科目一覧へ戻る | 2023/07/20 現在 |
開講科目名 /Class |
アメリカ社会研究/Studies of American Society |
---|---|
授業コード /Class Code |
BA00161001 |
開講キャンパス /Campus |
ポートアイランド |
開講所属 /Course |
現代社会学部/Contemporary Social Studies |
年度 /Year |
2023年度/Academic Year |
開講区分 /Semester |
前期/SPRING |
曜日・時限 /Day, Period |
水4(前期)/WED4(SPR.) |
単位数 /Credits |
2.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
神崎 隼人/KANZAKI HAYATO |
科目区分 /Course Group |
【専門教育科目】 〈学部共通科目〉/*** MAJORS *** 〈Basic Subjects〉 |
遠隔授業 /Remote lecture |
No |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
---|---|
神崎 隼人/KANZAKI HAYATO | 現代社会学部/Contemporary Social Studies |
授業の方法 /Class Format |
対面授業(講義)。 |
---|---|
授業の目的 /Class Purpose |
“アメリカ”と聞くと、私たちは「アメリカ合衆国」のことだと思いがちです。しかし合衆国の建国以前、さらにはコロンブスによる「発見」以前から、“アメリカ”とは先住民の人々の生きてきた北から南まで続く世界なのです。本授業で、まずは南北アメリカ大陸先住民の世界であると理解します。その上で、南北アメリカ大陸先住民の人々の多様な社会、宇宙論、征服と抵抗の歴史、環境との深い関わりといった基礎的な知識を学びます。ところで、私たちが今アメリカ大陸先住民の人々について学ぶ必要はどこにあるのでしょうか? 本授業ではもう一つの軸として気候変動を導入します。私たちの生活スタイルは、現在明らかに持続不可能なものとなりつつあります。そして、私たちは思考を根本的に変革する必要に直面しています。アメリカ大陸先住民の活動家や知識人は、このような危機に関して、多くの言葉を与えてくれます。本授業ではそれらの言葉を、学修した知識に結びつけ紐解き、私たちの社会や環境との関わりを深く捉え直せるようになること(現代社会学部DP1に相当)を目指します。 |
到 達 目 標 /Class Objectives |
①“アメリカ”を、南北アメリカ大陸先住民の世界として捉え、人々の社会、宇宙論、歴史、環境との関わりについて概要を説明することができる。 ②気候変動という文脈のなかで、①の知識を踏まえてアメリカ大陸先住民の活動家や知識人の言葉を分析できる。 ③①と②を踏まえ自分たち自身の生活スタイルを批判的に対象化し論じることができる。 |
授業のキーワード /Keywords |
南北アメリカ大陸先住民、気候変動、人新世、アマゾン流域、アニミズム、先住民運動 |
授業の進め方 /Method of Instruction |
アマゾン流域の先住民活動家・思想家アイウトン・クレナッキをはじめとした人々の言葉を手がかりに、その言葉を理解するのに必要な知識を深めていきます。 |
履修するにあたって /Instruction to Students |
|
授業時間外に必要な学修 /Expected Work outside of Class |
テキスト『世界の終わりを先延ばしするためのアイディア』の言葉をじっくりと読むとともに、アマゾンの熱帯雨林の減少や先住民の置かれた立場について調べたり、みなさん自身の生活について見直す時間を持ってください(予習30分、復習30分程度)。 |
提出課題など /Quiz,Report,etc |
毎回の授業内容に関するコメントシート、レポート課題 |
成績評価方法・基準 /Grading Method・Criteria |
コメントシート(45%)+レポート(55%) - コメントシート:毎回の授業内容を適切に整理し把握した上で、疑問点を考えることができているか。 - レポート:授業内容の知識を用い有機的に関連付けながら、テキストを基に具体的に議論できているか。 |
テキスト /Required Texts |
アイウトン・クレナッキ『世界の終わりを先延ばしするためのアイディア:人新世という大惨事の中で』国安真奈訳、中央公論新社、2022年(1600円+税) |
参考図書 /Reference Books |
●富田虎男&スチュアート・ヘンリ(編)『講座 世界の先住民族––ファースト・ピープルズの現在–– 07北米』綾部恒雄監修、明石書店、2005年(4800円+税) ●黒田悦子&木村秀雄(編)『講座 世界の先住民族––ファースト・ピープルズの現在–– 08中米・カリブ・南米』綾部恒雄監修、明石書店、2007年(4800円+税) ●その他、講義の時に適宜紹介・配布します。 |
No. | 回 /Time |
主題と位置付け /Subjects and position in the whole class |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | ガイダンス | 授業の進め方と内容について理解する。 | |
2 | 2 | 「落ちゆく天空」 | 近代的な生活スタイルが及ぼす、アマゾニアの熱帯雨林や人々の生活への影響、そうした状況における先住民活動家の発する問いを理解する。 | |
3 | 3 | 「私たちは本当に、一つ人類なのでしょうか?」 | 「私たちは本当に、一つの人類なのでしょうか?」。南米先住民の多様な社会や文化について概観する。 | |
4 | 4 | 「私たちは本当に、一つ人類なのでしょうか?」 | 「私たちは本当に、一つの人類なのでしょうか?」。北米先住民の多様な社会や文化について概観する。 | |
5 | 5 | 「大地を食べ、大地の乳を受け、大地に横になり眠りたい」 | 多様な生態学的環境と、狩猟・採集・漁労・農耕との関係を学ぶ。 | |
6 | 6 | 「16世紀に世界は終わりました」 | ヨーロッパ人による新大陸の征服とキリスト教への改宗、独立後の支配や差別について学ぶ。 | |
7 | 7 | 「収奪された大地」 | 主に20世紀からの開発と収奪に晒された先住民社会について、天然ゴムブーム、インフラ開発、地下資源開発などから学ぶ。 | |
8 | 8 | 「私たちは多くの世界の収まる一つの世界を望む」 | 先住民運動の文脈や抵抗実践、そのメッセージを学ぶ。 | |
9 | 9 | 「もう一つの物語を語ろう」 | 先住民運動のなかでアニミズム的な宇宙論が持つ重要性を理解する。 | |
10 | 10 | 「動物が昔人間だった頃」 | アマゾニアの多様な動物たちと、動物たちと人間が交流しあう神話について学ぶ。 | |
11 | 11 | 「森の精霊とともに生きる」 | 先住民と動物たちの繋がりについて学ぶ。 | |
12 | 12 | 「河は私たちの祖父である」 | アマゾニア先住民の河川との繋がりについて、現在の運河開発を背景にしながら学ぶ。 | |
13 | 13 | 「山と話をする人」 | アンデス山脈の先住民と山々の繋がりについて、現在の鉱山開発を背景にしながら学ぶ。 | |
14 | 14 | 「夢をみること」 | シャーマニズムについて学ぶ。アマゾニア先住民の動植物との霊的世界との交流や実践について学ぶ。 | |
15 | 15 | 「世界の終わりを先延ばしするためのアイディア」 | 南北アメリカ先住民の社会、歴史、環境、文化について全体像を振り返る。 |