科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
防災史/History of Disaster Prevention |
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授業コード /Class Code |
BA01901001 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
現代社会学部/Contemporary Social Studies |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
後期/AUTUMN |
曜日・時限 /Day, Period |
金3(後期)/FRI3(AUT.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
前林 清和/MAEBAYASHI KIYOKAZU |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈専門分野科目〉/*** MAJORS *** 〈Specialized Subjects〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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前林 清和/MAEBAYASHI KIYOKAZU | 社会防災学科/Social Studies of Disaster Management |
授業の方法 /Class Format |
講義とワークショップ(対面授業) |
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授業の目的 /Class Purpose |
この科目は社会防災学科ディプロマポリシー1(知識・技能)に関連する。 日本は、今も昔も大小さまざまな災害を受けてきた。国連大学が毎年出している「ワールドリスク報告書」によると、日本は災害に遭いやすい国として、常に世界の上位(二〇一七年四位、二〇一八年四位、二〇一九年九位、二〇二〇年は十位)にランキングされている。 わが国は、気候も地形も変化に富んだ美しい国であるが、同時に世界でも有数の災害多発国なのである。つまり、日本は自然災害に襲われやすく、その際の危険性も相当高いのである。その理由は、日本の地理的な位置と気候、地形などにある。 しかし、学校の社会や日本史の授業において、災害についてはほとんど習ってこなかった。なにより、日本の歴史書には、災害のことはほとんど扱われていない。大規模な災害なら、それだけで何万人と人が死に、いくつもの町が壊滅するのである。また、災害を被った後、人々が苦難を乗り越えて、復旧・復興を成し遂げて営々と歴史を刻んできた、その延長上に私たちが今生きているのにも関わらず、災害は歴史のなかから葬り去られてきたのである。しかし、この幾多の災害からの、復旧・復興の過程こそが、私たち日本人の文化や哲学の形成にかかわっているのである。 そして、なにより重要なことが、過去の災害を知ることで、これからの災害に対応していく術を得ることができるからである。 このように考えると、過去にどのような災害と被害があり、その時、私たちの祖先はどのように考え、どのように対応したのか、ということを知ることは、今を生きる私たちがこれから起こるであろう災害を予測し、それに対してどのような考えをもって対処していくかを検討するために必要不可欠な情報なのである。地震や火山噴火、台風など、これから起こるであろう天変地異そのものは人間にはコントロールできない自然の脅威であるが、その未来の天変地異に備え、起きた時にどのように対応するかによって、その天変地異で引き起こされる被害を大きくも小さくもできるのである。つまり、未来は変えられるのである。ここに災害の歴史と思想を知る意義があるのだ。 本授業の目的は、日本の災害の歴史、その時々の思想を知ることだけではなく、将来起こるであろう天変地異の際の被害を最小限に押さえ、少しでも明るい未来を創り出すための歴史的知識を得ることである。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
1、わが国の災害とその思想の歴史を理解することができる。(知識) 2、過去の災害と人間の関わりについて深く考えることで、自分自身の存在価値や他者の存在、社会への関わりについて防災の視点で捉えなおすことができる。(態度・習慣) 3、一つの課題について、みなで討論する能力が身に付く。(技能、態度・習慣) |
授業のキーワード /Keywords |
災害、歴史、思想 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
テキストを使って授業をすすめる。また、テーマごとにワークショップを実施し、参加型授業を展開する。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
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授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
テキストの予習・復習、各2時間程度 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
レポート |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
授業に対する積極的な参加40%、レポート20%、確認テスト40% |
テキスト /Required Texts |
前林清和『日本災害思想史』神戸学院大学出版会 1800円 |
参考図書 /Reference Books |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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1 | 第1回 | ガイダンス | 授業の概要、進め方、評価の仕方などの説明、自己紹介、グループ作りなど | |
2 | 第2回 | 古代の災害と思想1 | わが国の古代における時代背景、主な災害、地震と天皇、菅原道真と地震について学ぶ。 | |
3 | 第3回 | 古代の災害と思想2 | わが国の古代における災害と思想に関するワークショップを個人またはグループで行い発表する。 | |
4 | 第4回 | 中世の災害と思想1 | わが国の中世における時代背景、主な災害、災害と武士、災害と無常観について学ぶ。 | |
5 | 第5回 | 中世の災害と思想2 | わが国の中世における災害と思想に関するワークショップを個人またはグループで行い発表する。 | |
6 | 第6回 | 近世の災害と思想1 | わが国の近世における時代背景、主な災害、江戸時代の災害観、武士道と社会貢献思想について学ぶ。 | |
7 | 第7回 | 近世の災害と思想2 | わが国の近世における時代背景、災害と藩、災害と民間、濱口梧陵と「稲むらの火」、二宮尊徳の報徳思想について学ぶ。 | |
8 | 第8回 | 近世の災害と思想3 | わが国の近世における災害と思想に関するワークショップを個人またはグループで行い発表する。 | |
9 | 第9回 | 近代の災害と思想1 | わが国の近代における時代背景、主な災害、災害と支援、赤十字について学ぶ。 | |
10 | 第10回 | 近代の災害と思想2 | わが国の近代における渋沢栄一、天譴論争、外国人から見た関東大震災と日本人について学ぶ。 | |
11 | 第11回 | 近代の災害と思想3 | わが国の近代における災害と思想に関するワークショップを個人またはグループで行い発表する。 | |
12 | 第12回 | 現代の災害と思想1 | わが国の現代における時代背景、主な災害、自助・共助・公助、ボランティア元年について学ぶ。 | |
13 | 第13回 | 現代の災害と思想2 | わが国の現代における災害とCSR,災害と「心のケア」とい思想、被災者の倫理、受援の思想、持続可能な社会と防災について学ぶ。 | |
14 | 第14回 | 現代の災害と思想3 | わが国の現代における災害と思想に関するワークショップを個人またはグループで行い発表する。 | |
15 | 第15回 | 総括 |