科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
グローバル化と言語/グローバリズムと言語/Globalization and Language |
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授業コード /Class Code |
BB00082001 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
グローバル・コミュニケーション学部/Global Communication |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
水1(後期)/WED1(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
中西 のりこ/NAKANISHI NORIKO |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈学部科目群〉/*** MAJORS *** 〈Faculty Common Subjects〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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大濱 慶子/OOHAMA KEIKO | グローバル・コミュニケーション学部/Global Communication |
栗原 由加/KURIHARA YUKA | グローバル・コミュニケーション学部/Global Communication |
中西 のりこ/NAKANISHI NORIKO | グローバル・コミュニケーション学部/Global Communication |
授業の方法 /Class Format |
◎中西(第1回〜5回) 基本的に講義形式の授業ですが、頻繁に受講者の意見を求めたり発表を課したりします。最初5回分(中西担当)はすべてGCsquare上で課題提出を求めるため、中国語コースおよび日本語コースの学生はGCsquareに登録しておくこと。 最初の履修登録に間に合わなかったためGCsquareで「グローバル化と言語」にアクセスできない人は、nakanisi@gc.kobegakuin.ac.jp (中西) へご連絡ください。 |
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授業の目的 /Class Purpose |
グローバル化が抱える諸問題を、言語を通して考察できるようにすることを目的とします。この科目は、グローバル・コミュニケーション学部のディプロマポリシーのうち、「3. 言語の基礎にある多様な社会、文化、歴史、政治、経済などについて幅広い知識や教養を身に付けることができる」に深く関わっており、グローバル化ならびにグローバリズムに関わる言語以外のさまざまな現象も学ぶことができます。そして、それらの知識をもとに、グローバル化と言語の問題を深く掘り下げて考えることができるようにします。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
グローバル化が進む中で、さまざまなものが国の境界を越えて行き来し、そのためある面では世界は急速に均質化しつつあるといえます。言語も、英語といういわゆるグローバルスタンダードさえマスターすれば万能であるかのように議論されることがありますが、本当にそうでしょうか。この授業では、グローバリズムが抱える諸問題を、主に言語を通して考察できるようにします。具体的には、以下のことを到達目標とします。 1)英語が世界共通語のように使われるようになった歴史的背景を学ぶことができるようにする。 2)ヨーロッパのかつての共通語であるラテン語のポジションと今日のEUの複言語主義について学ぶことができるようにする。 3)globalとtransnationalの違い、ICTとグローバル化、グローバル化と地域のアイデンティティ、グローバル化する社会での共通語としての英語と私たちの生活などについて十分な理解ができるようにする。 4)もう1つのグローバル言語である中国語について、その地域がもつ文化とともに詳しく学ぶことができるようにする。 5)言語や文化の越境、融合と摩擦、中国のナショナリティ、エスニシティ、地域性、ジェンダー、ルーツ探しについて学び、同時にグローバル時代を生きるリテラシーを身に付ける。 6)「グローバリズム」あるいは「グローバリゼーション」という事柄を理解するための方策として、グローバル言語とは言えない日本語を通して考えられるようにする。 7)日本語でものを考えることがグローバリズム、グローバリゼーションにかかわる諸相の理解にどのような影響を及ぼすのか、について考え、日本語で考える自己を相対化する視点を身に付ける。 |
授業のキーワード /Keywords |
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授業の進め方 /Method of Instruction |
受講者との対話を行いつつ、オムニバスの講義形式で授業を進めます。なお、授業中には理解度チェックのため頻繁にレポートやミニレポートを課します。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
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授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
予習・復習とも1時間程度を行ってください。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
授業中に作成するミニレポート、課題を含め、頻繁にレポートなどの提出を求めます。課題のフィードバックはそれぞれの回の担当教員が行います。 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
中西:複数回課したレポートに基づいて評価します。100点満点中34点分。 大濱:授業後のコメント及び課題提出で評価します。100点満点中33点分。 栗原:毎回の提出課題を評価します。100点満点中33点分。 以上の評価データを合計し、100点満点の評価点をもとに最終の成績評価を行います。 3分の2以上の欠席は評価の対象外とします。 |
テキスト /Required Texts |
授業中に適宜指示します。 |
参考図書 /Reference Books |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | 英語が世界共通語のように使われるようになった歴史的背景(中西) | かつてイギリスの強大な力により、多くの国々において植民地支配が行なわれました。当然ながらこれら植民地で用いられたのが英語でした。しかし、英語が世界共通語と言われるようになってきたのにはさらに別の背景もあります。世界共通語と言われるようになってきた理由は一体何なのかについて考察します。 | |
2 | 第2回 | ヨーロッパのかつての共通語であるラテン語のポジションと今日のEUの複言語主義 (中西) | ヨーロッパでは、かつてラテン語という今では死語となった言語が共通語として使用されていました。ラテン語が共通語としての地位を獲得するに至った経緯、そして共通語としての地位から転落してしまった理由は何でしょうか。そしてその後しばらくヨーロッパでは共通語と呼ばれる言語が現れなかったのはなぜでしょうか。さらに現在のEUではできれば第二外国語までしっかり学習すべきという複言語主義が提唱されています。共通の経済的・政治的基盤を築くべく統合を目指したEUにおいて、なぜ共通言語の模索をせず、複言語主義政策がとられたのかについて考察します。 | |
3 | 第3回 | globalとtransnationalの違い、ICTとグローバル化(中西) | 国境を越えた経済活動が盛んになり、international、つまり国際的ということばが頻繁に使われた時代がありました。さらにその後、国境すら意識しなくなるということで、ドラッカーはtransnationalということばを好んで使用しました。しかし今日ではさらにこれを越えて、globalということばがバズワードとして好んで使われるようになってきています。経済活動の推移を考えICTの影響も考慮に入れることにより、これら3つのことばの意味するところを考えます。 | |
4 | 第4回 | グローバル化と地域のアイデンティティ(中西) | グローバル化の背景としては、ICTの急速な発達も考えなければなりません。インターネット、とりわけWebの世界では英語での情報発信が格段に多いため、より一層世界中で「英語化」が進むのではないかと思われましたが、逆にインターネットのおかげでナショナリズムに火がつくという現象も頻発しています。グローバル化とナショナリズム、地域中心主義の関係はどのようになっているのかを考察します。 | |
5 | 第5回 | グローバル化する社会での共通語としての英語と私たちの生活(中西) | グローバルな時代、未来予想が困難な時代にあって、共通語という意味では英語が一人勝ちの状況にあります。今後この状況は変わらないのでしょうか。私たちの日常生活、そして今後のキャリアを考える上で、いわゆる共通語としての英語とどのように付き合うべきかを再考します。 | |
6 | 第6回 | グローバル言語と中国語 (大濱) |
中国語の母語話者数は世界一多く、ノン・ネイティブも含めた使用者数では英語に次いで世界二位です。華僑華人コミュニティが世界中に存在し、中国語は英語とは違った意味でのグローバル言語であり、近年のめざましい経済発展や情報産業の発展はそれに拍車をかけています。世界言語と中国語、またグローバル化の波の中で消えゆく言語などについて考えたいと思います。 | |
7 | 第7回 | 中国のナショナリティ、エスシニティとグローバリゼーション(大濱) | 多民族国家中国には漢民族のほかに55の少数民族が公認されており、実に130種類の言語が存在するといわれています。普通話(標準語)の普及、民族統治としての漢語・民族語二言語併用教育政策のほか、「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」(論語)という中国人の伝統的メンタリティーを掘り下げながら、言語とナショナリティ、エスニシティの関係、中国の内なる多元的世界観、多言語教育の課題などについて探究します。 | |
8 | 第8回 | 中国のグローバリゼーション、ローカライゼーション、翻訳と世界とのつながり(大濱) | グローバル化は言語にどのような影響を与えているのか。あふれる中国語の新語造語の洪水からこの問題を読み解きたいと思います。英語、日本語と融合し、中国語の新語がどのようにして生成しているのか、さらにグローバリゼーションとローカライゼーション、多言語翻訳の関係とその発展について英中日の翻訳を比較することによってその再創造の世界を探りたいと思います。 | |
9 | 第9回 | 日中の若者の民間交流と創作活動(大濱) | 近年若者の間で民間交流活動が活発化しています。両国のクリエイターによる合作アニメ映画も制作され、同時上映されて話題を呼びました。これらの作品を視聴し、合作によって表現された言語や文化、知の交流について皆さんに評論してもらいます。 | |
10 | 第10回 | 複眼的なレンズを通した自己の再発見と、グローバル化を生きるリテラシー(大濱) | 外国語の習得と活用は自己を不断に複合化、成長させ、無限の可能性の扉を開いてくれます。中国語を習得することによってどのような世界にアクセスでき、どのような可能性が開かれるのでしょう?それは英語の習得とどのように異なるのでしょうか?一方で、中国や欧米ではAI(人工知能)の開発が進み、AIが通訳翻訳をする時代が到来するとも言われています。複眼的なレンズを通した自己の再発見と21世紀のフロンティアを生きるリテラシーについて幅広く考えたいと思います。 | |
11 | 第11回 | 多文化共生における言語① | ことばによるコミュニケーションの難しさについて理解を深めます。 | |
12 | 第12回 | 多文化共生における言語② | 「やさしい日本語」とはどのような日本語かを理解します。 | |
13 | 第13回 | 多文化共生における言語③ | 「やさしい日本語」の作り方のルールを理解します。 | |
14 | 第14回 | 多文化共生における言語④ | 「やさしい日本語」使って日本語を書くための練習をします。 | |
15 | 第15回 | 多文化共生における言語⑤ | 「やさしい日本語」を使った話し方を理解します。 |