5-(1)-③-2 E5-(1)-③-3 E5-(1)-③-4 E5-(1)-④-1 E5-(2)-①-2 E5-(2)-①-3 E5-(2)-①-4 E5-(2)-①-5 E5-(2)-①-6 E5-(2)-②-1 E5-(2)-②-2 E5-(2)-②-3 |