科目一覧へ戻る | 2024/07/30 現在 |
開講科目名 /Class |
病理組織細胞学実習 【臨検】/Practice in Pathological Histology and Cytology |
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授業コード /Class Code |
B103371001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
NMTf004 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
栄養学部/Nutrition |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
水3(前期),水4(前期)/WED3(SPR.),WED4(SPR.) |
単位数 /Credits |
1.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
鳥居 良貴/TORII YOSHITAKA |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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駒井 隆夫/KOMAI TAKAO | 栄養学部/Nutrition |
鳥居 良貴/TORII YOSHITAKA | 栄養学部/Nutrition |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(実習) |
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授業の目的 /Class Purpose |
<ディプロマ・ポリシーとの関係> この科目は、学部のDPに掲げる科学的根拠に基づいて人の健康について考察できる知識を修得することを目指しています。 この科目は、専門基礎分野の科目のひとつで、解剖学や生理学の基礎知識を必要とします。 病理学とは、病気(疾患)がどうして起こるのかを知る学問です。 この科目では、人体における基本的な病気の原因を知り、病気が各臓器・器官にどのような変化(病変)をもたらすか、そして細胞にどのような変化が起こっているかを、病理診断のための各種染色標本の作製および細胞の形態的変化の観察と、その顕微鏡観察(鏡検)を実習し、病理組織学的・細胞学的知識ならびに健康について考察できる知識を修得することを目的とします。 <主題> 医療機関等における実際の病理組織学的検査・細胞診断学的検査について学びます。 <教育目標> 医療機関等における実際の病理組織学的検査を実施することにより、病理組織検査実習、組織標本作製法(一般染色、特殊染色、酵素抗体法、コンパニオン診断、ISH法)、凍結切片標本作製法について学びます。また病理組織に系統付けて、細胞診断学的検査を中心に、検体処理技術、cell block作製法、パパニコロウ染色、ギムザ染色、ベセスダシステムの報告様式、および呼吸器系、消化器系、泌尿器系、女性性器系、体腔液、乳腺・甲状腺、感染症の細胞診のスクリーニングの実際とスケッチを行います。 本実習では、上記の教育目標、臨床検査技師国家試験出題基準(ガイドライン)、教科内容について、病理組織学および細胞診断学の観点から実習します。 この科目の担当者は2名です。1名は臨床検査技師、細胞検査士認定資格および国際細胞検査士、認定病理検査技師として大学病院の病理部に36年間勤務し、定年退官後も引続き非常勤として病院勤務し、病理検査、病理解剖、細胞診断の実務経験のある教員です。もう1名は臨床検査技師、細胞検査士認定資格および国際細胞検査士、認定病理検査技師として県立病院で36年間勤務し、定年退官後も引き続き民間病院で勤務し、病理検査、病理解剖、細胞診断の実務経験のある教員です。 また、実践的教育から構成される授業科目であり、病理組織および細胞標本の観察による実習と染色実習を行い、時に実務経験から体得した細かい知識についても言及しながら深い学びへと繋げていきます。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
学生は病理組織細胞学を通じて技術の習得、知識の整理と理解を高め、組織及び細胞の形態的特徴を理解し、細胞のスクリーニング能力と同定能力(細胞診断能力)を身に就けることができる。 |
授業のキーワード /Keywords |
固定、薄切、一般染色、特殊染色、検体採取法と検体処理法、パパニコロウ染色、正常細胞、癌細胞、ウイルス感染細胞、真菌、原虫、非細胞成分(アスベスト小体等) |
授業の進め方 /Method of Instruction |
実習に際し、各領域における正常と異常(悪性)の組織・細胞診標本を鏡検スケッチすることで、観察がより深くなりあらたな発見を伴うことを目的にしています。 スケッチにおいて、理解できないところはパワーポイント、顕微鏡モニターでの解説と指導を行い、対話型の実習を重視し、受講生からの意見や疑問点について自発的な発言を求めます。 さらに毎回担当班を決めて、主題に合わせた解説発表をしてもらい、理解度の確認と知識の共有を行います。 スケッチの提出をもって出席とするため、期限厳守のこと。また授業内容をまとめ、当日または次週の授業(実習)にスケッチ・レポートを提出のこと。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
各疾患における臨床材料を用いた実習なので病理学および解剖・組織学・生理学の基礎知識を復習してから授業に臨むこと(30分程度)。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
事前にテキストの該当部分を読んでから授業に臨んてください(予習時間は30分程度)。また病理組織細胞学、臨床生理学、臨床血液学、臨床化学などの科目と重複してくるので、他の教科書や 参考書も使って知識の幅を広げ、疑問点や質問内容をメモしておき質問すること(予習時間は30分程度)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
鏡検実習事に毎回、鏡検スケッチ(色鉛筆使用)を提出する。 スケッチ内容には染色名、染色目的、臓器(又は検体)名(病名含む)、細胞診断名とその所見を記入する。スケッチは分りやすく丁寧に描き、組織・細胞の部位には線を引き部位名記入する。また授業(実習)内容をまとめ、スケッチ・レポートとする。 当日または次回実習時にスケッチ・レポートとして提出を求める。レポートには授業(実習)中に聞けなかった疑問点・質問事項等があれば記載する。 スケッチ・レポートは毎回確認し、添削、また疑問点・質問事項はレポートに記載するとともに、次回の授業(実習)にて内容を共有することでフィードバックする。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
同定試験50%、レポート50%として総合的に評価する。 |
テキスト /Required Texts |
・diFiore人体組織図譜(原書第11版)南江堂 2011年 \7,500円+税 ・松原 修 共著 『最新 臨床検査学講座 病理学/病理検査学』 医歯薬出版 ¥5200 +税 ・秋田恵一・星治著『最新 臨床検査学講座 解剖学』 医歯薬出版 ¥3,600円+税 |
参考図書 /Reference Books |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 担当教員:鳥居 | 検査の基礎技術 | 〇採取される検体(組織・細胞)の概説について実習します。 ・検体処理の流れ:検体(組織・細胞)採取後の処理、固定について ・パラフィン包埋法、ミクロトーム操作、薄切 ・一般染色(HE染色およびパパニコロウ染色) |
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2 | 第2回 担当教員:鳥居 | 呼吸器系 | 〇扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌の組織像、感染症、その他非細胞成分について実習します。 ・真菌染色、細菌染色(グロコット染色、ギムザ染色) |
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3 | 第3回 担当教員:駒井 | 呼吸器系(体腔液) | 〇リンパ腫、腺癌、扁平上皮癌、中皮腫などの細胞像について顕微鏡観察を行います。 ・結合組織染色(マッソン・トリクローム染色など) ・酸性および中性粘液多糖類染色(アルシアン青染色、トルイジン青染色など) |
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4 | 第4回 担当教員:駒井 | 泌尿器系 | 〇腎臓由来の組織・細胞像について実習します。 ・結合組織染色(マッソン・トリクローム染色など) ・基底膜染色(PAM染色) 〇尿管、膀胱由来の細胞像について実習します。 |
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5 | 第5回 担当教員:駒井 | 消化器系 | 〇肝臓由来の細胞像について実習します。 ・結合組織染色(鍍銀染色など) 〇膵液、胆嚢由来の細胞像について実習します。 ・神経分泌顆粒染色(グリメリウス染色、マッソン・ホンタナ染色) |
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6 | 第6回 担当教員:駒井 | 内分泌系 | 〇乳癌・甲状腺癌の組織・細胞像ついて実習します。 ・アミロイド染色(コンゴー赤染色) |
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7 | 第7回 担当教員:駒井 | 脳・神経系 | 〇脳・神経系の組織について実習します。 ・神経膠線維染色(PTAH染色)、髄鞘染色(クリューバー・バレラ染色) |
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8 | 第8回 担当教員:駒井 | 生殖器系1 | 〇婦人科系(前癌病変、上皮内癌、扁平上皮癌、腺癌の組織・細胞像)について実習します。 | |
9 | 第9回 担当教員:駒井 | 生殖器系2 | 〇精巣および卵巣の組織・細胞像について実習します。 | |
10 | 第10回 担当教員:駒井 | スクリーニングの実際 | 〇各領域の細胞像の顕微鏡観察を行います。 | |
11 | 第11回 担当教員:駒井 | 酵素抗体法 | 〇酵素抗体法について実習します。 ・抗原性の賦活化 ・リンパ節の酵素抗体法(CD26(L-26)、p53、ケラチン(AE1/AE3)) 〇特殊染色、酵素抗体法、ISH法、コンパニオン診断の解説と鏡顕 |
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12 | 第12回 担当教員:駒井 | 各種染色のまとめおよび総括 | 〇病理組織細胞の各種染色に於ける総括 〇同定試験 |