科目一覧へ戻る | 2024/07/24 現在 |
開講科目名 /Class |
知的財産法特殊講義/Advanced Lecture on Intellectual Property Law |
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授業コード /Class Code |
J011701001 |
ナンバリングコード /Numbering Code |
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開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
修士/ |
年度 /Year |
2024年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
火3(後期)/TUE3(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
後藤 多栄子/GOTOU TAEKO |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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後藤 多栄子/GOTOU TAEKO | 法学部/Law |
授業の方法 /Class Format |
講義と演習 メールアドレス:gotoh@law.kobegakuin.ac.jp |
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授業の目的 /Class Purpose |
法学研究科は「真理愛好、個性尊重」という本学の建学の精神に則り、法学・政治学・国際関係の分野における多様な基礎的・先進的研究を推進し、真理探究に努めるとともに、学生の個性を尊重しつつ、社会のニーズに応える高度な専門教育を展開する。 法学研究科の目的は、法律事務や行政において活躍しうる専門的職業人、企業・地域社会・国際社会において高度な法的(専門)能力を備えた担い手として活躍しうる人材及び公的な事柄に強い関心を持ちうる人材を育成することとする。 修士課程のアドミッション・ポリシーは、学部レベルにおける法学・政治学の専門的能力を堅実に修得しており、それをさらに向上させるにふさわしい能力と意欲を持つ学生たちである。 修士課程のカリキュラム・ポリシーは、「特殊講義」を通じて、学部段階よりも高度な法学・政治学・国際関係の専門的知識および豊かで柔軟性のある専門的実践能力を修得する。「特殊研究」を通じて、専攻分野における特定テーマを深く追求し、修士論文を作成するための研究指導をする。 学部で学んだ専門的な法学知識やスキルをもとに、知的財産権法の体系的な知識や特許などの各知的財産の高度な法律や制度を学修する。常に知的財産についての興味をもち、最新の事案に注目する。このようにして、実社会や実務における高度な専門知識を活用し、実践的問題解決能力を修得する。 知的財産に関する事例を少なくとも10例は説明できるように、論点を整理・分析するスキルを身につける。学生たちは事例研究報告を各知的財産法毎に行い、法的質疑応答能力を高める。より高度で専門的な法的分析力や法的論理を活用し、実践的な問題解決能力を身につける。こうして得た知識や能力は修士論文での研究成果に活かすことになる。また、国際特許や意匠や商標の登録方法も実践できるようになる。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
法学研究科は「真理愛好、個性尊重」という本学の建学の精神に則り、法学・政治学・国際関係の分野における多様な基礎的・先進的研究を推進し、真理探究に努めるとともに、学生の個性を尊重しつつ、社会のニーズに応える高度な専門教育を展開する。 法学研究科の目的は、法律事務や行政において活躍しうる専門的職業人、企業・地域社会・国際社会において高度な法的(専門)能力を備えた担い手として活躍しうる人材及び公的な事柄に強い関心を持ちうる人材を育成することとする。 上記カリキュラム・ポリシーにもとづく授業を実施しつつ、修士課程におけるディプロマ・ポリシーは、学部段階において修得した法学や政治学に関する専門的知識や能力を基礎として、各分野の専門的知見を修得することを目的とする。そして、実社会や法実務において応用することができる高度な専門的知識を修得し、それを実践的な問題解決に生かすことができるようになる。専攻分野における理論的・実践的論点を抽出してそれを追求し、研究成果としての修士論文において一定の解決や方向性を示すことができる。 学部で学んだ基本的な法学知識やスキルをもとに、知的財産権法の体系的な知識や特許などの各知的財産の法律の仕組みや制度を学修する。各法律ごとに目的・定義などの項目などを参照し比較対照できるようになる。常に知的財産についての興味をもち、ニュースなどに注意をはらうように習慣づけ、実社会における知財の事例を身近に感じる態度を身につけるようになる。事例研究を通して論点の議論ができるようになる。知的財産に関する事例を少なくとも10例は説明できるように、論点などを整理・分析するスキルを身につける。 学生たちは事例研究報告を各知的財産法毎に行い、他の学生の報告内容について、法的質疑応答能力を高める。事例研究において、争点・論点分析能力をさらに高度なものにし、他の事例との比較分析ができる法的技術を学修する。このように、知的財産に関する専門分野における理論的・実践的論点を抽出して追求することで、修士論文作成への一つの方向付けとしてその成果をつなげることができるようになる。 |
授業のキーワード /Keywords |
発明・特許・意匠・商標・著作権・独占禁止法・不正競争防止法 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
知的財産権法(特許法・商標法・意匠法・不正競争防止法・著作権法)のそれぞれの制度や法の仕組みについて教授する。独占禁止法、特に知財に関する適用除外規定との関連について教授する。代表的な知財事例を取り上げ、背景知識を深め、分析方法を指導し、論点を整理する能力を高める。裁判所、公正取引委員会、特許庁のデータベース、J-plat-patを使用して、実習を行い、上記、論点分析力を活用して事例研究をおこなえる能力を習得できるようにする。 自宅学習時間を利用して、常に、授業や実習で学んだ知識を各自確認し定着させるように予習・復習をしてくるように指導する。 普段から知財に関する身近な例に関心をもって、どのように活用されているかを各自リサーチするように心がける。各知的財産法毎にまとめとして小テストを行い、基礎知識の定着と応用知識への適用ができる能力をつける。 国際機関(アメリカ商務省・日本JICA)での実務経験を生かして、知的財産に関する条約や国際的協定などを教授する。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
身の回りにある知的財産について興味をもって観察してください。どのように知的財産権が社会で利用され活用されているかを調査し分析してみてください。 |
授業時間外に必要な学修内容・時間 /Required Work and Hours outside of the Class |
予習として、各知的財産法毎に身近例を各自用意(1~2時間)して授業に臨むこと。復習として、「ヒット商品はこうして生まれた」日本弁理士会などを参照し、実例とのつながりを学習する(各授業2時間程度)また、知的財産権法(特許法・商標法・意匠法・不正競争防止法・著作権法)や独占禁止法(特に知財に関する適用除外規定との関連)の事例研究報告のための準備をおこなう。(各4時間程度) 実例研究のための実習として、特許庁のデータベース、J-plat-pat「特許情報プラットフォーム」の使用方法を学修して活用できるようになる。(4時間程度) 検索調査を行うことで、実際に知的財産(特許・商標・意匠など)の登録にどのような実例があるかを学ぶことができ、研究報告の事例を行う際の理解を深めることができるようになる。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
知的財産権法(特許法・商標法・意匠法・不正競争防止法・著作権法)に関する事例研究 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
成績評価は、以下の各評価要素を括弧内に記載した割合で評価する。 (1)授業中の質疑応答(50%)(2)事例調査・報告(50%) 定期試験なし |
テキスト /Required Texts |
必要に応じて資料を配布する。 |
参考図書 /Reference Books |
特になし |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 1 | 知的財産法総論 | 知的財産法とは知的財産の権利保護と利用促進により産業の発達もしくは文化の発展に寄与することを目的とした法規の総称である。知的財産の種類、保護体系および知的財産法に含まれる各法とその概要について講義する。 | |
2 | 2 | ヒット商品 | ヒット商品とヒットしない商品の違いについて考察する。ヒット商品とその理由、ヒットする期間、ヒットする価格層などについて、ヒット商品のアイデア創出方法や具現化する過程などを調査し考察する。 | |
3 | 3 | どのように守るのか | 企業秘密やノウハウを企業はどうやって守っているのか考察する。知財法で保護する場合やコカ・コーラの製法のように企業秘密として守ることもできる。特許権を盾に守るか、不正競争防止法で不正な偽物を阻止するか、議論を深める。 | |
4 | 4 | 知財検定 | 知的財産管理技能検定試験について講義する。就職準備や就職してからの付加価値として資格はとても重要である。知財関連で、技能士という国家資格が取れる制度がある。 http://www.kentei-info-ip-edu.org/ を参照する。 |
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5 | 5 | 弁理士の仕事 | パテントローヤー、つまりpatent lawerとは弁理士のことである。英語で表記すると弁護士という単語のlawerが含まれている。知財と深いつながりがある職業の弁理士について、どうやって資格をとるのか、どんな仕事をするのかを講義する。 | |
6 | 6 | アイデアと権利化 <アイデア証明記録> |
よいアイデアが浮かんできた時にどうしますか。人に話してしまうと、そのアイデアを人が勝手に使って商品化してしますこともあります。アイデアが浮かんできたらまず書き留めることが肝要です。不完全な状態で構わないので、アイデアを書き留め、改良していく。アイデア創出から試作品作成、そして商品化のプロセスを講義します。 |
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7 | 7 | J-plat-pat「特許情報プラットフォーム」 | 実例研究のための実習として、特許庁のデータベース、J-plat-pat「特許情報プラットフォーム」の使用方法を学修して活用できるようになる。検索調査を行うことで、実際に知的財産(特許・商標・意匠など)の登録にどのような実例があるかを学ぶことができ、研究報告の事例を行う際の理解を深めることができるようになる。 | |
8 | 8 | 特許法 発明=≫特許 |
特許法は産業財産権の中核をなす法律である。特許法は発明を保護することにより産業の発達に寄与することを目的としている。日本の特許制度の沿革の説明をとおして、特許制度の基礎を理解し、保護対象についてさらに理解を深める。 特許に関する手続きについて概説する。特許出願の意義や効果、また、先願主義と先発明主義の違いや審査手続き、そして、特許の登録要件や査定について講義する。 また、特許権侵害と救済についても議論する。 実用新案法の概要を説明する。保護対象や登録要件や出願手続きそして実用新案権の効力について講義する。 |
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9 | 9 | 商標法 <カーネルサンダース像もペコちゃんも> |
商標法は、商標を使用するものの信用を維持して産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的としている。企業にとって商標の役割や、商標法の保護対象について事例をあげて講義をおこなう。 商標の役割や商標法の目的や保護対象の理解を踏まえ、商標登録を受けるための要件、商標登録の手続について具体例をあげて講義をおこなう。 文字商標ほか立体商標・音商標・色商標・動き商標など自他判別機能 |
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10 | 10 | 意匠法 <回転すし屋の内装も> |
意匠法は、デザインという創作を保護する法で、権利の保護と利用を図ることによって産業の発達に寄与することを目的としている。意匠法の目的と保護対象や意匠登録を受けるための要件について講義をおこなう。 意匠法の目的や保護対象、そして意匠登録を受けるための要件の理解をふまえて、意匠権付与の手続や意匠権の効力、権利侵害と救済について講義する。 デザインといっても多種多様な分野で使用されています。デザインの活用されている分野を調査研究し、どのように保護されているのかを理解します。不動産がデザイン(意匠権)で権利がとれるようになりました。実例を使用して講義します。 本屋や寿司屋の内装や駅舎の外装も登録 |
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11 | 11 | 経済憲法=≫独占禁止法 | 同じ市場で競争している事業者同士で話し合いをすることは違法でしょうか。話をする内容によります。カルテル行為とはどのような行為かを講義し、実例を使用して違法であるカルテル行為について分析することができるようになる。 公正取引委員会の役割を講義します。特許や実用新案、そして意匠や商標といえば、特許庁です。著作権は文化庁の管轄です。同じく行政機関として公正取引委員会は独占禁止法の運用を行っています。公取の役割を講義することにより、知財と独禁法の関連性を学びます。 |
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12 | 12 | 独占禁止法 | 経済法総論として、独禁法の歴史上の位置づけの推移、そして目的と体系について概説するとともに、事業者や取引分野や競争制限について講義する。 私的独占、不当な取引制限(カルテル)そして不公正な取引方法についてのそれぞれの禁止行為類型について、判例や審判などの関連事例を使用しつつ講義する。 |
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13 | 13 | 知財権と独禁法の関係 | 知的財産法による権利行使の適用除外規定(独禁法21条)を説明し、競争政策と知的財産制度との関連を議論する。 ぱちんこメーカーがそれぞれ取得している特許や実用新案を貸し借りすると煩雑な時間と手間がかかります。そこで管理する会社を作って管理運営をしました。これらの行為は合法な事業活動です。しかし独占禁止法違反となった事件の論点を議論して、知財権が含まれる事案であるが、独禁法違反となった理由を考察する。 |
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14 | 14 | 著作権法 <AIが生成したものは著作物とはならないのか> |
著作権法は文化的所産の公正な利用に留意しつつ権利の保護を図ることによって文化の発展に寄与するための法律である。著作権は、創作された時点で発生する権利で、特許権などの産業財産権とは異なっている。著作権法の沿革や目的ついて講義する。著作権法の保護対象である著作物、そして、権利者である著作者について講義する。 著作権の保護期間や消滅理由、 著作権の制限と著作隣接権について説明する。権利侵害について、実例を通して民事上の救済について議論する。 SNSは広く多くの人たちが世界中で利用しています。SNSの抱える問題を考察する。ツイッターでリツイートして写真をシェアしたところ、同一性保持権である氏名表示がされなかった。事件の概要を調査し、論点整理し、問題点を考察する。 AIが著作鵜物を生成する場合はどうなるのか。 |
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15 | 15 | 海外で知財権を取得する | 知的財産法は各国ごとに制定されており、その内容も各国で同一でないため、知的財産の国際的な保護の面で多くの課題がある。そこで知的財産法の国際的調和および条約について講義する。 海外で知的財産権を取得するには、取りたい国へ個別に申請する方法と条約を利用する方法がある。条約などを利用する場合、WIPO・パリ条約・PCT・マドプロ・商標法条約などの理解が不可欠である。権利獲得方法を教授し、利点等を議論する。 |