科目一覧へ戻る | 2024/07/24 現在 |
開講科目名 /Class |
福祉用具ものづくり論/Basis of Manufacturing and Maintenance for Assisting Technology |
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授業コード /Class Code |
B702722001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
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開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
総合リハビリテーション学部/Rehabilitation |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期集中/AUTUMN INTENSIVE |
曜日・時限 /Day, Period |
他(後期)/OTHERS(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
糟谷 佐紀/KASUYA SAKI |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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糟谷 佐紀/KASUYA SAKI | 社会リハビリテーション学科/Social Rehabilitation |
授業の方法 /Class Format |
講義と演習(対面授業) 講義を基本とするが、理解促進のために学内の福祉用具等を使った演習も行う。 |
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授業の目的 /Class Purpose |
人の暮らしはヒトとモノの相互作用で成り立っている。中でも福祉用具は、心身に障害のある人が使用するものであるため、モノの側がヒトにアプローチし、適合させる必要性が高いプロダクトである。そのため、福祉用具の開発や適合支援を行う際には、工学的知識だけでなく、使う人の心身機能・構造や心理・認知機能、感覚機能等の特性を十分に理解しておく必要がある。また同時にその支援に関わる支援者の関わり方も、その人の生活に大きな影響を与える。 そこでこの科目では、福祉用具の開発や選択・適合をする際に理解しておくべき知識や技術、基本概念等について学ぶことで、福祉用具について総合的に理解できるようになることを目的とします。 この科目は「福祉用具入門」や「福祉用具論」、「福祉生活環境論」を補強する応用科目としても位置づけられ、リハビリテーションセンター等の臨床現場で実務経験のある教員が実際に経験した事例などを通じて講義を行い、福祉用具に関する総合的な理解を深めます。 またこの科目は、学部DP3とDP4に掲げる地域社会や企業などにおいて、生活上の困難を抱えた人に対することと、地域社会での課題を解決し地域社会開発の担い手となることを目指しています。 本科目の担当者は、建築設計事務所で住宅設計に携わった後、リハビリテーションセンターにて障害者の生活環境等の改善に関わった、実務経験のある教員である。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
障害のある人の心身機能、心理などの特性を説明できる。<知識> 車椅子などの福祉用具の構造が説明できる。<知識> 車椅子などの福祉用具の選び方・使い方が説明できる。<知識> 福祉用具の安全性について説明できる。<知識> 幅広い視点で福祉用具や製品を考えられるようになる。<態度・習慣> 身近にある製品を調査し、生活を改善する工夫や課題を見つけることができる。<技能、態度・習慣> |
授業のキーワード /Keywords |
福祉用具、福祉機器、アシスティブ・テクノロジー、リハビリテーション工学、支援技術、人間工学、安全、生活、ものづくり、デザイン、製品開発 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
・座学だけでなく、理解を深めるため福祉用具を用いた演習も行う。 ・演習の結果を課題レポートとして提出する。 ・授業の最後にコメントシートを記入してもらい、その中の疑問や質問等について翌週の講義でフィードバックを行う。 ・自分のスマートフォンやタブレット端末にアプリ(基本的には無料のもの)をインストールして演習を行うことがある。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
・履修希望者の時間割に応じて講義日時を設定する。履修希望者は9月20日までに糟谷までメールで連絡すること(メールアドレスは下記に記載)。 ・20分以上の遅刻は特別な事業がないかぎり、欠席とみなす。 ・私語など他人の迷惑になる行為や携帯電話の操作、食事は厳禁とする。 ・「福祉用具入門」「福祉用具論」を履修していることが望ましい。 ・福祉住環境コーディネーター2級のテキストを持っていることが望ましい。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
・普段の通学などの日常生活の中で、周りの環境や製品、人の動きなどをよく観察しておくこと(週2回程度を目安とする)。 ・その際に「もし自分が車椅子に乗っていたら」「目が見えなかったら」とイメージしながら観察すること。 ・次回の講義内容についてインターネットや文献で事前に調べること(1時間)。 ・講義後には復習としてその内容についてインターネットや文献、学内にある福祉用具などで確認をすること(2時間)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
・講義期間内で2〜3回程度の演習に関する課題レポートを提出。 ・毎回の講義終了時にコメントシートを提出する。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
・課題レポート60%、授業参加度40%で評価する。 ・授業参加度は、コメントシートの記載内容や自発的発言・発表、授業への取り組み姿勢などを総合的に判断する。 ・出席回数が講義回数の3分の2に満たない場合は、成績評価の対象から外す。 |
テキスト /Required Texts |
なし |
参考図書 /Reference Books |
「福祉住環境コーディネーター検定試験2級公式テキスト」東京商工会議所 作業療法ジャーナル増刊号保存版テクニカルエイド—生活の視点で役立つ選び方・使い方—、三輪書店 リハビリテーションMOOK15 リハビリテーション工学と福祉機器、千野直一・安藤徳彦編集主幹、金原出版株式会社 生活支援工学概論、日本生活支援工学会・日本リハビリテーション工学協会共編、コロナ社 人間工学からの発想—クオリティ・ライフの追求—、小原二郎、ブルーバックス 元気のでる車いすの話、車いす姿勢保持協会編、はる書房 その他、適宜講義の中で紹介します。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | オリエンテーションと福祉用具ものづくりの考え方 | 本講義の概要と進め方について説明と、福祉用具の基礎について実機を用いて概説する。 | |
2 | 第2回 | 福祉用具の基本概念とアプローチ | アシスティブ・テクノロジーの定義やICF等の人の暮らしや障害を捉える視点を学びながら、福祉用具の開発や支援に関わる際の基本概念を学ぶ。 | |
3 | 第3回 | 福祉用具開発のプロセス | これまで開発された道具や福祉用具を通じて、道具の役割や人の暮らしとの関係を学ぶ。また、ものづくりのプロセスについて学ぶ。 | |
4 | 第4回 | 福祉用具の事故とものづくり | 福祉用具ヒヤリハット事例を通じて、安全性の大切さとその機器的対策の重要性を学ぶ。また、腰痛予防対策など障害のある人だけでなく介護者を守ることの重要性についても考える。また、課題として福祉用具のヒヤリハット事例を検索してもらい、その中で関心を持った事例とその改善方法についてレポートしてもらう。 | |
5 | 第5回 | 人の身体機能とデザイン | 人の機能障害の理解とそれから生じる生活障害について理解し、福祉用具や道具による身体機能の代償・置換・補助の役割について考える。 | |
6 | 第6回 | 人の心理とデザイン | 人と道具を適合する際に重要となる人の心理、認知機能、感覚機能について、人間工学の視点から学ぶ。 | |
7 | 第7回 | 動作観察と動作分析① | 福祉用具を開発する際に必要な動作の観察・分析について、演習を通じて学ぶ。 | |
8 | 第8回 | 動作観察と動作分析② | 第7回の演習で製作した自助具の試用評価を行い、改善点等をレポートにまとめる。 | |
9 | 第9回 | 福祉用具の構造と物理原則の理解① | 車椅子を例にして、機械工学の基礎であるてこの原理などの物理原則や機能・構造について学ぶ。また、適合する際のポイントについてものづくりの視点から学ぶ。 | |
10 | 第10回 | 福祉用具の構造と物理原則の理解② | 第9回に引き続き、歩行補助杖や介護ベッドを例にして、機械工学の基礎であるてこの原理などの物理原則や機能・構造についてさらに理解を深める。 | |
11 | 第11回 | ものづくりの基礎知識 | 福祉用具に用いられる主な材料の性質や特性、工具の使い方、メンテナンス等のものづくりの基礎について学ぶ。 | |
12 | 第12回 | 福祉用具の適合 | 第9~11回で学んだ内容について、学内にある福祉用具を使用・体験して理解を深め、適合する際のポイントについてものづくりの視点から考える。 | |
13 | 第13回 | 福祉用具のメンテナンス | 福祉用具に関する事故を考える際、保守管理が十分でないことも要因のひとつである。福祉用具は工業製品ですので、耐用年数もありメンテナンスが不可欠である。そこで、車いすを例にして福祉用具のメンテナンスについて解説します。また学内にある車いすの点検をし、チェック結果をレポートする。 | |
14 | 第14回 | 臨床工学サービス | リハビリテーションセンター等にて行われている臨床工学サービスについて映像を見て学び、その内容等をレポートにまとめる。 | |
15 | 第15回 | 技術の進歩と福祉用具への応用 | 最新のテクノロジーを用いた福祉用具について解説し、技術の進歩によって障害のある人の暮らしが拡がる可能性について考える。同時に、ユニバーサルデザインの概念の重要性についても考える。 |