科目一覧へ戻る | 2023/07/21 現在 |
開講科目名 /Class |
知覚・認知心理学/知覚心理学(知覚・認知心理学)/Psychology of Perception |
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授業コード /Class Code |
BC00512001 |
開講キャンパス /Campus |
有瀬 |
開講所属 /Course |
心理学部/Psychology |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
月4(後期)/MON4(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
森田 磨里絵/MORITA MARIE |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈専門科目群〉/*** MAJORS *** 〈SPECIALIZED SUBJECTS〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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森田 磨里絵/MORITA MARIE | 心理学部/Psychology |
授業の方法 /Class Format |
講義 |
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授業の目的 /Class Purpose |
本講義は、心理学部のディプロマ・ポリシーに示す、「3. 心理現象を解明する適切な方法を駆使し、探求することができる」、「5. 心理学の専門知識や研究成果を第三者に適切に伝えることができる」能力を獲得することを目指す。人間の感覚と知覚は、思考や判断という認知的な影響を受けにくいという点において生理学的現象に近いといえる。本講義では、人間の感覚と知覚の機序について、これまでの知見や最近の脳研究をもとに概説する。さらに、人間の感覚や知覚に関わる障害について概説する。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
・ 心理物理学について説明できる。 ・ 明るさと色の知覚、奥行きの知覚、運動の知覚、物体・シーンの知覚について説明できる。 ・ 音と音声の知覚について説明できる。 ・ 嗅覚、味覚、触覚、体性感覚、自己受容感覚、前庭感覚、多感覚統合について説明できる。 ・ 注意、意識、失認について説明できる。 ・ 知覚の可塑性について説明できる。 |
授業のキーワード /Keywords |
感覚・知覚、心理物理学、明るさと色の知覚、奥行きの知覚、運動の知覚、物体・シーンの知覚、音と音声の知覚、嗅覚、味覚、触覚、体性感覚、自己受容感覚、前庭感覚、多感覚統合、注意、意識、失認、知覚の可塑性 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
パワーポイントによるスライドや配布資料、視聴覚教材を用いた説明を行う。授業回ごとに「授業後課題」を課し、次回以降の授業時にフィードバックする。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
授業回ごとに、授業内容に関する説明資料を配布する。この授業科目を履修するにあたって、できるだけ2年次生のうちに「心理学基礎実験実習Ⅰ(心理学実験)」と「心理学基礎実験実習Ⅱ(心理学実験)」は履修しておいてほしい。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
事前学習として、「授業計画」を参考に、できるだけ授業の内容について自主的に調べ、授業に臨んでもらいたい(目安として1時間)。授業終了後に、内容が正しく理解できているかどうかを確認し、必要に応じて基礎的な事項や概念、用語について調べ直ししておく必要がある(目安として1時間)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
授業回ごとに理解度を確認する「授業後課題」を課し、次回以降の授業時にフィードバックする。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
全授業後課題の3分の2以上の提出をもって、単位の認定・評価の対象者とする。授業回ごとに授業内容の理解度を確認する「授業後課題」(15課題)40%、学習内容全体の習熟度を測る「学期末定期試験」(1回)60%で評価する。 |
テキスト /Required Texts |
テキストは使用しない。 |
参考図書 /Reference Books |
・太田信夫(監修)・行場次朗(編集)『シリーズ心理学と仕事1 感覚・知覚心理学』(2018年)北大路書房 ¥2,300(税別) ISBN:9784762830426 ・中村 浩・戸澤純子(著) 『テキストライブラリ 心理学のポテンシャル 2 ポテンシャル知覚心理学』 (2017年) サイエンス社 ¥2,300(税別) ISBN: 9784781913957 ・松井 豊(監修)・綾部早穂・熊田孝恒(編) 『ライブラリスタンダード心理学 2 スタンダード感覚知覚心理学』 (2014年) サイエンス社 ¥2,600(税別) ISBN:9784781913322 ・北岡明佳 (編著) 『いちばんはじめに読む心理学の本 5 知覚心理学 心の入り口を科学する』 (2011年) ミネルヴァ書房 ¥2,800(税別) ISBN:9784623057696 ・海保博之(監修)・菊地 正 (編) 『朝倉心理学講座 6 感覚知覚心理学』 (2008年) 朝倉書店 ¥3,800(税別) ISBN:9784254526660 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 感覚・知覚の一般的特性 | 外界からの刺激の受容に関連した精神機能としての感覚・知覚の一般的特性について概説する。 | |
2 | 第2回 | 心理物理学と感覚・知覚研究法 | 外界の刺激とそれに対する反応との関数関係を調べる心理物理学(精神物理学)について、ならびに感覚・知覚の研究における研究法と測定法について、具体例を挙げながら概説する。 | |
3 | 第3回 | 視覚の特性とメカニズム(1):明るさ | 視覚に関する刺激である光の特性、視覚における感覚受容器である眼球の構造と機能、および網膜から大脳皮質までの視覚情報処理を基盤とした人間の視覚のメカニズムおよびその特性について、特に明るさの知覚に焦点を当てて概説する。 | |
4 | 第4回 | 視覚の特性とメカニズム(2):色、奥行き | 視覚に関する刺激である光の特性、視覚における感覚受容器である眼球の構造と機能、および網膜から大脳皮質までの視覚情報処理を基盤とした人間の視覚のメカニズムおよびその特性について、特に色と奥行きの知覚とその障害に焦点を当てて概説する。 | |
5 | 第5回 | 視覚の特性とメカニズム(3):運動、物体知覚 | 大脳皮質における視覚情報処理を基盤とした人間の視覚のメカニズムおよびその特性について、外界の3次元空間を認識する際に重要な役割を果たす物体やシーン(光景、情景)および運動の知覚に焦点を当て概説する。 | |
6 | 第6回 | 視覚の特性とメカニズム(4):注意、視覚障害・失認 | 人間が特定の刺激対象あるいは刺激対象の特定の部分に目を向けたり、耳をそばだてたりするという注意の機能と役割、およびロービジョンをはじめとする視覚障害・失認とそれらに由来する生活上の困難・支援方法について概説する。 | |
7 | 第7回 | 聴覚の特性とメカニズム(1) | 聴覚をもたらす刺激である音、聴覚における感覚受容器である耳から大脳皮質までの聴覚情報処理を基盤とした、人間の聴覚の基本的なメカニズムおよびその特性について概説する。 | |
8 | 第8回 | 聴覚の特性とメカニズム(2):音声、障害 | 聴覚をもたらす刺激のうち、特に人の発する音声の特性と知覚について説明するとともに、聴覚器官に何らかの障害が生じ、音が聞こえにくくなる状態を指す難聴について、その支援方法や機器・装具を含め概説する。 | |
9 | 第9回 | 味覚の特性とメカニズム | 味覚をもたらす刺激である味物質、味覚受容器から大脳皮質までの味覚情報処理を基盤とした、人間の味覚のメカニズムおよびその特性について概説する。 | |
10 | 第10回 | 味覚に影響を与える要因と感覚間相互作用 | 人間の味覚メカニズムにおいて分析された味と、ニオイや色等の他感覚や外環境の要因とが影響しあい、対象のおいしさが認識されるまでの心の働きについて概説する。 | |
11 | 第11回 | 嗅覚の特性とメカニズム | 嗅覚をもたらす刺激であるニオイ物質、嗅覚受容器から大脳皮質までの嗅覚情報処理を基盤とした、人間の嗅覚のメカニズムおよびその特性について概説する。 | |
12 | 第12回 | 嗅覚に関する認知特性と日常応用例 | 人間の嗅覚メカニズムで分析されるニオイが、過去の経験や学習、環境等の要因によってどのように影響を受けるのかについて概説するとともに、人間の嗅覚メカニズムおよびその特性をふまえた日常生活における応用例(制汗剤・消臭剤等)も併せて説明する。 | |
13 | 第13回 | 触覚の特性とメカニズム | 触覚における感覚受容器である皮膚の機械受容器から大脳皮質までの情報処理を基盤とした、人間が温かさや熱さ、冷たさ、痛み等を感じる触覚のメカニズムおよびその特性について概説する。 | |
14 | 第14回 | 前庭感覚・身体感覚 | 人間が自己受容感覚や前庭機能(平衡感覚)を通じてさまざまな知覚を得るという心の働きについて概説する。 | |
15 | 第15回 | 多感覚統合と知覚の可塑性 | 人間が複数の感覚様相を通じて得た感覚情報を統合的に捉える心の働きとメカニズム、ならびに外部からの刺激の変化や内部の変化に応じて人間の感覚・知覚の機能が変化する性質について概説する。 |