科目一覧へ戻る | 2024/07/25 現在 |
開講科目名 /Class |
地域社会学Ⅰ/Sociology of Local Communities Ⅰ |
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授業コード /Class Code |
B505391001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
HASe333 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
人文学部/Humanities and Sciences |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
火4(前期)/TUE4(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
松村 淳/MATSUMURA JUN |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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松村 淳/MATSUMURA JUN | 人文学科/Humanities |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義) |
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授業の目的 /Class Purpose |
地域とは何でしょうか?それは、近所や近隣といった徒歩圏内を指す場合(ミクロな地域)もあれば、西区や神戸市という行政単位、あるいは関西や西日本といったより広い範囲を指すマクロな「地域」もあります。本講義では、そうしたミクロな地域とマクロな地域を往還しながら、地域という概念を理解し、それぞれのレベルで生じている様々な課題について、具体的な事例をもとに学習していきます。本講義はDP2,9に対応しています。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1.多くの人々にとって重要な生活の場、仕事の場である地域が直面している課題を正しく理解すること。 2.自分事として地域に関わっていくための知識や意欲を身に着けていくこと。 |
授業のキーワード /Keywords |
地域社会、地域活性化、神戸市 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
授業はパワーポイントや映像資料を用います。特定の教科書は指定しません。担当教員が作成したオリジナルのワークシートを使用します。 地域社会学の学説を学びつつ、具体的な場所の事例は神戸市をとりあげる予定です。地域の課題を理解するには、テキストや映像といった資料から学ぶには限界があります。そこで本講義では、実態に即した地域課題とその解決に向けた取り組みを学ぶために、地元神戸で地域活動に従事する様々な方(地域おこし協力隊員、神戸市西区役所職員、地域の自治会長、空き家問題に取り組む建築家等)にゲストスピーカーとして登壇いただき、現場の生の声を届けてもらう回を複数回設ける予定。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
神戸学院大学人文学部が立地する神戸市、特に西区を中心に生きた事例を検討しながら学修していきます。自分たちが学び、暮らし、将来働く可能性のある地域について、より深く学べる授業ですので、主体的、能動的に参加してください。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
事前学習:シラバスをみてテキストの該当箇所を読んでおきましょう。 事後学習:授業を振り返りながら、授業で学習した箇所を中心にアンダーラインを引きながら、プリントや配布資料を読み返そう。事前学習、事後学習とも、1週あたり1時間は時間を確保しましょう。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
毎回授業の終了後に、考えたことや疑問に感じた点をコメントシートに書いて提出します。 次回授業で提出されたコメントの講評などのフィードバックを行います。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
毎回のコメント(30%) 最終試験(70%) コメントシートの評価基準は、当日の授業の内容を踏まえた感想や疑問点が書かれていること。 期末テストの評価基準は到達目標の1です。 |
テキスト /Required Texts |
特に指定はしません。教員のオリジナル教材を使用する予定。 |
参考図書 /Reference Books |
授業中に指示します。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | ガイダンス〜地域とは何か | 地域と一口に行ってもそれが指す範囲は様々です。近所といったミクロな「地域」から日本全体というマクロな視点から見た「地域」は見えてくるものが異なります。しかし、それらミクロ―マクロの視点を往還しながら立体的に地域を見ていく視点は重要です。本講義ではまず視点としての「地域」について考えていきます。 | |
2 | 第2回 | 地域が抱える課題①―東京一極集中と地域 | 日本の地域の大部分が少子高齢化で人口が減少していますが、東京は現在も人口の増加が続いています。 進学や就職で地方から東京へと人口流出が続いています。そうした流れはいつ、どのように出来たのか、また今後も続くのか等、東京と地方をめぐるトピックについて学習します。 |
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3 | 第3回 | 地域が抱える課題②―加速する高齢化と人口減 | 高齢化が急速に進む日本社会ですが、高齢化の何が、どのように問題なのでしょうか?本講義では地域と高齢化というテーマで神戸市において高齢化が急速に進む長田区・西区・北区の事例を取り上げて、その課題と対策について考えてみたいと思います。 | |
4 | 第4回 | 地域が抱える課題③―商店街の衰退、空き家の増加とその対応 | 現在日本には800万を超える空き家が存在すると言われています。不動産市場に乗らない空き家は放置され、近隣の治安を悪化させる要因となったり、倒壊する恐れもあります。一方で空き家を活用するための様々な取り組みも官民あげて始まっています。本授業ではこうした問題を検討し、神戸市で取り組んでいる空き家再生のためのプロジェクトを事例にしながら空き家と街の再生の可能性について学びます。 | |
5 | 第5回 | 地域が抱える課題④―地域コミュニティの衰退とその対応 | 近年地域コミュニティの衰退は顕著で、役所には毎月のように自治会の解散届が提出されています。神戸市では2023年度から地域協働局を新たに設置し、神戸市の地域コミュニティの衰退に歯止めをかけるための施策を打ち出そうとしています。さらに「地域コーディネーター」とよばれる人材を民間から募り神戸市の各区に配置し地域の活性化に取り組んでいます。こうした具体的な事例を検討し、地域コミュニティの衰退と活性化に資する取り組みについて学びます。 | |
6 | 第6回 | 地域が抱える課題への対応①―ふるさと納税から考える | ふるさと納税は、都市集中型社会における地方と大都市の格差是正・人口減少地域における税収減少対応と地方創生を主目的とした寄附金税制の一つで2008年から実施され、すっかり定着した感があります。一方で過剰な返礼品が問題となるなどまだ過渡期の様相を呈しています。本講義ではふるさと納税からみえてくる地域の課題への対応を考えていきます。 | |
7 | 第7回 | 地域が抱える課題への対応②―地域おこし協力隊の活動 | 令和5年度現在、地域おこし協力隊の隊員数は、前年度から432名増の6,447人となっており、また受入自治体数は、1,118団体でありこれは全体の77%にあたります。このように定着した感のある地域おこし協力隊ですが、具体的な活動についてはなかなか知る機会がありません。本講義では神戸市西区で活動する現役隊員を迎え、リアルな活動の実態をお聞きしながら地域おこし協力隊という制度について学びます。 | |
8 | 第8回 | 地域が抱える課題への対応③―地域をブランド化する | 若者に定着してもらう、あるいは観光客を惹きつける際にも地域をブランド化し、それを広く知ってもらうことは主要な地域戦略となっています。本講義では神戸市の広報戦略を事例に、神戸市がどのようにブランド化しようとしているのかについて学びます。 | |
9 | 第9回 | 地域と産業①―第一次産業と地域 | 現在は従事する人口が激減している第一次産業ですが、それらを再生させるための新しい取り組みも各地で始まっています。本講義では神戸市の農業・林業における新しい取り組みを中心に、地域における第一産業の可能性と課題について学習していきます。 | |
10 | 第10回 | 地域と産業②―地場産業と地域 | 近年、手仕事ブームなどで地域の地場産業が見直されています。地場産業によって生み出される多様な製品をデザイナーが「リ・ブランディング」していく動きが注目されています。本講義では兵庫県における地場産業を事例に地域における地場産業の可能性と課題について学習していきます。 | |
11 | 第11回 | 地域と産業③―観光とインバウンド | 2023年の10月現在、外国人観光客はコロナ前の水準に戻り、ますます増え続けています。観光客の誘致は地方の活性化の大きなチャンスになりますが、インバウンド需要の恩恵をあまり受けられていない自治体もあります。神戸市もそうした自治体の一つです。神戸市と近隣の自治体を比較しながらインバウンドの自治体格差について考えていきます。 | |
12 | 第12回 | 地域と移動/定住―若者の流出 | 地域の若者がどの程度、どのタイミングで、どの程度流出していくのかについて、神戸市と京丹後市を事例に検討していく。また地域の若者を引き止めるための具体的な取り組みついても事例を紹介しつつ、その可能性と課題について検討します。 | |
13 | 第13回 | 地域と移動/定住―Uターン、Iターン | Uターン、Iターンなど地方移住のあり方について、神戸市、京丹後市、香川県直島・小豆島などに移住した方々の具体的な事例を検討しながら、その可能性と課題について学習していきます。 | |
14 | 第14回 | 地域と生活―地域に暮らす若者の幸福度 | 担当教員も参加する研究者チームが実施した京都府京丹後市における若者調査(2023年度)の結果をもとに、地方に暮らす若者が何に幸福感を感じ、何に物足りなさを感じているのかを検討していきます。学歴・職業・移動歴などを鑑みながら、こうした要素と地方に暮らす若者の幸福度の関連についても検討します。 | |
15 | 第15回 | まとめと振り返り | ここまでの授業を振り返り、まとめと重要事項の確認を行います。 |