科目一覧へ戻る | 2024/07/24 現在 |
開講科目名 /Class |
医薬品化学Ⅱ[19~]/Medicinal Chemistry II |
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授業コード /Class Code |
B410552003 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
PHMd007 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
薬学部/Pharmaceutical Sciences |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
水2(前期)/WED2(SPR.) |
単位数 /Credits |
1.5 |
主担当教員 /Main Instructor |
国嶋 崇隆/KUNISHIMA MUNETAKA |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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国嶋 崇隆/KUNISHIMA MUNETAKA | 薬学部/Pharmaceutical Sciences |
北條 恵子/HOJYO KEIKO | 薬学部/Pharmaceutical Sciences |
授業の方法 /Class Format |
「演習」を取り入れた「講義」形式で行う。<対面授業> 授業に関する連絡事項等は、原則としてMoodleにアップするので、毎週必ず確認すること。 |
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授業の目的 /Class Purpose |
この授業の担当者は薬学部所属である。この科目は、選択必修科目であり3年次に配当している。 この科目は、学部のDPに示す8項目のうち、2を目指す。 ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針) これまでに学んできた官能基の構造とその性質に関する知識を応用して、医薬品の作用を化学構造と関連づけて理解できる。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
医薬品を、ターゲットとしている生体高分子により分類し、医薬品に含まれる代表的な構造とその性質を関連づけて理解できるようになる。以下の各SBOsを到達目標とする。 A-(1)-③-1)医薬品のリスクを認識し、患者を守る責任と義務を自覚する。(態度) A-(1)-③-6)代表的な薬害の例(サリドマイド、スモン、非加熱血液製剤、ソリブジン等)について、その原因と社会的背景及びその後の対応を説明できる。(知識) C3-(1)-①-8)反応の過程を、エネルギー図を用いて説明できる。 C4-(1)-①-1)代表的な生体高分子を構成する小分子(アミノ酸、糖、脂質、ヌクレオチドなど)の構造に基づく化学的性質を説明できる。(知識) C4-(1)-①-2)医薬品の標的となる生体高分子(タンパク質、核酸など)の立体構造とそれを規定する化学結合、相互作用について説明できる。(知識) C4-(1)-②-2)代表的な補酵素が酵素反応で果たす役割について、有機反応機構の観点から説明できる。 C4-(2)-②-1)不可逆的酵素阻害薬の作用を酵素の反応機構に基づいて説明できる。(知識) C4-(2)-②-2)基質アナログが競合阻害薬となることを酵素の反応機構に基づいて説明できる。(知識) C4-(2)-②-3)遷移状態アナログが競合阻害薬となることを酵素の反応機構に基づいて説明できる。(知識) C4-(2)-③-1) 代表的な受容体のアゴニスト(作用薬、作動薬、刺激薬)とアンタゴニスト(拮抗薬、遮断薬)との相違点について、内因性リガンドの構造と比較して説明できる。(知識) C4-(2)-④-1)代表的な生体分子(脂肪酸、コレステロールなど)の代謝反応を有機化学の観点から説明できる。(知識) C4-(3)-④-1)ヌクレオシドおよび核酸塩基アナログを有する代表的医薬品を列挙し、化学構造に基づく性質について説明できる。(知識) C4-(3)-④-2)フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸構造などをもつ代表的医薬品を列挙し、化学構造に基づく性質について説明できる。(知識) C4-(3)-④-3)スルホンアミド構造をもつ代表的医薬品を列挙し、化学構造に基づく性質について説明できる。(知識) C4-(3)-④-4)キノロン骨格をもつ代表的医薬品を列挙し、化学構造に基づく性質について説明できる。(知識) C4-(3)-④-5)β-ラクタム構造をもつ代表的医薬品を列挙し、化学構造に基づく性質について説明できる。(知識) C4-(3)-④-6)ペプチドアナログの代表的医薬品を列挙し、化学構造に基づく性質について説明できる。(知識) C4-(3)-⑤-3)ステロイドアナログの代表的医薬品を列挙し、化学構造に基づく性質について説明できる。 C4-(3)-⑥-1)DNAと結合する医薬品(アルキル化剤、シスプラチン類)を列挙し、それらの化学構造と反応機構を説明できる。(知識) C4-(3)-⑥-2)DNAにインターカレートする医薬品を列挙し、それらの構造上の特徴を説明できる。(知識) C4-(3)-⑥-3)DNA鎖を切断する医薬品を列挙し、それらの構造上の特徴を説明できる。(知識) C4-(3)-⑦-1) イオンチャネルに作用する医薬品の代表的な基本構造(ジヒドロピリジンなど)の特徴を説明できる。(知識) |
授業のキーワード /Keywords |
生体高分子、官能基、相互作用 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
授業計画に従って講義形式で行い(12回)、理解度を確認するために授業中に適宜小テスト等を行う。また、LMS(Moodle)にアップロードした課題を課す。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
「医薬品化学Ⅰ」で学んだ知識が必要である。オフィスアワー:月曜日10:00~13:30 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
事前学習として講義資料やテキストの該当ページを予習しておくこと(目安として1時間) 。 事後学習として講義の内容を見直し,指示された項目を復習すること。またLMS(Moodle)にアップした課題に反復して取り組むこと(目安として2.5時間)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
LMS(Moodle)にアップした課題(演習、小テスト、レポート等)を指示に従って実施すること。課題レポート等の提出を求めることがある。講義中に出席カードを用いて確認小テストを行うことがある。カードが貰えないと確認小テストの加点がなくなるので遅刻等をしないよう注意すること。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
定期試験75%、課題に対する取り組み[LMS(Moodle)の演習問題、小テスト等]25%の合計に基づいて、総合的に評価する。 なお補充試験対象者になった場合、受験条件としてMoodle等の演習課題の再実施を課すことがある。 |
テキスト /Required Texts |
日本薬学会編 スタンダード薬学シリーズⅡ3「化学系薬学Ⅱ.生体分子・医薬品の化学による理解」東京化学同人 |
参考図書 /Reference Books |
「ベーシック創薬化学」赤路健一・林良雄・津田裕子著、化学同人 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 医薬品のターゲットとなる生体高分子 | 1)アミノ酸の立体化学について解説する。 2)タンパク質の高次構造について化学的観点から解説する。 C4-(1)-①-1 C4-(1)-①-2 |
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2 | 第2回 | 補酵素の役割 | 1)代表的なビタミン補酵素として、B1、B2、B6、NAD+などを取り上げ、これらが酵素反応において果たす役割について解説する。 2)脂肪酸やアミノ酸の代謝反応について解説する。 C4-(1)-②-2 C4-(2)-④-1 |
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3 | 第3回 | 酵素阻害剤と阻害様式 | 1)酵素の反応機構について反応座標に基づいて解説する。 2)基質アナログが競合阻害薬となることを酵素の反応機構に基づいて解説する。 3)基質アナログとなる医薬品の例を挙げ、その作用機序について解説する。 C3-(1)-①-8 C4-(2)-②-1 C4-(2)-②-2 C4-(2)-②-3 |
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4 | 第4回 | 酵素を阻害する医薬品 | 1)遷移状態アナログが競合阻害剤となることを酵素の反応機構に基づいて解説する。 2)Hammondの仮説について解説する。 3)遷移状態アナログとなる医薬品の例を挙げ、その作用機序について解説する。 C3-(1)-①-8 C4-(2)-②-1 C4-(2)-②-2 C4-(2)-②-3 |
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5 | 第5回 | 代謝拮抗薬(抗ガン剤) | 1)代謝拮抗薬とは何か解説する。 2)ヌクレオシドおよび核酸塩基アナログを有する代表的医薬品(5-フルオロウラシルや6-メルカプトプリン)を挙げ、作用機序を解説する。 3)メトトレキサートを例示し、葉酸代謝拮抗薬の作用機序を解説する。 4)プロドラッグを例示し、有用性を解説する。 C4-(1)-②-2 C4-(3)-④-1 |
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6 | 第6回 | 代謝拮抗薬(抗ウィルス剤) | 1)アシクロビルを例に挙げ、核酸塩基アナログを有する代表的抗ウィルス薬の作用機序を解説する。 2)ジドブジンを例に挙げ、逆転写酵素阻害薬の構造を考察する。 3)プロドラッグを例示し、有用性を解説する。 C4-(3)-④-1 |
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7 | 第7回 | ステロイドホルモンとステロイド系抗炎症剤 | 1)ステロイドの生合成反応について解説する。 2)ステロイドホルモンの化学構造上の特徴について解説する。 3)ステロイドアナログの代表的医薬品を列挙し、化学構造に基づく性質について解説する。 4)ステロイド系抗炎症剤の構造活性相関について解説する。 C4-(2)-④-1 C4-(3)-⑤-3 |
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8 | 第8回 | 非ステロイド系抗炎症剤(NSADs) | 1)フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸構造などをもつ代表的NSADsを列挙し、化学構造に基づく性質について解説する。 2)非ステロイド系の抗炎症剤や関連する医薬品について例を挙げて解説する。 C4-(3)-④-2 |
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9 | 第9回 | サルファ剤とβラクタム系抗生物質 | 1)スルホンアミド構造をもつ代表的医薬品を列挙し、抗菌性発現の機序を、葉酸の生合成経路とのかかわと合わせて解説する。 2)β-ラクタム構造をもつ代表的医薬品を例示し、その化学構造に基づいた作用機序について解説する。 3)半合成ペニシリンについて解説する。 C4-(2)-②-1 C4-(3)-④-3 C4-(3)-④-5 |
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10 | 第10回 | キノロン系抗菌薬およびペプチドアナログ | 1)キノロン骨格をもつ代表的医薬品を列挙し、化学構造に基づく性質について解説する。 2)抗菌性を発揮する機序を、サルファ剤、βラクタム系抗生物質と比較して解説する。 3)ペプチドの化学構造変換による代表的医薬品を列挙し、化学的性質について解説する。 4)ペプチドをリードとして開発された非ペプチド性医薬品について解説する。 C4-(3)-④-4 C4-(3)-④-6 |
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11 | 第11回 | DNAに作用する医薬品および染色体・DNAの複製に関わるタンパク質を阻害する医薬品 | 1)DNA にインターカレートする医薬品を列挙し、それらの構造上の特徴を解説する。 2)DNA 鎖を切断する医薬品を列挙し、それらの構造上の特徴を解説する。 3)細胞周期のM期(タキソイド)、S期(イリノテカン、エトポシド)に作用する医薬品を例に挙げ、解説する。 C4-(3)-⑥-1 C4-(3)-⑥-2 C4-(3)-⑥-3 |
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12 | 第12回 | 内因性リガンド関連の医薬品、チャネルに作用する医薬品、および薬害 | 1)低分子内因性リガンドの特徴について解説する。 2)カルシウムチャネルに作用する医薬品の構造活性相関について解説する。 3)サリドマイドやソリブジンを例に薬害について解説する。 A-(1)-③-1 A-(1)-③-6 C4-(2)-③-1 C4-(3)-⑦-1 |