科目一覧へ戻る | 2023/07/21 現在 |
開講科目名 /Class |
健康・医療心理学Ⅰ(健康)/Health Psychology |
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授業コード /Class Code |
BC00582001 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
心理学部/Psychology |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
木2(前期)/THU2(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
竹田 剛/TAKEDA TSUYOSHI |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈専門科目群〉/*** MAJORS *** 〈SPECIALIZED SUBJECTS〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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竹田 剛/TAKEDA TSUYOSHI | 心理学部/Psychology |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義) |
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授業の目的 /Class Purpose |
この講義は、心理学部1年次生を対象に開講される専門講義科目であり、公認心理師養成カリキュラムに含まれる基礎的科目です。心理学部のDP1「心理学の専門知識を習得し、医療・福祉・教育・産業・司法などの分野で専門知識を生かすことができる」およびDP5「心理学の専門知識や研究成果を第三者に適切に伝えることができる」の習得を目指します。 近年では、心と身体の健康をいかに高めるか(いかに低下を予防するか)に注目が集まっています。このことに関わる健康心理学は、我々が日々生活をしている中で受けるストレスと、それを契機に生じる心と身体の様々な変化を研究および実践の対象にしています。さらに食生活や睡眠、喫煙などと関連する健康増進についても多くの知見を有しています。身近なテーマではありますが、実践力の高い学問です。 この授業では、まずストレス理論に関する基礎の概説を行います。次に心身症や生活習慣病などのネガティブな方向への心身の変化についても実践例として取り上げます。それに加えて近年注目を集めている話題についても扱います。具体的にはストレスチェックに代表される組織における心身の健康や、災害時における心身の健康支援、「健康日本21」などの健康増進施策についても触れます。それらを通して、自分自身や周りの人々の健康のあり方についての理解を実践的・横断的に深めることを目指します。 なお、この科目の担当者は公認心理師であり、心療内科で約10年のカウンセリング経験を持つ実務経験のある教員です。講義の中では、これらの経験を踏まえた心理援助の方法にも触れながら、実践的な理解へと繋げていきます。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1.ストレスと心身の疾病との関係について、基本的な説明ができる。(知識) 2.医療現場における心理社会的課題及び必要な支援について、基本的な説明ができる。(知識) 3.保健活動が行われている現場における心理社会的課題及び必要な支援について、基本的な説明ができる。(知識) 4.災害時等に必要な心理に関する支援について、基本的な説明ができる。(知識) 5.医療分野の公認心理師が関わる基本的な事項に関心を持ち、その課題と支援について心理学的観点から考えることができる(態度・習慣)。 |
授業のキーワード /Keywords |
ストレス、心身相関、ストレスマネジメント、ヘルスケア |
授業の進め方 /Method of Instruction |
講義を中心に、様々なワークを取り入れながら進めます。講義中も出席カードなどを用いて受講生の質問や感想・意見を集め、また理解度を確認しながら双方向的な授業を作ります。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
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授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
事後学習として各回の配布資料をよく読んでおくこと(目安として45分)。試験の前にはさらに授業のポイントを整理し,理解を深めておくこと(目安として3〜4時間)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
毎回の授業の内容に関する小テストもしくは小レポートの提出。課題総数のうち2/3以上の提出を単位認定の要件とします。次回以降の講義にて解答を示すとともに補足の解説を行います。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
小テスト・小レポート課題等50% 定期試験50% なお課題総数のうち2/3以上の提出を単位認定の要件とします。 |
テキスト /Required Texts |
なし。 |
参考図書 /Reference Books |
なし。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 健康心理学とは何か | 健康心理学が扱うテーマと目標(心と身体の健康の維持と増進,疾病の予防と心理的援助など)の概説を通して,健康心理学が担う役割について説明します。 | |
2 | 第2回 | ストレスの心理学的基礎 | ストレス理論について概説します。ストレスが環境との相互作用の中で感知されること(トランスアクショナル・モデル),それへの対処方略(コーピング)について解説します。 | |
3 | 第3回 | ストレスの生理学的基礎と心身の疾病 | ストレスが強まることで生じる心身の変化について概説します。ストレスを受けて自律神経系などが乱れること,それによって心と身体の双方に様々なストレス反応が生じることを解説します。 | |
4 | 第4回 | 健康とパーソナリティ | パーソナリティ(性格)と心身の健康の関連について概説します。自尊感情などの様々なパーソナリティに加えて,タイプA行動パターンなどの行動傾向との関連についても触れます。 | |
5 | 第5回 | 心身の健康増進とストレスマネジメント | 心と身体の健康増進のための様々なアプローチ方法について概説します。緩衝要因や「予防」の重要性について解説し,アセスメントの実践についても触れます。 | |
6 | 第6回 | 心身症① 抑うつ状態 | 心理面の関与が大きい心身症である抑うつ状態について概説します。加えて燃え尽き症候群や自殺の問題についても触れながら,それらへの援助について解説します。 | |
7 | 第7回 | 心身症② 摂食障害 | 身体面へ強く症状があらわれる心身症である摂食障害について概説します。神経性やせ症・神経性過食症がもつ食行動異常に加えて,アレキシサイミア・アレキシソミアについても解説します。 | |
8 | 第8回 | 健康増進と生活習慣病予防① 食生活 | 健康心理学が食生活の改善に果たす役割について概説します。特に肥満や糖尿病,心血管疾患に与える影響について触れ,それへの第一次〜第三次予防アプローチについて解説します。 | |
9 | 第9回 | 健康増進と生活習慣病予防② 睡眠 | 健康心理学が睡眠の改善に果たす役割について概説します。睡眠が果たす心身の健康増進について触れるに加え,睡眠障害についての第一次〜第三次予防アプローチについて解説します。 | |
10 | 第10回 | 健康増進と生活習慣病予防③ 飲酒・喫煙 | 健康心理学が飲酒・喫煙の問題に果たす役割を概説します。依存形成についてや,飲酒・喫煙と関わる疾患について触れ,予防アプローチについて解説します。 | |
11 | 第11回 | 組織における心身の健康増進 | 健康心理学が組織において果たす役割を概説します。特に職場ストレスについて触れ,それへのアセスメントやケアのあり方,ワーク・ライフ・バランスの維持について解説します。 | |
12 | 第12回 | 心身の健康とライフサイクル | ライフサイクルや対象者に合わせた健康心理学の役割について概説します。児童期や高齢期などの時期に応じた留意点や,女性を取り巻く健康問題について解説します。 | |
13 | 第13回 | 災害時における心身の健康支援 | 健康心理学が被災した地域や方々に対して果たす役割を概説します。災害精神保健や心理的応急処置について解説するとともに,支援の実践例について紹介します。 | |
14 | 第14回 | 援助者の心の健康 | 様々な介入や予防活動を行う援助職者本人の健康維持について概説します。援助者が抱えるストレスの特徴について触れ,認知行動療法やピアサポートを通したセルフケアについて解説します。 | |
15 | 第15回 | 様々な健康増進施策 | 国内外および地域で実施されている様々な健康増進に関する施策を概説します。特に「健康日本21」や「心の健康対策」について紹介し,国や地方が施策を行うことの重要性について解説します。 |