科目一覧へ戻る | 2024/07/25 現在 |
開講科目名 /Class |
文化交流論Ⅲ(2022年度以降入学生)/文化交流論Ⅳ(2021年度以前入学生)/Intercultural Studies Ⅲ |
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授業コード /Class Code |
B506294001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
HASc320 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
人文学部/Humanities and Sciences |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
火4(後期)/TUE4(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
赤井 敏夫/AKAI TOSHIO |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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赤井 敏夫/AKAI TOSHIO | 人文学科/Humanities |
授業の方法 /Class Format |
講義・対面授業 ただし新型コロナウイルスの状況によっては遠隔に転換する可能性あり |
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授業の目的 /Class Purpose |
この科目は、人文学部のDPに示す、広い知識や体験をもとに柔軟で確固とした価値基準・行動規範を身につけ、多様な他者と共存し、積極的に交流・協働できる能力の修得を目指す。陰謀論の発生を文化史的に解釈し、現代文化への多角的な視点を涵養できるようにすることを目的とする。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
本科目の内容を把握することによって以下のことが理解できるようになる。 1.陰謀論がなぜ発生するか、その背景を文化論的に解釈すること 2.陰謀論がオカルティズムと類縁性があること そして結果的に 3.陰謀論とは近代的文化現象であり社会的病理であること |
授業のキーワード /Keywords |
陰謀論、オカルティズム、UFO体験 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
プレゼンテーション・ソフトを使った講義が主体。状況に応じて遠隔講義。遠隔講義実施中は複数のネット・アプリを利用して受講者側からの意見を受け付け、双方向性を確保する。レポートは理解度を深めるような内容を設定し、講義期間中に詳細を明らかにする。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
評価に出席点は加味しないが、アプリを介した意見や質問提出は講義への参加度を図るための対象とするので重要視する。遠隔講義を受けられるネット、PC環境が必要である。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
講義の内容を復習し指定のアプリを通じて質問や意見を提出する。 (毎回1時間ほど) |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
指定のアプリを介した意見・質問と最終的なレポート。内容のフィードバックは「授業の進め方」に記した質問用サイトを通じて行う。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
質問意見×13(13点)+レポート87点=100点。レポートは指定の書式で10000字以上。レポートは返却しない。 |
テキスト /Required Texts |
特になし。必要があれば、適宜指示する。 |
参考図書 /Reference Books |
講義の過程で適宜指示する。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1週 | オリエンテーション | 授業の概要および授業計画を説明する。 | |
2 | 第2週 | 陰謀論とは何か | 陰謀論の概要を考察し、それが近代的文化現象であることを指摘する。 | 「誰かが得してる」という発想の背景にある心理 |
3 | 第3週 | 現在進行形の陰謀論 | 現時点で発生している陰謀論を概括し、それにネットの果たしている役割を考える。 | 反ワクチン論、Qアノンの土壌、自由意志による取捨選択という幻想 |
4 | 第4週 | 陰謀論と映像メディア(1) | 陰謀論的通念をベースにしたプロモーション戦略をとった映像作品の一例としてXファイルを取り上げる。 | 連邦政府による隠蔽 |
5 | 第5週 | 陰謀論と映像メディア(2) | 前回取り上げたXファイルがどのように陰謀論的通念を活用しているかを分析する。 | 陰謀主体としての連邦政府 |
6 | 第6週 | 陰謀論以前 | 宗教改革がどのように陰謀論成立のためのきっかけとなったかを考える。 | 宗教が陰謀論だった時代から敵対派が陰謀主体の時代へ、ガイ・フォークス |
7 | 第7週 | 古典的陰謀論と秘密結社 | 啓明結社とフリーメーソンが陰謀論の中に組み入れられた契機に、オカルティズムとの接点があったことを考える。 | なぜ「秘密」結社なのか? |
8 | 第8週 | 前オカルティズム | オカルティズム発生の要因となった文化現象として、古典古代のグノーシス主義、新プラトン主義、中世の錬金術、神智学、ドイツ・ロマン派を分析する。 | 宗教とオカルティズムの接点と分岐点、信仰とは別の「技術」としてのオカルティズム |
9 | 第9週 | 近代神智学 | オカルティズムの完成型としての近代神智学について考察する。 | 東洋の発見、見えないブラザーフッドとアガルタ |
10 | 第10週 | 陰謀論の参照先 | 陰謀論を普及させる契機となった文学作品や科学的奇説について考える。 | ブルワー=リットン「ザノニ」、シェイバー・ミステリー、アマラントラ・ワーキング |
11 | 第11週 | エーリアン陰謀論とニューエイジ | エーリアン陰謀論が同時代のニューエイジ思想と並行関係にあることを考察する。 | コンタクト型円盤信仰、チャネリングと宇宙からのメッセージ、デニケンと宇宙考古学 |
12 | 第12週 | ロズウェル事件の持つ意味 | エーリアン陰謀論とエーリアン隠蔽説という二極化した解釈について考える | 携挙(ラプチャー)と「レフト・ビハインド」とインフィニティー・ゴーントレット、シェイバー・ミステリーと爬虫人 |
13 | 第13週 | エーリアン陰謀論のオカルティズム起源 | エーリアン陰謀論の隠された軸としてA・クラウリーによるアマラントラ・ワーキングがあったことを考える。 | ジャック・パーソンズとNASAのロケット工学、ロン・ハーバードとサイエントロジー |
14 | 第14週 | 円盤誘拐と民俗学的解釈の余地 | エーリアン陰謀論に頻出する円盤誘拐がシャーマンの召命や妖精伝承の一展開と解釈できる可能性について考える。 | アブダクションとユタの召命。外科手術による金属の埋め込みとシャーマンの宝石。神隠し、取り替え子の口碑 |
15 | 第15週 | まとめ | 本講義のまとめ | 社会維持のための安全弁としての陰謀論 |