科目一覧へ戻る | 2024/07/29 現在 |
開講科目名 /Class |
ジェンダー論Ⅱ/Facilitator Training |
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授業コード /Class Code |
BA02001001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
CSSg006 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
現代社会学部/Contemporary Social Studies |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
火2(前期)/TUE2(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
近藤 凛太朗/KONDO RINTARO |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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近藤 凛太朗/KONDO RINTARO | 現代社会学部/Contemporary Social Studies |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義) |
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授業の目的 /Class Purpose |
本科目は、ジェンダー(社会的・文化的・歴史的につくられた性別観・性別役割やそれと結びついた権力関係を表す)という概念をツールとして、これまで「常識」とされてきた性差別的な価値観や社会構造を批判的に問い直すことを目的としています。 かつて苛烈なバッシングの対象とされたジェンダー概念は、「持続可能な開発目標(SDGs)」の台頭以降、一転して急速に裾野を広げるようになりました。しかしその反面、SNSを中心として、不正確な理解にもとづいてこの概念が濫用され、差別的な言論に転用されてしまうケースも目立つようになっています。本科目では、性差別的社会の変革を目指すフェミニズムの歴史のなかにジェンダー概念を位置づけることで、改めてこの概念の意義を確認するとともに、ジェンダー平等社会の実現に向けて一人一人が考え行動する力を身につけることを目標とします。 なお、本科目は現代社会学部のDP3に対応する科目であり、価値観・意見・立場の異なるさまざまな人びとと議論し、学びを深め、協働して社会に貢献する力を身につけることを目指します。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
(1)フェミニズムの歴史をふまえながら、ジェンダー概念の意味について、自分なりの根拠をもって説明できるようになる。(知識) (2)日常生活に潜む身近な性差別を見抜くとともに、性差別を支える社会構造について自分の言葉で批判的に考察できるようになる。(技能) (3)差別や暴力を受けてきた人びとの声に耳を傾けながら、社会を変革する方法をつねに考え、現実の行動に移すことができるようになる。(態度・習慣) |
授業のキーワード /Keywords |
フェミニズム、性差別、セクシュアリティ |
授業の進め方 /Method of Instruction |
(1)講義を中心としますが、一部の回では映像視聴やグループワークを取り入れます。 (2)毎回の授業の冒頭で、前回の授業で出たコメントや疑問へのフィードバックを行います。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
この社会が多様な人びとから構成されているのと同様に、本科目にも多様な経験やニーズや意見をもった人が参加することになります。本科目の教室空間を誰もが尊重される場にすること自体が、社会全体のジェンダー平等を実現していくプロセスの一部であることを忘れないようにしましょう。担当教員もそのために全力を尽くしますが、受講生の皆さんも、そうしたプロセスを担う一員としての自覚をもって参加していただくことを期待します。 ※ 本科目は、全体を通じて性や暴力に関する事象を数多く取り上げます。気分や体調に合わせて無理なく参加するようにしてください。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
【事前学修(目安30分)】日頃からテレビ・新聞・インターネット等のニュース報道に関心をもち、気になったことを周囲の人とシェアするようにしてください。 【事後学修(目安60分)】授業で学習した内容や疑問点について、受講生同士または受講生以外の人と議論して学びを深めてください。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
授業後は、毎回コメントシートを提出していただきます。コメントシートに記載された疑問点には、次回授業の冒頭でフィードバックを行います。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
授業後のコメントシート(20%) 期末レポート(80%) ※ 受講人数が少なすぎる/多すぎる場合は、評価方法を一部変更することがあります(初回授業にて正式にアナウンスをします)。 |
テキスト /Required Texts |
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参考図書 /Reference Books |
講義中に適宜紹介します。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | ガイダンス |
本科目の到達目標や授業の進め方、評価の方法を説明します。 |
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2 | 第2回 | フェミニズムの歩み |
性差別的社会の変革を目指すフェミニズムの思想と運動を歴史的に概観するとともに、そこから発展した「ジェンダー(gender)」概念の意義を考えます。 |
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3 | 第3回 | SOGIにもとづく差別 |
「性的指向(Sexual Orientation」と「性自認(Gender Identity)」の概念を確認したうえで、異性愛・シスジェンダー中心主義が生み出す差別について考えます。 |
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4 | 第4回 | 教育とジェンダー形成 |
ジェンダーやセクシュアリティをめぐる固定的価値観や性別役割分業を再生産する学校教育の機能について考えます。 |
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5 | 第5回 | 家族と労働 |
フェミニズムにおける「家事労働」の概念とそれに関連する論争を概観したうえで、「労働」概念をより広くとらえた政策や運動の必要性を考えます。 |
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6 | 第6回 | SRHRと性教育 |
「性と生殖に関する健康と権利(Sexual & Reproductive Health & Rights)」の国際基準を確認したうえで、特に学校の性教育に注目して日本の現状を考えます。 |
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7 | 第7回 | DVと性暴力 |
DVと性暴力の定義、関連する日本の法制度や被害者支援の現状を確認したうえで、暴力とジェンダー/セクシュアリティの結びつきを考えます。 |
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8 | 第8回 | 災害支援とジェンダー |
阪神・淡路大震災や東日本大震災をはじめとする日本の事例から、災害現場でのジェンダー/セクシュアリティにもとづく差別や暴力の問題を考えます。 |
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9 | 第9回 | 情報収集・意見発信の方法 |
文献の探し方、情報サイトや各種調査データの紹介を通じて、ジェンダー論に関するアカデミックな文章の書き方や意見発信の方法を学びます。 |
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10 | 第10回 | レイシズムとジェンダー(1) |
レイシズム(人種主義)とジェンダーの交差を問題化する思想と運動について、主にアメリカ合州国の反人種主義フェミニズムの歩みを参照しながら考えます。 |
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11 | 第11回 | レイシズムとジェンダー(2) |
レイシズム(人種主義)とジェンダーの交差を問題化する思想と運動について、主に在日朝鮮人女性がおかれた状況や運動の歴史を参照しながら考えます。 |
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12 | 第12回 | 日本軍「慰安婦」問題(1) |
1990年代を起点とする日本軍「慰安婦」被害者の名乗り出と支援運動、その後の日本社会の反応を概観することで、すべての性暴力被害者が尊重される社会のあり方を考えます。 |
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13 | 第13回 | 日本軍「慰安婦」問題(2) |
日本軍「慰安婦」問題に関する映像資料の視聴を通じて、性暴力の被害者一人一人に固有の人生や想いを具体的に学ぶことの重要性を考えます。 |
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14 | 第14回 | 天皇制と戸籍 |
近代日本の成立から現代に連なる性差別およびアジア侵略の根源的な原理となってきた天皇制と戸籍制度の問題を考えます。 |
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15 | 第15回 | 全体のまとめ |
これまでの講義内容を振り返ったうえで、ジェンダー平等社会の実現に向けて一人一人の市民に何ができるかを考えます。 |