科目一覧へ戻る | 2024/07/29 現在 |
開講科目名 /Class |
歴史情報論専門講義Ⅱ/Advanced Lecture on Historical Information Studies Ⅱ |
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授業コード /Class Code |
J012091001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
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開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
修士/ |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
金3(後期)/FRI3(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
北村 厚/KITAMURA ATSUSHI |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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北村 厚/KITAMURA ATSUSHI | 人文学科/Humanities |
授業の方法 /Class Format |
対面講義 |
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授業の目的 /Class Purpose |
本講義の目的は、人間文化学研究科DP1・2に対応する。 現在、ウクライナ戦争によって改めて「ヨーロッパ」とは何かが問われている。現在のヨーロッパの一つの特徴はEUという地域統合体にまとまっていることだろう。財政危機や難民問題による動揺やイギリスの離脱(ブレグジット)を経てもなお、EUという存在自体は揺るがない。なぜヨーロッパはひとつにまとまろうとしたのか。この授業では、現在のEUに至る統合史の前史とも言うべき戦間期のヨーロッパ統合論、特にパン・ヨーロッパ論にスポットを当て、その経緯や意義、問題性について歴史的に考察する。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1.ヨーロッパ統合論を歴史的に考察し、植民地論や文明論といった近代の諸問題へと論点を広げることができる。 2.ヨーロッパ統合論をグローバルな視野で考えることができる。 |
授業のキーワード /Keywords |
ヨーロッパ統合史 パン・ヨーロッパ |
授業の進め方 /Method of Instruction |
スライドとプリントを用いて講義をおこなう。しばしば史料読解を中心とするワークを行う。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
授業中の議論に積極的に参加するように心がけてください。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
時間外に復習時間が1時間ほど必要である。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
毎回授業内容に対する質問を記入し、次回それに対する回答を行う。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
期末レポートを100点満点とし、成績評価とする。評価基準は授業の到達目標が達成されているかどうかである。 |
テキスト /Required Texts |
なし |
参考図書 /Reference Books |
北村厚『ヴァイマル共和国のヨーロッパ統合構想―中欧から拡大する道―』ミネルヴァ書房、2014年 他、適宜紹介する。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 導入:「ヨーロッパ」とはどこか | ウクライナ戦争による「ヨーロッパ」の再定義、さまざまな「ヨーロッパ」、ヨーロッパ統合史とは何か | |
2 | 第2回 | 近世のヨーロッパ統合論 | シュリー公、サン・ピエール、カントのヨーロッパ統合論 | |
3 | 第3回 | 第一次世界大戦と「中欧」 | フリードリヒ・ナウマンの「中欧」論、ドイツの帝国主義とナショナリズム | |
4 | 第4回 | パン・ヨーロッパ論 | クーデンホーフ=カレルギーとは何者か、「パン・ヨーロッパ」論 | |
5 | 第5回 | パン・ヨーロッパ運動 | パン・ヨーロッパ大会、各国の反応、パン・ヨーロッパ的ロカルノ、エリオの「ヨーロッパ合衆国」論 | |
6 | 第6回 | ブリアンのヨーロッパ連邦計画 | グスタフ・シュトレーゼマンとアリスティド・ブリアン/「ヨーロッパ連邦」演説と覚書 | |
7 | 第7回 | 世界恐慌と独墺関税同盟計画 | 東欧農業会議と特恵条約構想、独墺関税同盟計画のヨーロッパ的要素 | |
8 | 第8回 | 独墺関税同盟計画その後 | タルデュー計画、ローザンヌ会議におけるドナウ特恵条約構想 | |
9 | 第9回 | 世界恐慌期のパン・ヨーロッパ論 | クーデンホーフの独墺関税同盟計画への反応 | |
10 | 第10回 | ファシズムとパン・ヨーロッパ | クーデンホーフのムッソリーニへの接近、パン・ヨーロッパ的ファシズム、ヒトラー対ムッソリーニ | |
11 | 第11回 | パン・ヨーロッパとアフリカ | ユーラフリカ論、植民地とパン・ヨーロッパ、エチオピア戦争におけるクーデンホーフ | |
12 | 第12回 | クーデンホーフ対ヒトラー | クーデンホーフとユダヤ人、ヒトラーのパン・ヨーロッパへの態度、オーストリア併合 | |
13 | 第13回 | 第二次世界大戦のヨーロッパ | ナチ・ドイツのヨーロッパ構想、レジスタンスのヨーロッパ構想、アメリカのクーデンホーフ | |
14 | 第14回 | 戦後ヨーロッパ統合への歩み | ウィンストン・チャーチルのヨーロッパ合衆国論、ジャン・モネのヨーロッパ構想からECSCへ | |
15 | 第15回 | まとめ:現代への視座 | ヨーロッパ統合は何をめざしたか、なぜイギリスは離脱したのか、なぜEUは崩壊しないのか |