科目一覧へ戻る | 2024/07/24 現在 |
開講科目名 /Class |
国際関係論研究特殊講義/Lecture on International Relations for Doctoral Course |
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授業コード /Class Code |
K021251001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
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開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
博士/ |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
通年集中/FULL-YEAR INTENSIVE |
曜日・時限 /Day, Period |
他/OTHERS |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
岩田 将幸/IWATA MASAYUKI |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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岩田 将幸/IWATA MASAYUKI | 法学部/Law |
授業の方法 /Class Format |
対面。演習形式および講義形式を兼ねる。 外国語文献(主に英語)を用いて、解説とディスカッションを重ねつつ、講義を進めていく メールの連絡先 miwat@law.kobegakuin.ac.jp |
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授業の目的 /Class Purpose |
本講義の目的は、われわれはどのような世界で暮らし、どのような価値や規範的前提の下でさまざまに生じる出来事や他者を知覚し、観察し、それらにどう接してきたのかを考えていくことにある。 グローバル化による相互依存の進展と同時に、さまざまな分断が進んでいる世界において、世界のどこかで起きている事象は決してわれわれにも無関係とはいえないと同時に、われわれがそれらに対してどう考え対応していくのかにおいても慎重かつ多角的な志向が求められている。 また、グローバルな世界を対象とした国際関係論についてより深く学習するにつき、必須となる英語をはじめとする外国語に関してもある程度の習熟を目指す。 つまり、法学研究科博士後期課程のDPに則り、クロ―バルな相互依存と各地でさまざまな分断が同時進行する世界において、われわれ自身が帰属する国際社会が、いかにあるいはどのように組織化されているのかを考察する。それとともに、われわれはいかにそこから影響を受け、あるいは影響を与え得るのかという相互的な側面にも着目して、自らが依拠する視座や価値についても洞察と省察を深めていくことを目的とする。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
上記の講義目的に基づけば、受講学生はそれぞれ以下の点を到達目標とすることになる。 ①国際関係の理論的枠組みを会得し、口頭での報告や書き物などの成果に反映できるようになる。 ②国際関係の歴史の大枠とその主要な変容を理解できるようになる。 ③グローバル化が進む世界における相互依存の実態(恩恵と弊害)を理解し、自らの研究視座や行動に反映することができるようになる。 ④世界各地で生じているさまざまな分断現象の現実や原因について見識を深め、自国や周囲に対して応用して考察し対応できるようになる。 ⑤グローバルな世界を前にした「多様性」の問題を理解し、それがどのような課題をわれわれに突き付けているかを理解できるようになる。 ⑥世界の各地域における事例を学ぶことにより、各地域が抱える課題やそれへの処方の模索(国際機構、NGO、国家から地方に至るネットワークなど)についての知見を有することができる。 ⑦その上で、世界全体としてグローバル社会の中で取り組まれている喫緊の課題について問題意識を持つことができるようになる。 ⑧外国語文献を通じて、外国語の表現方法や論理構成の方法を理解できるようになる。 |
授業のキーワード /Keywords |
グローバル化、国際社会、国際秩序、国際関係理論、グローバル・ガヴァナンス、外交、分断、多様性、外国語、英語 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
①受講生は事前に指定したテキストの箇所のレジュメ(現状、問題点、取り組みを中心に)を作成する。 ②受講生は事前に指摘した外国語のパラグラフの読み、意訳する。 ③教員は上述のレジュメおよび外国語文献の解説を行う。 ④教員と学生は、上述の過程をもとにして議論を整理しつつ、ディスカッションを重ね、問題の核心に近づいていく。そうした反復学習方式を用いて、今日世界において生起している諸現象の背後にある複合的な要因や関係について理解と洞察を深めていく。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
新聞やHPなどのメディア媒体の海外ニュース情報に通じ、感度を高めていく意欲や姿勢が求められる。なぜなら、グローバル化が進んだ今日、われわれは高度な相互依存関係にあり、海外での出来事に無関心であることは、自分自身の生活や自分の暮らす日常世界に対する関心をも押し下げることになるからである。 また、自らの暮らす社会の「多様性」についてもよく理解し洞察を深めることが求められる。つまり、さまざまな現象の背景には、多様な価値や規範が存在しているという理解と洞察を深めようとする意欲や姿勢である。固定的かつ短視眼的な視野で物事を判断することは、自分とは異なる他者を「排除」することにつながりかねない。そうすれば、自分の住む世界は閉じたものとなり、そこから得られるものは限られ、自らの可能性も狭めてしまうことになる。 研究者や専門家を志す大学院の博士後期課程の講義科目であるならば、自分の住む世界がどうやって形作られ、変化していき、それに対して自分がどう解釈し行動していくかが問われていくことを理解しようとする姿勢は決定的に重要である。 また、国際関係論をより深く学ぶうえで必須となる英語力をはじめとする外国語能力の強化と文章読解に努めてもらいたい。そのため、少なくとも文献を読み咀嚼できるたけの英語のボキャブラリーやイディオム、文法は習熟していることが望ましい。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
事前に指定したテキストの箇所のレジュメ(現状、問題点、取り組みを中心に)を作成する。 事前に指定した外国語文献の箇所を意訳できるように準備する(最低限のこととして、知らない単語や熟語を調べ、文章構造を把握した上で、不明や点や理解できない箇所を逐次質問できるようにしておくこと)。 各講義につき、3時間程度の予習を要する。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
各回におけるレジュメおよびコメントの提出。 毎回のレジュメやコメントに関しては、レジュメの形式、中身のまとめ方、理解の程度に関して指摘が行われる。文書の作成に関しては、そうした指摘をを反映していて、毎回、改善していくことが求められる。また、理解や分析に関して、足らない部分は、別途、文献や資料などが提示される。 ほか、特に提出は求めないが、事前に指定した英文の箇所を意訳できるように準備しておくこと。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
各回のレジュメ30%、講義時の報告20%、外国語講読の準備具合や理解の程度30%、講義の内容理解を示す問題意識の提示やディスカッションの質20%。 |
テキスト /Required Texts |
文献(外国語)の講読テキストに関しては、講義開始時に学生と相談して決定する。 |
参考図書 /Reference Books |
講義中に逐次紹介する。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | ガイダンス | 講義の進め方やレジュメの作成方法や外国語文献の報告の仕方の説明。 | |
2 | 第2回 | 国際関係理論① イントロ | 国際関係理論について、外国語文献のイントロダクションに該当する部分の報告とディスカッション | |
3 | 第3回 | 国際関係理論② 現実主義的思考 | 国際関係理論について、外国語文献の現実主義に該当する部分の報告とディスカッション | |
4 | 第4回 | 国際関係理論③ アイデアリズム的思考 | 国際関係理論について、外国語文献のアイデアリズムに該当する部分の報告とディスカッション | |
5 | 第5回 | 国際関係理論④ ラショナリズム的思考 | 国際関係理論について、外国語文献のラショナリズムに該当する部分の報告とディスカッション | |
6 | 第6回 | 国際関係理論⑤ 社会構成主義的思考 | 国際関係理論について、外国語文献の社会構成主義に該当する部分の報告とディスカッション | |
7 | 第7回 | 国際関係理論⑥ そのほかの主要な国際関係理論 | 国際関係理論について、外国語文献のなかから前回以外の理論的アプローチに該当する部分の報告とディスカッション | |
8 | 第8回 | 国際関係の領域① 国際安全保障 | 国際関係領域のうち、外国語文献のなかから国際安全保障に該当する部分の報告とディスカッション | |
9 | 第9回 | 国際関係の領域② 国際貿易と経済 | 国際関係領域のうち、外国語文献のなかから国際貿易と経済に該当する部分の報告とディスカッション | |
10 | 第10回 | 国際関係の領域③ 国際人権保障 | 国際関係領域のうち、外国語文献のなかから国際的な人権保障に該当する部分の報告とディスカッション 英文テキストの読解 |
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11 | 第11回 | 国際関係の領域④ 移民と難民 | 国際関係領域のうち、外国語文献のなかから移民と難民に該当する部分の報告とディスカッション | |
12 | 第12回 | 国際関係の領域⑤ 排外主義 | 国際関係領域のうち、外国語文献のなかから排外主義に該当する部分の報告とディスカッション | |
13 | 第13回 | 国際関係の領域⑥ 国際環境レジームと取り組み | 国際関係領域のうち、外国語文献のなかから国際的な環境レジームや取り組みに該当する部分の報告とディスカッション | |
14 | 第14回 | 国際関係の領域⑦ 複合的な危機 | 以上で学んできたような国際関係領域の複合的な問題が今日新たな危機をもたらしているということを、外国語文献の報告とディスカッションを通して学ぶ | |
15 | 第15回 | まとめ | これまでの学んだ国際関係理論および領域において問題となっていた主要なポイントについて復習を行い、その全体像とそれぞれの課題を把握する 英文テキストの読解 |