科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
東アジア地政学/Geopolitics in East Asia |
---|---|
授業コード /Class Code |
BB01821001 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
グローバル・コミュニケーション学部/Global Communication |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
木1(後期)/THU1(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
岡野 翔太/OKANO SHOTA |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈コース科目群〉/*** MAJORS *** 〈Course-Specific Classes〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
---|---|
岡野 翔太/OKANO SHOTA | グローバル・コミュニケーション学部/Global Communication |
授業の方法 /Class Format |
講義 |
---|---|
授業の目的 /Class Purpose |
日本には「華僑」とも呼ばれる中国系および台湾系移民が暮らしています。かれらが日本へとやってきた経緯や理由は、各時代によって異なり、主にオールドカマー(老華僑)とニューカマー(新華僑)の二つに分けて説明されています。前者には幕末の日本の開国や植民地といった日本の対外進出が、後者には1980年代以降の日本の経済発展が関係しています。 そして、今日「華僑」と呼ばれる人びとの自己認識や他者からのまなざしは、同時代の日本国内の状況や日中台関係の在り方から非常に強い影響を受けてきました。時代とともに中国系・台湾系の人を名指す語やカテゴリーも、時代の経過や社会的文脈の変化とともに変容してきました。 本講義では、日本に在住する、中国大陸および台湾などにルーツを持つ人びとの経験について紹介し、19世紀から現在に至るまでの東アジア地域の変遷を見つめなおします。そのうえで、戦後日本の中国認識や日本在住のエスニック・マイノリティの現状も考えていきます。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
・本講義を通して、私たちが暮らす社会で自明されていることを、異なる立場から見つめなおすことによって、複層的に捉える視点を身につけることができる。 ・変動激しい東アジア社会に対する理解を基盤として、国際感覚に基づいて行動できる。 |
授業のキーワード /Keywords |
|
授業の進め方 /Method of Instruction |
基本的には講義形式の授業ですが、受講人数によってはグループワークを行ってもらう場合もあります。また受講生の積極的かつ主体的な発言や質問、自由な議論も期待しています。なお、受講生の関心によって順番を入れ替えたり、新しい項目を付け加えることもありますのであらかじめご了承ください。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
授業で取り上げる内容については、日本で暮らすにおいて身近な問題として関心を寄せ、「日本と無関係の歴史ではない」ということに自覚的であるように心がけて下さい。 担当者:岡野翔太(大阪大学レーザー科学研究所・特任研究員) okano.shota.ile【A】osaka-u.ac.jp 【A】を@に置き換えてください。 |
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
事前学習:予告した次回講義テーマに関して下調べを行い、疑問点を明確にする。 事後学習:講義ノートや配布資料を復習する。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
毎回コメントペーパーの提出が必要です。コメントペーパーについては翌週の授業の冒頭において、それに対するフィードバックを行います。なお一定の字数に満たないコメントペーパーや、不正があった場合、提出していないものとみなします。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
本講義の成績評価は、(1)期末レポートの作成と(2)授業ごとのコメントペーパー等の提出から総合的に判断します。 (1) 期末レポートの作成(60%) レポートでは以下の点が到達できているかを確認します。 ・レポートの作成を通じて、日本のエスニック・マイノリティをとりまく課題や、近現代東アジア史に対する理解を深めることができた。 ・講義で得られた知見と、自らの関心との関連性を明確にすることができた。 なお、以下が見られた場合は評価不能となる場合があるので注意すること。 ・レポートを期日までに提出しなかった。 ・レポートの形式に関し、著しい不備が見られ、改善されなかった。 ・レポートに関して、文献の引用などに関する不正があり、改善されなかった。 (2)授業でのディスカッションの取り組みとリアクションペーパーへの回答 (40%) ・授業全般において、他の学習者の学習を妨げる行為、あるいは授業の進行を妨げる行為があるとの注意を教員から受けた後も、改善が見られなかった場合は欠席扱いとします。 |
テキスト /Required Texts |
特に指定しない |
参考図書 /Reference Books |
田中仁・ 菊池一隆・ 加藤弘之・ 日野みどり・ 岡本隆司『新・図説 中国近現代史:日中新時代の見取図 』(法律文化社、初版2012年、改訂版2020年)。 中村元哉・森川裕貫・関智英・家永真幸『概説 中華圏の戦後史』(東京大学出版会、2022年)。 川島真編『ようこそ中華世界へ』(昭和堂、2022年)。 小野寺史郎『戦後日本の中国観』(中央公論新社、2021年)。 伊藤泉美『横浜華僑社会の形成と発展:幕末開港期から関東大震災復興期まで』(山川出版社、2018年)。 中華会館編『落地生根:神戸華僑と神阪中華会館の百年』(研文出版、初版:2000年、増補改訂版2013年)。 若松大祐・赤松美和子編『台湾を知るための72章 』第2版(明石書店、2022年)。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
---|---|---|---|---|
1 | 第1回 | イントロダクション | 「中華圏」「中華世界」とは | |
2 | 第2回 | 「国」という想像の共同体 | 大衆音楽を通して見る東アジアの百年 | |
3 | 第3回 | 日本における中華学校の誕生 | 中華学校と梁啓超・康有為の関係 | |
4 | 第4回 | 辛亥革命前夜 | 孫文の革命運動と中華民国の成立 | |
5 | 第5回 | 日本帝国の拡大と台湾領有 | 台湾本島人の日本「内地」移住 | |
6 | 第6回 | 日本の占領地と日中戦争 | 満洲国と汪精衛政権 | |
7 | 第7回 | 日本の敗戦と「日本人」の再定義 | 旧植民地出身者の「外国人」化 | |
8 | 第8回 | 「二つの中国」で揺れた中華街 | ドキュメンタリー映画『華のスミカ』について | |
9 | 第9回 | 「二つの中国」と日本華僑 | ||
10 | 第10回 | 在外台湾人の反体制運動 | 廖文毅、王育徳の活動から | |
11 | 第11回 | 台湾の政治的変動:戒厳令の解除、民主化 | ||
12 | 第12回 | 「中華圏」のパスポート | 香港の歩みを例に | |
13 | 第13回 | 越境する東アジアの大衆音楽① | 東アジア域内の大衆音楽の伝播について、日本帝国の拡大と縮小を踏まえながら、制作人や歌手を事例に考える | |
14 | 第14回 | 越境する東アジアの大衆音楽② | テレサ・テンなど1970年代以降の日本で活躍した歌手を取り上げ、日本を含む東アジア域内の音楽の相互伝播について考える | |
15 | 第15回 | まとめ |