科目一覧へ戻る | 2024/07/29 現在 |
開講科目名 /Class |
ネットワーク論/Studies of Social Network |
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授業コード /Class Code |
B001031001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
CSSc003/CSSd003/CSSg012 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
現代社会学部/Contemporary Social Studies |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
木3(前期)/THU3(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
李 文/LI BUN |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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李 文/LI BUN | 現代社会学部/Contemporary Social Studies |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義、演習) |
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授業の目的 /Class Purpose |
皆さんは今までの人生経験の中で、人間関係に喜んだり悩んだりすることがきっとあるだろう。また、家族に支えられたり、友人に助けてもらったりしていることも少なくはないと考えられる。このように、我々は周り(時には物理的な距離を超えて)の人間とお互いにコミュニケーションをしながら影響し合う関係は、社会学において「ネットワーク」という。 本科目の目的は、現代社会学科のディプロマ・ポリシー(卒業認定に関する基本⽅針)に示す「現代社会における⼈びとの暮らし、仕事と産業、および⽂化の形成に係る諸事象を多⾯的、総合的に理解」するうえで有効な知識と考え方を⾝につけることにある。詳しくいうと、社会における様々な「ネットワーク」に焦点をあてることによって、ネットワークのあり方・機能を考察し、ネットワークを研究対象とする調査方法や分析方法を学ぶこと。 本科目ではテキストに基き、今まで社会学分野における代表的ネットワーク研究を通じてネットワーク論の理論を理解し、ネットワークの視点から家族、集団、友人関係などの社会構造の役割について一緒に考える。さらに、受講生が自分自身や身のまわりの事例にもとづいて、文献で提示された理論で説明できる部分と説明できない部分を検討しながら、ネットワーク論の知識や考え方を実践的に活用できるようになることをめざす。 講義でテキストの内容について解説するとともに、グループでの共同作業やディスカッションを通じて学生同士で意見や考え方を共有しながら、テキストの内容の理解を深める。また、リアクションペーパーや課題レポートを通じて、教科書の内容と自分の身のまわりの事例の共通点・相違点を文章で説明する練習をおこなう。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
・ネットワークの基本的な理論概念、研究方法について書かれた学術的な文献を、批判的に読み解くことができる。 ・ネットワークの基本的な理論概念、研究方法を用いて、「現代社会における⼈びとの暮らし、仕事と産業、および⽂化の形成」に関する身近な例を、教科書の事例とは別に、2つ以上説明できる。 ・ネットワークの基本的な理論概念、研究方法を用いて、自分自身や身のまわりのネットワークに関する諸現象を批判的に検討することができる。 |
授業のキーワード /Keywords |
紐帯、社会的ネットワーク、ソーシャルサポート、道具的サポート、情緒的サポート、社会関係資本 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
1)基本的に講義中心で進めるが、グループワークやディスカッションンを通じて受講生同士で意見や考え方を共有し、内容の理解を深める機会を設ける。 (2)毎回、課題レポートやリアクションペーパーを課す。授業でとりあげた文献で提示されている概念や理論、分析結果と同様の理屈で説明できる事例や、そのように考える理由・根拠など、授業内容に関連した課題を作成する。 (3)受講生が提出した課題レポートやリアクションペーパーは、翌回の授業の中で抜粋して紹介する。そうすることで、受講生が提示した事例を受講生同士で共有し、内容の理解を深める手がかりとする。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
(1)社会学概論I・IIで扱われている内容を理解していることが望ましい。 (2)毎回授業後に、課題レポートまたはリアクションペーパーを課す。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
(1) 事前学習 授業計画の各回で指示された文献(テキスト)の章を読むこと。知らない学術用語の意味を調べて理解しておくこと。(約1時間) (2) 事後学習 レポートで各回で学んだ概念や理論、分析結果を活用し、身近な事例をネットワークの考え方の枠組みを使って論理的に説明すること。たとえば、自分自身や家族や友⼈、知り合いにあてはめたり、新聞やテレビ、インターネットの記事で見聞きした社会問題と比較したりして、レポートを作成し、応⽤しながら内容を理解すること。((約1時間) |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
講義中で説明します。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
(1) 授業中の自発的な発言、グループワーク、ディスカッションへの貢献:20% (2) 各回の課題レポート、リアクションペーパー:40% (3) 期末レポート:40% |
テキスト /Required Texts |
野沢 慎司【編】 『リーディングネットワーク論』 勁草書店 2006年 3500円(税抜) |
参考図書 /Reference Books |
授業で適宜、紹介します。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | イントロダクション |
ネットワークの概念を用いて、ネットワーク論の視点から社会ニュースの事例について分析する。ネットワークに関する社会学の研究分野について紹介し、その特色や社会的背景を概説する。 |
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2 | 第2回 | 社会集団、紐帯、階級に置かれたネットワーク (1) |
第1章「ノルウェーの一島内教区における階級と委員会」:第1章の内容に基づいて、社会集団、階級に置かれているネットワークを考察する。 |
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3 | 第3回 | 社会集団、紐帯、階級に置かれたネットワーク (2) |
第1章「ノルウェーの一島内教区における階級と委員会」の続き」:第1章の内容をまとめる。前回の授業のリアクションペーパーや課題レポートをいくつか紹介し、教科書の内容を補足する。また、学生同士のグループワークや話し合いをつうじて、身近な社会現象と教科書の内容を比較しながら、ネットワーク論の知識を使ってその現象を論理的に説明できるようになる。 |
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4 | 第4回 | 交際圏、分業体制におけるネットワーク(1) |
第2章「都市の家族――夫婦役割と社会的ネットワーク」:第2章の内容を紹介し、交際圏、分業体制および夫婦役割分業について説明し、中に置かれているネットワークについて考察する。 |
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5 | 第5回 | 交際圏、分業体制におけるネットワーク(2) |
第2章「都市の家族――夫婦役割と社会的ネットワーク」の続き:第2章の内容をまとめる。前回の授業のリアクションペーパーや課題レポートをいくつか紹介し、教科書の内容を補足する。また、学生同士のグループワークや話し合いをつうじて、身近な社会現象と教科書の内容を比較しながら、ネットワーク論の知識を使ってその現象を論理的に説明できるようになる。 |
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6 | 第6回 | 「ちいさな世界」を可能とする知人ネットワーク(1) |
第3章「小さな世界問題」:第3章の内容を紹介し、知人ネットワークによって可能となる「小さな世界問題」について紹介する。 |
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7 | 第7回 | 「ちいさな世界」を可能とする知人ネットワーク(2) |
第3章「小さな世界問題」の続き:第3章の内容をまとめる。前回の授業のリアクションペーパーや課題レポートをいくつか紹介し、教科書の内容を補足する。また、学生同士のグループワークや話し合いをつうじて、身近な社会現象と教科書の内容を比較しながら、ネットワーク論の知識を使ってその現象を論理的に説明できるようになる。 |
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8 | 第8回 | 弱い紐帯の社会的凝集性(1) |
第4章「弱い紐帯の強さ」:第4章の内容を紹介し、弱い紐帯が情報収集や交換などにおける働きについて説明する。 |
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9 | 第9回 | 弱い紐帯の社会的凝集性(2) |
第4章「弱い紐帯の強さ」の続き:第4章の内容をまとめる。前回の授業のリアクションペーパーや課題レポートをいくつか紹介し、教科書の内容を補足する。また、学生同士のグループワークや話し合いをつうじて、身近な社会現象と教科書の内容を比較しながら、ネットワーク論の知識を使ってその現象を論理的に説明できるようになる。 |
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10 | 第10回 | コミュニティと親密なネットワーク(1) |
第5章「コミュニティ問題――」イースト・ヨーク住民の親密なネットワーク:第5章の内容を紹介する。コミュニティにおける親密なネットワークの機能を理解し、コミュニティの喪失論・存続論・解放論に対する討論を行う。」 |
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11 | 第11回 | コミュニティと親密なネットワーク(2) |
第5章「コミュニティ問題――」イースト・ヨーク住民の親密なネットワークの続き:第5章の内容をまとめる。前回の授業のリアクションペーパーや課題レポートをいくつか紹介し、教科書の内容を補足する。また、学生同士のグループワークや話し合いをつうじて、身近な社会現象と教科書の内容を比較しながら、ネットワーク論の知識を使ってその現象を論理的に説明できるようになる。 |
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12 | 第12回 | 人的資本の形成における社会関係資本(1) |
第6章「人的資本の形成における社会関係資本」:第6章の内容を紹介し、社会関係資本の機能を説明する。さらに、社会関係資本が子どもの教育環境に与える影響を批判的に考察する。 |
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13 | 第13回 | 人的資本の形成における社会関係資本(2) |
第6章「人的資本の形成における社会関係資本」の続き:第6章の内容をまとめる。前回の授業のリアクションペーパーや課題レポートをいくつか紹介し、教科書の内容を補足する。また、学生同士のグループワークや話し合いをつうじて、身近な社会現象と教科書の内容を比較しながら、その共通点や相違点について考察する。 |
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14 | 第14回 | 構造的隙間とネットワーク閉鎖性(1) |
第7章「社会関係資本をもたらすのは構造的隙間かネットワーク閉鎖性か」:構造的隙間論とネットワーク閉鎖論の視点から、社会関係資本の役割を検討する。 |
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15 | 第15回 | 構造的隙間とネットワーク閉鎖性(2)および総括 |
第7章「社会関係資本をもたらすのは構造的隙間かネットワーク閉鎖性か」の続き:第7章の内容をまとめる。前回の授業のリアクションペーパーや課題レポートをいくつか紹介し、教科書の内容を補足する。また、学生同士のグループワークや話し合いをつうじて、身近な社会現象と教科書の内容を比較しながら、ネットワーク論の知識を使ってその現象を論理的に説明できるようになる。 最後、各回でとりあげた教科書の内容をふり返り、ネットワーク論の理論や考え方を使って社会現象を読み解く意義や利点、限界を検討する。 |