科目一覧へ戻る | 2024/09/06 現在 |
開講科目名 /Class |
日本の法と政策/Japanese Law and Policy |
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授業コード /Class Code |
BB01441001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
GCJh007/GCJk004 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
グローバル・コミュニケーション学部/Global Communication |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
木3(後期)/THU3(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
宮本 健吾/MIYAMOTO KENGO |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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宮本 健吾/MIYAMOTO KENGO | グローバル・コミュニケーション学部/Global Communication |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義)、対面授業(実習) |
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授業の目的 /Class Purpose |
本講座では、外国人に関係する法律について、当該法律の趣旨や立法過程に関する日本政府の政策的観点も加味して講義します。本講座を受講いただくことによって、来日してきた留学生の方が、就職、婚姻、出産、帰化、相続の各人生における転換期で困らないようにするための知識・経験・情報収集の方法を学ぶことができます。 また留学生だけでなく、外国人に関かわる業務や支援に携わっている方、そして、今後携わる可能性がある方に知っておいて頂きたい講義内容にもなっています。 本授業担当者は、国際業務専門の行政書士事務所を開業して19年目の実務経験がある教員です。実務的な観点から入管行政及び日本国の外国人に対する政策を説明します。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
就職・起業の場面においては、学生自身の意思で就職(起業)後の在留資格変更や、その後の永住までの注意点を知り、さらに日本国政府への自身の情報のデータに関する収集をできるようになることによって、在留資格変更許可申請・永住申請まで、スムーズにすることができるようになります。 また、婚姻、出生、相続等の渉外戸籍の分野においては、国と国の法律と政策を理解し、婚姻や相続の手続きをスムーズに進めることができるようになります。 さらに、帰化(日本国籍取得手続)においては日本国政府の裁量が大きいところではありますが、自分の意思で日本国籍を取得することができるようになります。 その他、日々の外国人に関するニュースを法律や政策的観点から理解することができるようになります。 |
授業のキーワード /Keywords |
就職,不法就労,人手不足,起業,入管,国際結婚,国際離婚,偽装結婚,国際相続,出産,永住,帰化,日本人,外国人,同性婚,自然災害 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
基本的に講義中心ですが、日本国政府への情報開示請求等実際に申請してもらうなどして、情報収集方法を実践的にできるようにするために実習などを取り入れた講義にしていきます。 また、外国人の方の各ライフステージを入管業務、渉外戸籍(婚姻、死亡)、帰化(日本国籍取得手続き)と大きく3つに分けて、講義を展開し、学生自身にも各ステージを意識してもらいながら講義を受講して頂きます。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
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授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
日々の外国人に関する法律の制定などを確認するために可能であれば、月曜日から金曜日まで毎日、日本国政府の出すパブリックコメントの確認と官報のチェックをしてください。(確認時間5分~10分程度)。 また、外国人政策として国がどのように動いているのかを確認するために日々のニュースをチェックしておいてください。例えば、特定技能2号や、特別高度人材制度、技能実習の廃止と育成技能等について。(確認時間20分程度) 以上の学修を含め、予習、復習ともに1時間程度行ってください。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
レポートに関しては、授業中に説明します。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
授業中の取り組み60%(出席、授業中の発言、小テスト等)、レポート40%。 |
テキスト /Required Texts |
講師オリジナルテキスト(講義の第1回目で印刷したものをお渡しします。)。また、随時テーマに応じた資料も用意します。 |
参考図書 /Reference Books |
授業初回に第1回から第15回目までに対応するテキストを配布しますが、さらに勉強されたい方は、詳説 入管法と外国人労務管理・監査の実務-入管・労働法令、内部審査基準、実務運用、裁判例-〔第3版〕を講義後に講義で学んだ該当頁を読むことをお勧めします。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | ガイダンス |
これから学ぶ入管法及びその周辺知識を俯瞰して見ることによって、その後の講義を受講しやすくします。 具体的には、外国人の方が入国してから、大学に通学し、就職(起業)したのち、結婚をして、家族を持ち、その後永住、帰化して日本国籍を取得し、相続が発生するまでの外国人の方の一生の流れを具体例を用いながらできるだけ皆さんの頭の中でイメージしやすいように説明していきます。 |
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2 | 第2回 | 入管法~出入国編 |
日本に入国する際の条件等を説明します。本講義では、そもそも日本に上陸するための条件や、国籍、パスポート、査証等を説明し、さらに偽装結婚等を例に挙げて活動の非虚偽性等の概念を映画を通して、学んでいきます。 | |
3 | 第3回 | 入管法~在留資格編 |
日本の最高法規である憲法と在留資格との関係に言及した上で、日本において活動するための在留資格の説明を行います。 現在、在留資格の個数は明らかになっていないものを除いて、29個あります。外国人の方が取得できる在留資格は1つだけであるため、どの在留資格が相ふさわしいかを的確に判断できるようになるために、日本に存在する在留資格全てを在留資格毎の関連性も含めて説明させてもらいます。 |
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4 | 第4回 | 入管法~在留する際の基礎知識編 |
在留中に知っておきたい日本から出入国する際の再入国許可、上陸拒否、中長期在留者の定義、アルバイトをする際の資格外活動許可、在留資格変更や在留期間更新の際の手続き、特例期間、退去強制、在留資格取消、在留資格不正取得罪、年金・税金等、日本において在留する上での基礎的な知識を学んでもらいます。細々した知識ですが、知っておくことによって、後の永住申請、帰化申請、そして、人災・自然災害の際に日本において在留する際の一助となる講義となっています。 | |
5 | 第5回 | 就労系の在留資格① |
留学生の方が就職活動をする場合、日本人と同じ就職活動に加えて、就職先において働くための在留資格を取得できるか否かという点も踏まえた上での就職活動が重要です。この観点を持たずして就職活動した結果、就職はできたが、就労系への在留資格の変更ができず実際に働くことができないという場合が起きます。 そこで、第3回目の講義において説明した留学生の方が卒業後に関係してくる就労系の在留資格のうち、特に関係のある技術・人文知識・国際業務を取得すための在留資格該当性等をより詳しくして説明し、留学生含め外国人の方が希望する仕事を見つけて日本において在留できるように講義します。 |
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6 | 第6回 | 就労系の在留資格② |
第5回目の講義で解説した技術・人文知識・国際業務等の就労系の在留資格の上位資格である高度専門職1号、2号や、特定活動46号、そして、アルバイトからの正社員登用の中で使用される場合がある特定技能の話をします。 高度専門職を目指すことによって日本での永住申請が卒業後最短1年でできるようになったり、また、特定技能という在留資格については、技術・人文知識・国際業務に比して留学生の中では人気はありませんが、永住申請や家族の帯同が可能な2号への道がほぼすべての特定技能分野で開かれましたので、その点も踏まえて説明していきます。 |
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7 | 第7回 | 就労系の在留資格 (事例検討) |
今まで学んできた入管法の基礎から就労系の在留資格取得までの考え方を基に、解決方法、考え方を入管の視点、申請者の視点、会社の視点から検討していきます。 当該事例を一緒に検討しながら、今までの知識を整理し、実際の外国人の方の就職活動において活用できるようにしていきます。 併せて、就労系の在留資格変更時の申請書の書き方や、申請書に記載されている項目の意味なども説明すると共によくある勘違いも併せて説明します。 |
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8 | 第8回 | 情報開示請求(ワーク) |
外国人の方が入国されてから現在までの出入国記録や在留資格変更、在留期間更新、住所の変遷等の履歴の調査方法を説明し、実際に出入国在留管理庁への情報開示請求まで行います。(封筒2枚とご自身の住民票、そして、収入印紙300円を郵便局でご用意ください。) 当該情報開示請求の過程の中で日本国政府への情報開示請求、請求時の添付書類などの取り方などを学び、自分自身で日本国政府が有する情報の取得方帆を学びます。 その後、第1回目~第7回目までに学んだことを確認するための小テストを行います。 |
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9 | 第9回 | 経営者の在留資格① |
留学生の方の中には、就職活動をして日本企業に勤め、数年後に起業されたり、あるいは卒業後起業される方がいらっしゃいますが、外国人留学生からの起業に関する情報は少なく、インターネットなどの真偽含めて不正確な情報に頼っている方も少なくありません。 そこで、外国人留学生の方が大学を卒業後、もしくは会社に就職後、自分自身の会社設立から実際の経営をするための在留資格への在留資格変更までの一連の流れを説明します。 その他、起業するにあたって行政が行っている政策を紹介していきます。 |
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10 | 第10回 | 経営者の在留資格② |
ネット上では、経営・管理の在留資格は500万円以上の投資をすれば必ず取得できるという噂がありますが、実際には、それだけでなく、当該計画が実現可能か、実現可能だとして、数年にわたって、会社を維持することが可能か等、検討すべき事項があります。 そこで、本講義では、外国人留学生の方が、留学の在留資格から大学を卒業し、起業したと想定して、経営・管理への在留資格変更時の申請書の注意点や、入管が求めている事業計画書の書き方などを講義します。 |
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11 | 第11回 | 渉外戸籍&在留資格 (結婚編) |
日本に長く住むにつれて、人によっては結婚したり、出産したり、日本人の養子になったりする場合があります。 結婚するにしても同国人と行うか、日本人と行うか、あるいは同性と行うかによって在留資格が取れるか否か、取れるとしてどのような条件が必要かが変わってきます。 そこで、本講義では、ご結婚された夫若しくは妻、あるいはパートナーを来日させ、長期的に日本において同居したい場合の結婚から家族として日本に在留するまでの流れを説明します。 |
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12 | 第12回 | 永住申請 |
在留資格における一応のゴール地点である永住許可申請の話をします。 永住申請においては日本に入国・上陸後、原則10年間かかりますので、就職後の給与収入や学校生活含めた日々の法令順守が必要となってきます。 そのため、可能であれば在学中から意識しておくことによって予定通りに永住申請ができるように講義します。 |
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13 | 第13回 | 帰化申請 |
日本人になるための手続きである帰化申請の話をします。 日本は二重国籍を認めていませんので、日本人になるということはご自身で有する外国国籍を喪失させ、国籍を1つにする必要があります。同じく出生時から二重国籍の者も国籍を将来的には1つにする必要があります。 また、永住と同様に日々の収入や法令順守なども重要となってきますので、第12回目に実施した永住権との差異も含めて説明させてもらいます。 |
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14 | 第14回 | 渉外戸籍 (国際相続編) |
出生時(帰化含む)外国国者であった者が死亡した場合の相続(亡くなった方の財産を後世に引き継がせる手続き)の説明を行います。相続手続きは国毎に異なる規定になっており、しばしば手続きの煩雑さから相続手続きを怠っていると、さらに相続財産を受け取るべき相続人が亡くなってしまい(数次相続)、解決するのが難しくなる場合があります。そこで本講義では、皆さんにとっては遠い将来の話かもしれませんが、そのようなことが起きないようにするために、亡くなった方の相続を考える上での法律の確定方法や、相続財産を分けるための割合、相続財産をもらえる人たちの特定方法を日本、中国、韓国、台湾の国々との比較を通して、説明させてもらいます。 |
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15 | 第15回 | 最新トピック「災害と入管行政・政策」 |
地震大国日本においてはいつ地震も含めた自然災害が起きるか予想できないところがあります。また、数年前全世界的に起きた新型コロナウィルス禍も含めた世界的な災害や国(地域)同士の戦争・紛争もいつ何時おきるか予想できないところがあります。 そこで、本講義では災害・戦争・紛争などが与えた入管行政について、上記までに学んだことを踏まえた上でどのような問題が発生し、どのように日本国政府としては対応したかを説明します。 本講義から、日常からかけ離れた異常事態に対して、自らの知識・経験でもって対応・予想する力を身につけてもらいます。 |